太陽系

火星ってどんな星?特徴や水の存在、テラフォーミング、神話も紹介!





(※1.火星)

太陽を中心として、地球の外側をまわっている惑星が、火星です。夜空に赤く輝くこの星は、古い時代から人々に親しまれて、様々な観測(かんそく)が行われてきました。最近では無人の探査機(たんさき)が火星で活動(かつどう)し、岩がゴロゴロした火星表面(ひょうめん)の驚くほど綺麗な写真が送られてきています。人類(じんるい)が火星に行ける日も遠くなさそうですが、火星は太陽からとても離れているので、非常に寒く、酸素(さんそ)もほとんどないといわれています。いったい火星というのは、どんな星なのでしょうか。





火星の特徴

 

火星に空気はあるの?

(※2.火星の低軌道写真の中の地平線で見えるの薄い大気)

火星の空気は地球に比べて非常に薄く、また酸素(さんそ)もほとんどなくて、大気(たいき)の95%は二酸化炭素(にさんかたんそ)です。もし宇宙服(うちゅうふく)なしで火星に降りたら、すぐに息苦しくなり、意識を失って数分で死んでしまうでしょう。

 

 

今から何億年も前は、火星にも豊かな水をたたえた海があり、植物が成長(せいちょう)できる濃い大気(たいき)があったと考えられています。しかし、長い時間をかけて、火星の水と空気は宇宙空間(うちゅうくうかん)に逃げていってしまいました。地球には磁場(じば)がありますが、火星にはそれがないため、強烈な太陽風(たいようふう)をさえぎることが出来ずに、大気(たいき)がはじき飛ばされてしまったのでは、との説が有力(ゆうりょく)です。

 

火星に水はあるの?

(※3.塩水のような液体が流れ出たとみられる跡)

火星の気温(きおん)はかなり低く、平均気温(へいきんきおん)はマイナス53度です。地球では南極(なんきょく)の平均気温(へいきんきおん)がそれくらいなので、どれくらい寒いか分かりますね。夏の暑い時には20度を超えるところもありますが、もっとも寒いときにはマイナス130度にまで下がります。こんなに寒いので、わずかに残っている水分はすべて凍ってしまいます。しかし、最近(さいきん)の無人探査機(むじんたんさき)の観測では、地面の下にたくさんの水があることがわかってきました。また、探査機(たんさき)が撮影(さつえい)した写真をみると、川が流れたあとのような地形や、水の流れで浸食(しんしょく)された岩肌(いわはだ)が観測(かんそく)でき、数億年前にはゆたかな川や海があったことがわかります。火星の海は、地球の大西洋(たいせいよう)ほどの広さで、1600メートルもの深さがあったといわれています。その時代の火星にタイムマシンで行けたなら、青い空の下に青い海が広がり、もしかしたら原始的(げんしてき)な植物がみられたかもしれませんね。

 

火星に住めるの?

(※4.有人火星探査の想像図)

酸素(さんそ)がなくて水もなく、そしてとてつもなく寒い火星に住むことは、到底できなさそうです。しかし、火星に住む計画は着々と進められており、人類(じんるい)が火星におり立つ日はそう遠くないかもしれません。

 

火星のテラ・フォーミング計画

 

テラ・フォーミングという言葉をきいたことはありますか?テラは地球、フォーミングは形成(けいせい)すると言う意味で、テラ・フォーミングとは火星を地球のようにする計画(けいかく)です。火星の軌道上(きどうじょう)に巨大(きょだい)なミラーをおいて、太陽熱(たいようねつ)で火星の氷をとかして、気温(きおん)を上昇(じょうしょう)させるなど、いろいろな方法が考えられています。テラ・フォーミングで地球と同じような環境(かんきょう)にするためには、何百年もかかりますが、それでも火星に移住(いじゅう)する計画(けいかく)が真剣(しんけん)に検討(けんとう)されているのです。

 

火星に行けるの?

 

現在の技術(ぎじゅつ)では、火星に行くために必要なものを打ち上げるのに、巨大(きょだい)なロケットが必要で、たいへんな費用(ひよう)がかかります。また、火星からもどってくるためには、火星上で帰還(きかん)用のロケットを組立てなければならず、現在の技術(ぎじゅつ)ではちょっと難しいところがあります。行くことはできても、帰ってくることが大変なのです。しかし、いま研究(けんきゅう)が進んでいる宇宙エレベーターが実現(じつげん)すれば、巨大なロケットがいらなくなり、今よりもっと簡単で安全に、宇宙に行くことができるようになります。そうすれば、おおぜいの人が火星に行ったり来たりすることが可能(かのう)になるでしょう。

 

火星のデータ

火 星 地 球
太陽からの距離(きょり) 2億2790万キロメートル 1億4960万キロメートル
直径(ちょっけい) 6779キロメートル 1万2742キロメートル
1年のながさ 687日 365日
1日の時間(じかん) 1日と40分 23時間56分
重力(じゅうりょく) 地球の約1/3 1G
へいきん気温 マイナス53度 15度
さいてい気温 マイナス133度 マイナス71度
最高気温 27度 59度
大気(たいき)の成分(せいぶん) 二酸化炭素(にさんかたんそ):95% 窒素(ちっそ):78%
窒素(ちっそ):2.7% 酸素(さんそ):21%
アルゴン:1.6% 二酸化炭素(にさんかたんそ):0.035%
酸素(さんそ):0.1% アルゴン:0.9%

 

 

火星を観測(かんそく)してみよう

(※5.天球上の火星の動き)

火星は太陽の回りを687日かけて1周しています。これを公転周期(こうてんしゅうき)といいます。地球の公転周期(こうてんしゅうき)は365日なので、火星の1年は地球の約2倍ということができますね。そして、火星の公転軌道(こうてんきどう)はやや楕円(だえん)になっています。このため、地球と火星は近づいたり遠ざかったりし、やく2年2か月ごとに最接近(さいせっきん)します。2016年の5月はかなり接近(せっきん)し、7528万キロメートルまで近づきました。次は2018年7月で、このときは5600万キロメートルまで接近(せっきん)します。接近(せっきん)した火星は、赤く明るいかがやきになるので、見つけやすくなります。最近(さいきん)は、スマートフォンのアプリで星の位置がわかるものがありますから、それを使ってみるとすぐに見つけることができるでしょう。

 

火星にまつわる神話

(※6.サンドロ・ボッティチェッリ作、ヴィーナスとマルス)

火星は英語(えいご)でマーズ(Mars)といいます。また、ギリシア神話(しんわ)でマルス(Mars)はたたかいの神をあらわしています。火星は血のように赤く光っているので、古代(こだい)の人はこれを、戦いの神としたのでしょう。ちなみに、夕方の西空や明け方の東でひときわあかるい金星(きんせい)は、ビーナスとよばれる愛(あい)と美(び)の女神(めがみ)で、マルスの恋人(こいびと)といわれています。

 

火星探査機(たんさき)はどんなものがあるの?

(※7.マリナー9号の打ち上げ)

1960年(いまから50年いじょうまえ)から、ソビエトやアメリカは火星にむけて探査機(たんさき)のロケットを打ち上げてきました。しかし、火星と地球は遠く離れているため、電波(でんぱ)が届くのに何分もかかってしまいます。地球から通信(つうしん)で操作(そうさ)することがうまくいかず、途中で行方がわからなくなったり、火星表面(ひょうめん)に激突(げきとつ)したりして、失敗(しっぱい)の連続(れんぞく)でした。

 

(※8.マリナー9号)

1971年(いまから45年まえ)になってやっと、アメリカがマリナー9号を火星の周回軌道(しゅうかいきどう)にのせ、火星表面(ひょうめん)の写真撮影(しゃしんさつえい)を行うことに成功(せいこう)しました。

 

(※9.マリナー9号から撮影されたマリネリス峡谷の西端にある夜の迷宮 )

 

1976年のバイキング1号が火星に着陸成功

(※10.ヴァイキング1号の着陸地点)

また1976年のバイキング1号では探査機(たんさき)を火星に着陸(ちゃくりく)させることに成功(せいこう)、火星表面(ひょうめん)の詳細(しょうさい)な写真を地球におくってきて、ひとびとをおどろかせました。その後20年間、なん回か失敗(しっぱい)はありましたが、アメリカが1997年に、ソジャーナーの着陸(ちゃくりく)に成功(せいこう)。

 

(※11.スピリットによって撮影されたコロンビア・ヒルズのパノラマ画像)

2003年にスピリット、2004年にオポチュニティの探査機(たんさき)をつづけておくりこみ、火星の観測(かんそく)が急速(きゅうそく)にすすみました。

 

2012年にはキュリオシティを使って観測開始

(※12.火星上のキュリオシティ)

2012年には自動車(じどうしゃ)とおなじくらいの大きさがある大型(おおがた)の着陸機(ちゃくりくき)キュリオシティを降下(こうか)させて、今も火星表面(ひょうめん)をうごき回って観測(かんそく)をつづけています。

 

(※13.キュリオシティが写したアイオリス山)

ヨーロッパはロシアと共同(きょうどう)のエクソマーズ計画(けいかく)で、2016年にスキアパレッリを火星におくりこみましたが、火星への着陸(ちゃくりく)中にトラブルが発生(はっせい)し、探査機(たんさき)は火星表面(ひょうめん)に激突(げきとつ)してしまいました。センサーがまだ空のたかいところで、地面が近づいたとまちがえて判断(はんだん)し、逆噴射(ぎゃくふんしゃ)がとまってしまったのではないかと考えられています。人がのって操縦(そうじゅう)していれば、うまく着陸(ちゃくりく)できたかもしれませんが、無人機(むじんき)は、コンピューターが自動(じどう)で操縦(そうじゅう)しなければならない難しさがあるのです。

 

※1〜13:写真の引用元はwikipedia/他写真についてはフリー素材(photo ACより)





キタノモリ

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経歴:航空宇宙関連の会社勤務
趣味:ウルトラランニング
気になる宇宙分野:宇宙探査機、火星探査、太陽系外の惑星

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