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宇宙太陽光発電とは何?壮大な夢の技術か馬鹿げた計画か?

2017年7月25日

 

現在は地球環境が悪化していて世界的に大きな問題となっています。エネルギーについては石油の代わりとしていろいろな方式のタイプが登場していますが、そのなかでもっとも有名なのが太陽光発電でしょう。これはもちろんソーラーパネルを利用して太陽の光を電気エネルギーにするという発電なんですが、これよりもさらにスケールが大きい発電のアイデアがあります。それが「宇宙太陽光発電」です。この壮大なアイデア・コンセプトについて今回は説明していきます。

 

宇宙太陽光発電とは!?

「1976年の発電衛星構想図 (NASA) wikipedia」

 

宇宙太陽光発電とは、宇宙空間で太陽光発電をして、そこから得られた電力を地球に送るという、とても壮大なコンセプト・アイデアです。しかしこの宇宙太陽光発電、SF映画やSFアニメなどではよく出てくるのですが、本当に実現可能なのでしょうか。宇宙太陽光発電の具体的な方法としては、まず、宇宙空間に太陽発電ができる衛星を置き、そこで太陽から直接エネルギーを得て、これをなんらかの方法で地球に送るというコンセプトとなっています。この「なんらかの方法」というのは現在のところ、マイクロ波を使った方式、レーザー光を使った方式などが考えられています。このアイデア・コンセプトは、1970年代から生まれていました。システムはSpace・Solar・Power・System「宇宙太陽光発電システム」で、その略として「SSPS」と呼ばれていました。宇宙に配置する「発電衛星」、地球の「受信局」により電力供給を行う方式です。地球の衛星軌道上に設置された施設で太陽光発電を行って、そこで得た電力をマイクロ波あるいはレーザー光にして地上の、砂漠または海上に置かれる受信局に送信して、これを地上で電力に変換するといった構想です。

 

もし宇宙太陽光発電が可能なら

(宇宙太陽光発電衛星の想像図 wikipedia)

 

もし実現できればの話しですが、この方法だと発電する衛星と、送電を中継している送電の衛星を利用することで、夜間においても地上に電力供給することができると期待され、太陽から得られる無尽蔵の電力を、ほとんど24時間1年を通して利用できるのが最大のメリットといえるでしょう。また、太陽電池の発電の代替として、太陽熱を利用する「汽力発電」を行うことも可能で、こちらの場合では「宇宙太陽熱発電」と呼ばれます。発電する施設を軌道上ではなく月面にすることもできます。この宇宙太陽光発電は、1968年に提唱されて以来、新しいエネルギー源として研究されていて、あのオイルショックから各国で研究されていました。しかし、当然ながら巨大な大型プロジェクトで、かかる資金も莫大なために開発中止した国がほとんどでした。ただし日本は、自国の算出できるエネルギーが乏しいこともあって研究が盛んで、マイクロ波による送電やビーム送電等、必要な基礎技術が研究開発されています。今では、宇宙で太陽から発電したこのエネルギーを、地上に送るというこのアイデアは、原理的に不可能ではないともいわれています。

 

しかし、宇宙太陽光発電はコストがかかりすぎる!

「1990年代後半に検討された発電衛星(サンタワー)構想図 (NASA) wikipedia」

 

地球上に降り注いでいる太陽光エネルギーはとても膨大であり、地球に届いている太陽光のすべてをエネルギーに変換できれば、40分くらいの受光でもなんと人類が用いるエネルギーの一年分をまかなうことが可能と理論的には言われています。また、二酸化炭素のCO2を排出しないので温暖化の対策にも期待できます。しかし、当然これは「理論上では」ということになります。これを実際に行うにはさまざまな障害があり、宇宙太陽光発電は「馬鹿げた計画」とも批判されています。1968年のアメリカのピーター・グレーザー博士が提案したこのコンセプトは、アメリカではNASAが中心となって研究していましたが、コストが巨大なのが問題となり、結局プロジェクトは中止となりました。SSPSを設置する計画が、実現するためにどれくらい予算がかかるのかというと、、原子力発電所の1基分に当たる100万キロワットの発電能力があるSSPSを2030年を目処に設置した場合、コストはおよそ約1.3兆円ですが、それも技術革新を見越したうえの試算なため安く見積もったものであり、実際には2兆円以上といわれます。さらに膨大な部品の打ち上げコストなどもあるので現在の実現可能性は0%となっています

 

研究開発を続けなければ問題は解決できない

 

実現するためには、やはりコスト削減のための技術革新がもっとも重要なキーポイントとなります。このように実現にはかなり厳しい道のりがありますが、あきらめずに研究開発を続けなければ技術革新もないので、今後はどうなっていくのか見守っていきたいところです。

写真:wikipedia

 

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