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宇宙の約68%を占めるという、謎のダークエネルギーとは?

2018年3月11日

 

宇宙には、人間にわからない謎が無数に存在しています。

だからこそ宇宙を知ることは面白いのでしょう。

ほとんどの人間が行ったことのない未開の地というところ点も好奇心をそそるポイントですよね。

 

ここでは無数にある宇宙の謎のなかでも、有名な「ダークエネルギー」について紹介してみましょう。

 

ダークエネルギーとは一体なに?

 

「ダークエネルギー」とは、宇宙の約68%を占めているという謎のエネルギーです。

重力に反する力である「反重力」の性質があるといわれ、

仮説のエネルギーのなかでは物理学で最大の謎と言われています。

天文学では宇宙の全体にあり、宇宙が広がっていることに影響を及ぼしているとされています。

 

2013年に欧州宇宙機関が発表した宇宙の質量・エネルギーにおける割合は、

ダークエネルギーが68.3%、暗黒物質・ダークマターが26.8%、

原子などの物質が4.9%、という観測結果が出ています。

 

ダークエネルギーという言葉は、

1933年にスイスの天文学者フリッツ・ツビッキーが提唱した暗黒物質の

「ダークマター」から影響を受けて

1998年に宇宙論の研究者であるマイケル・ターナー氏が作った言葉です。

 

ダークという言葉は、これまで観測することができない、

見えない何か=暗いということからつけられています。

 

宇宙が加速膨張していることや、宇宙の質量が大半が正体不明という観測の事実を説明するときに、

現在の宇宙論では標準的理論とされている

「FLRW計量(フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量。

一般相対性理論の厳密解の一つ。一様・等方な物質分布で膨張・収縮をする宇宙モデル)」に、

ダークエネルギー効果を加えるというのが最も一般的な手法とされています。

この宇宙論モデルを「Λ-CDMモデル」といいます。

 

Λ-CDMモデルは英語では「Lambda-Cold Dark Matter Model」といい、

「冷たい暗黒物質」に宇宙項Λを足した宇宙モデルのことです。

 

現在考えられているダークエネルギーの形態は2つあります。それが「宇宙定数」と

「クインテッセンス」です。宇宙定数という形態は静的で、クインテッセンスは動的です。

 

この2つを分けるためには、宇宙の膨張を高精度で測定、

膨張の速度が時間経過でどのような変化があるかを調べる必要があります。

これは観測的な宇宙論における主要研究課題の一つとなっています。

 

アインシュタインと宇宙定数

 

宇宙定数というものはかの有名なアインシュタインが1917年に

静的宇宙を現す重力場の方程式の答えを探るために提案しました。

このとき、ダークエネルギーのようなエネルギーを重力を釣り合わせるために使っています。

時代が進むとこの静的な宇宙はどこかで非一様性があるときには宇宙規模で

膨張あるいは収縮が進むために不安定であることがわかりました。

 

宇宙の平衡状態としては不安定で、膨張をわずかにすればそれが真空のエネルギーを出し、

さらに膨張が加速されます。これは収縮でも同じです。

 

これは、宇宙には物質の非一様が広がっているために不可避なことになりますが、

これより重要なことはエドウィン・ハッブルが観測した結果宇宙は膨張していて

静的ではないことが判明したことです。

この発見の後に宇宙定数は歴史上にあった奇妙なものとしてほとんど無視されることになります。

 

アインシュタインは静的宇宙で対照的で動的な宇宙のアイデアを考えられなかったことが

人生における最大の失敗だったと言ったという話です。

 

ただ、さすがはアインシュタインというべきでしょうか、

この宇宙定数が現在では最有力な説のもとになっているのです。

 

1970年代にアメリカの宇宙物理学者アラン・グースがダークエネルギーに近い

「偽の真空」概念を提唱しました。

これは、宇宙の初期においてインフレーション駆動をする機構であり、

1980年代になると日本の宇宙物理学者佐藤勝彦とグースが最初期の宇宙ではあの宇宙定数が

「宇宙のインフレーション」を引き起こした可能性を考案しました。

 

「宇宙のインフレーション」は、質的にダークエネルギーに似たある反発力を想定し、

ビッグバンからほんのわずか先の宇宙における指数関数的な膨張を引き起こします。

 

この膨張は、現代のビッグバン宇宙論にとり不可欠ですが、

インフレーションは現在観測しているダークエネルギーより

はるかに高エネルギーな密度で生まれるので、

宇宙が誕生して一秒までの大きさになったとき完全に終結するとされています。

ダークエネルギーとインフレーションにどのような関係があるのかは不明です。

 

このモデルが受け入れられた後も、宇宙定数は最初期の宇宙にだけ重要で、

現在の宇宙には無関係であるとされていましたが、1990年代末期に人工衛星・望遠鏡が発展すると、

遠い超新星などを高精度で測定することができるようになり、

これらの結果のいくつかは、何らかの形でダークエネルギーが

宇宙に存在すると考えると最も簡単に説明できるものでした。

 

宇宙定数、後のダークエネルギーを含めた宇宙モデルを使うことで、

球状の星団から推定する宇宙の年齢を正確に説明できるということが1995年には指摘されています。

最初のダークエネルギーの証拠は、

ソール・パルマッターとアダム・リースらのチームが超新星を観測し、

その距離を決定したことで加速的な膨張が発見されたことです。

 

 

ダークエネルギーの真の正体は?

 

しかし、現在のところダークエネルギーの

真の正体は残念ながらほとんど推測の対象ということになっています。

 

ダークエネルギーは一般相対論の宇宙定数の「Λ」で表される真空エネルギーではと考える人が多く、

これはダークエネルギーの最も単純な考察でもあります。

宇宙定数は時間・宇宙膨張だけでなく宇宙全体の一様した密度のダークエネルギーととれるからです。

真空というのは普通は何もない空間と考えがちですが、何もないという訳ではなく、

常に粒子・反粒子が生まれては消えている場とするのが量子物理学における考え方です。

 

これはアインシュタインが導入した形のダークエネルギーで、現在までの観測とも矛盾していません。

ダークエネルギーがこの形をとるなら、ダークエネルギーは宇宙が持つ基本的な特徴であるといえます。

 

これと別に、ダークエネルギーはある動力学的な場が粒子のように励起したものとする考え方があり、

これが「クインテッセンス」といいます。

「クインテッセンス」は空間・時間によって変化することが宇宙定数と違う点です。

 

クインテッセンスは互いに集まり構造を作る物質のようなことがないように、

とても軽くなければならないのですが、

現在のところクインテッセンスがあるという証拠はないものの、否定もされていません。

 

 

ダークエネルギーは存在しないという最新の学説

 

しかし、最近このダークエネルギーが存在しない可能性がシュミレーションで判明し、

物理学に衝撃を与えました。

 

これまでに世界中の科学者たちがその存在を信じて発見に力を注いできたダークエネルギーが、

最新のコンピュータシミュレーションにより

「宇宙の68%を占めるているとされたダークエネルギーが存在しない」

ということが明らかになったそうです。

 

ハンガリーの名門であるエトヴェシュ・ロラーンド大学の研究者たちが、

ダークエネルギー無しでも宇宙の膨張を説明できるという研究結果を英王立天文学会の月報で発表し、

物理学研究者に大きな衝撃を与えています。

 

コンピュータシミュレーションで物質初期の凝集・大規模構造形成を考慮に入れると、

ダークエネルギーがなくても膨張の速度は現在の観測データと変わらなかったとのこと。

さらに、宇宙はこれまで一様に膨張してきたと考えられていましたが、

違う部分では違う膨張速度を持つことが判明されたそうです。

 

今回の研究でダークマターは省かれていないのですが、

オランダ・ライデン大学の研究では、ダークマターも存在しないという

「ヴァーリンデの重力仮説」を発表しています。

 

 

謎だらけのダークエネルギーでした

 

宇宙のほとんどであるというダークエネルギーですが、

最近ではその存在そのものを否定する研究者もいたりしています。

このように、宇宙の謎は深まるばかりですね。

アインシュタイン以来の物理学の理論は部分的機能不全に陥っているとも言われています。

ここはひとつ、アインシュタインのような天才に出現してもらいたいですね。

 

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