月のクレーターについて徹底解剖します!

2017年6月28日

 

月といえば「うさぎ」を連想する人も多いかもしれません。しかし、月には実際にうさぎはいないわけですが、クレーターという表面にある「くぼみ」が存在しています。この月のクレーターについて、いろいろと興味深い話をご紹介します。天体望遠鏡で月の表面を観察すると、くぼみのような地形が数多くみられることがわかるでしょう。これを「クレーター」と呼びます。大きさはまちまちで、直径200kmもの大きさのものから、直径数kmにもならないものまであり、このようなクレーターが月全体で数万個存在しています。クレーターの分布範囲を調べると、高地部分に多くあり、海であった部分は少なくなっていました。

 

クレーターがあるのは月だけじゃない

 

月のクレーターについてのお話をする前に、クレーターって月だけのものと思っている人もいるのではないでしょうか?そうではなくて、金星や火星に小惑星、さらには地球にもクレーターが存在しています。ちなみに、地球で一番有名なクレーターといえば、アメリカのアリゾナ州にある、直径約約1.2〜1.5キロメートル、深さは約170メートルという超巨大なクレーターです。ではなぜ地球は月よりもクレーターが少ないのでしょうか?月よりも大きくて重力も強い地球は、より多くの隕石が落ちますが、「大気」があるために大気圏で燃え尽きてしまうからです。さらに、風化作用によって風・雨などによって何百年もすればくずれてなくなってしまうからなのです。

 

月のクレーターはどうやってできた!?

 

さて、あの月のくぼみのようなクレーターはどのようにしてできたのでしょうか?これについては中世から論争になっていました。1609年、ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡を月に向け、クレーターを発見。クレーターという言葉もあのガリレオがつけたのです。時代は進んで1960年代、有名なアメリカのアポロ計画が集めたデータやそのほかの宇宙船観測によって、月のクレーターができた原因が判明しました。それは、彗星、または小惑星などの衝突によってあのくぼみができたという結論だったのです。巨大ないん石が地面に衝突したときに、その衝突エネルギーが熱・力になって爆発、地面にはふちが高く盛り上がり丸いくぼ地ができます。これがクレーターの正体です。そう考えると、よくわかる気がしますよね?地球と月は、太陽系ができた46億年前に生まれました。はじめは微惑星(びわくせい)という10kmくらいの小天体が多く生まれました。これが衝突して合体し、地球に月、その他惑星となったとされています。月が誕生したとき、それになりきれなかった多くの微惑星が次々に月と降り注ぎ、つまり、それがたくさんのクレーターとなったのです。クレーターのほとんどは、月が誕生してから約6億年間にできましたが、その後もいん石の衝突があり、新しいクレーターを作っていきました。月のクレーターの特徴は、月には水・大気・プレートテクニクスといったものがないために、浸食作用がほぼ無いためになんと20億年以上もそのままになっているクレーターがあることです。またこのとき、クレーターの年齢を調べる方法があります。大きいクレーターの場合、中の小さいクレーターの量によって、多ければより古く、小さければ比較的新しいといった見分け方ができます。

 

クレーターができた瞬間は大迫力だったと想像できますね

 

普段はなんとなく知っている程度であった「クレーター」についてでした。こうして作られた原因がわかると、なるほどなあという感じですよね。大きな惑星に隕石が衝突するところを想像すると、なんとも迫力があってすさまじいでしょうね!また、このようなクレーターは隕石の衝突のほかにも、爆発によってできる「爆発クレーター」というものがあります。これは、核爆発などによってできるものでおなじみですね。

写真元:wikipedia

 

-