現在、海外旅行はもうすでにおなじみのものとなっています。
日本に訪れる外国人も多くなっていますね。
旅行好きの方なら、もっと行ったことのない場所はないか?
と思うかもしれません。
では「宇宙旅行」はどうでしょうか?ちょっと前ならありえないような話でしたが、
このたびオライオン・スパン社が「宇宙ホテル」を
2022年までに開業するという計画が発表されています。
この記事の目次
宇宙ホテル「オーロラ・ステーション」
(宇宙ホテル「オーロラ・ステーション」引用元:オライオン・スパン社 公式サイト)
アメリカのテキサス州ヒューストンにある「オライオン・スパン社」は、
2021年までに史上初の宇宙ホテルを宇宙に打ち上げる計画を発表しました。
このホテルは「オーロラ・ステーション」と名付けられ、
打ち上げの翌年、今から4年後の2022年から営業を開始する予定だそうです。
当然、気になるのがその「宿泊代」、料金ですね。
「オーロラ・ステーション」に12日間宿泊するチケット価格は、
お1人様950万ドルで日本円にして約10億円、
一晩で79万1666ドル、日本円で約8500万円という計算になります。
つまり、1日だいたい約1億円ということになりますね!高いですねー!
しかし、今まではまったく考えられなかった一般人の宇宙飛行のため、
当然といえば当然の価格でしょう。
こんな高額な費用がかかる旅行、
いったい誰が行くのだろうと思うかもしれません。
しかし、価格的にはプライベートジェットや大型のクルーザーよりも安いことになるので、
俳優・スポーツ選手・石油王等、一部のお金持ちなら可能なようです。
ロシアでも宇宙旅行を販売していますが、2000万ドル〜4000万ドルという値段であり。
これに比べれば半額以下ということになり、破格の値段という見方もあります。
オライオン・スパン社のCEOが語る夢
現在は普通の人にはあまり馴染みのない会社ですが、
この画期的な宇宙旅行計画を発表したオライオン・スパン社という会社は
いったいどんな会社なんでしょうか。
オライオン・スパン社は、ソフトウェア技術者兼起業家の
フランク・バンガー氏によって設立された会社で、
アメリカ航空宇宙局、つまりあのNASAで宇宙ステーションについての
仕事に携わっていたエンジニアも参加しています。
ただ、現在はまだ宿泊客を「オーロラ・ステーション」へと送り届ける業者と契約を交わしていません。
一般人が2000万ドル〜4000万ドルという行き帰りの代金を支払い、
国際宇宙ステーションに行った例は過去にありますが、
オライオン・スパン社のCEOフランク・バンガー氏は、
打ち上げの価格が下がっている傾向にあるので、これほど高額にはならないとしています。
宇宙に行ってみたいお金持ちの人は、払い戻しができる8万ドルという手付金を払えば、
宇宙ホテルの予約ができます。
実はこのデポジット、すでに4か月分が完売しているそうです。
やはり大金持ちはいるものですね。
「オーロラ・ステーションは打ち上げられた後すばやくサービスを始め、
かつてないほどの低価格で普通の人を宇宙に迎えます。
私たちの目標は低いコストで高い価値を生み出すことにより、
宇宙を普通の人にも行ける場所とすることです」 と、バンガー氏は述べています。
「オーロラ・ステーション」の全貌
地表320キロ上空に打ち上げられる「オーロラ・ステーション」は、
全長が13.3メートル・全幅が4.3メートル・与圧容積が160立方メートルであり、
大きさはプライベートジェットのキャビン程です。
また、複数のステーションを合体させてさらに広くすることも可能で、
ホテルとしての利用だけでなく、宇宙機関で働く宇宙飛行士の滞在する場所、
微小重力環境を利用しての実験・試験をする場所としてなど、幅広い使用方法を見込んでいます。
「オーロラ・ステーション」は完全モジュール方式という設計予定で、
6名までが宿泊できて、2人用スイートルームも設けられます。
通常のホテルのスイートルームはすごく高い値段で知られていますが、
このホテルだといくらになるんでしょうかね?
6人のうちの宿泊客が4人で、残りの2人はスタッフである元宇宙飛行士という構成になります。
ホテルの設備は今、国際宇宙ステーションのエンジニアだった専門家の協力を得て、
アメリカのヒューストンで建造されているそうです。
また、ホテルで使用するソフトウエアもサンフランシスコで開発されているそうです。
それでも、本当に実現するのか疑わしい人もいるでしょう。
問題はホテルに着くまでの輸送手段です。
宇宙船開発は現在イーロン・マスク氏のスペースX社などの影響で低コスト化が進んでいるものの、
宇宙船運賃のみで10億円かかるという現状もあるため、
オライオン・スパン社の滞在費込みで10億円は実現が難しいのではとされています。
それでも大金持ちというのは世界に存在してます、
たとえ宇宙船運賃とホテル滞在費でで20億円かかったとしても
宇宙に行きたいという人も存在するでしょう。
そこに目をつけたのがオライオン・スパン社です。
デポジットを少額にしたことも潜在的な顧客の数を投資家にアピールしていると考えられます。
宇宙ホテルとして民間人相手にに開業するのではなく、
アメリカやヨーロッパなどの宇宙飛行士の滞在先、
研究機関の実験場というケースから開始するかもしれません。
国際宇宙ステーションも老朽化が進み、運用終了の期間が迫っています。
そんなときにこのオーロラ・ステーションがあれば、
宇宙飛行士の滞在などに利用することができるため、
もしも民間用のホテルサービスがうまくいかなくても、
まったく無駄にはならないという算段もあるでしょう。
宇宙ホテルでなにができる?
この「オーロラ・ステーション」は地上から高度320km軌道を周回していて、
地球を1時間半で1周することができます。
ホテルでは窓から1日で16階訪れるという日の出を見ることができます。
ほかにもVR体験、宇宙での植物栽培、地球の人とライブ通信などができる予定で、
この宇宙ホテルは特に「ラグジュアリー感」を売りにしています。
宇宙で豪華ホテルに泊まる、といった感じでしょうか。
このホテルでは、気軽な旅行を提供するのではなく、
宇宙飛行士体験を提供するとバンガー氏は語ります。
もちろん、普通の人が宇宙に行くには準備が必要です。宇宙へ向かう人間は、
その24ヶ月前、つまり2年前から準備をしていくのがこれまでの常識でしたが、
この会社はそれを3ヶ月に短縮するとしています。
この宇宙飛行士認証プログラムでは、オンラインと同社施設のトレーニング
があり、オーロラ・ステーションに滞在中にも訓練があります。
宇宙に「分譲マンション」ができるかも
宇宙旅行をビジネスにした企業はこれまでにもありました。
国際宇宙ステーションに4部屋ホテルのモジュールを設置、
1人分で4000万ドルで滞在できるプランがあり、アメリカのアクシオム・スペース社では2024年までに
「商業用宇宙ステーション」を打ち上げするという計画をたてています。
ヴァージン・ギャラクティック社も、大気圏外への旅行を1人25万ドルで実現する予定があります。
オーロラ・ステーションが無事に成功した場合、
オライオン・スパン社は同じモジュールで宇宙ステーションを建設するかもしれません。
「将来的に史上初の宇宙分譲マンションとして専用モジュールを売る予定があります。
このオーナーは自分の物となった宇宙マンションで暮らしたり転貸ししたりできるでしょう」
とバンガー氏は語っています。
ただし、アメリカ科学技術政策局やスペースX社のチームで働いた経験もある
コロラド大学のフィル・ラーソン氏は、
「地球低軌道でのビジネスは活況になるかもしれませんが、
それを実現するまでには試行錯誤が必要でしょう」と語っています。
いずれは一般人にも可能になるかも
夢の「宇宙ホテル」についてでした。
夢といっても現実に近づきつつあるんですね。
宇宙旅行の料金は現在はごく限られた大金持ちだけが払えるような金額が設定されていますが、
いずれはこれも低価格となって、普通の人でも海外旅行のように宇宙へ行ける日もくるかもしれません。