太陽系外惑星

地球に似た系外惑星「CoRoT-7b」は、実は木星の衛星「イオ」に近い?

2019年9月1日

CoRoT-7bの想像図 wikipedia

CoRoT-7bの想像図 wikipedia

 

太陽系外惑星「CoRoT-7b」は、地球に似ているので「スーパーアース(巨大地球型惑星)」と言われています。これは非公式な天文用語で、なぜこのような言葉があるのかというと、太陽系の惑星になぞらえた系外惑星の分類をするためです。

 

しかし、最近では木星の衛星イオに似ている「スーパーイオ」ではないかとも言われています。

今回はこの惑星 「CoRoT-7b」についてみていきましょう。

 

CoRoT-7bという系外惑星

CoRoT-7bが太陽に似た恒星、CoRoT-7の前を横切る想像図 wikipedia

CoRoT-7bが太陽に似た恒星、CoRoT-7の前を横切る想像図 wikipedia

 

「CoRoT-7b」は、地球からいっかくじゅう座の方向に約500光年ほど離れている恒星の「CoRoT-7」を周回している太陽系外惑星です。公転周期が20時間、半径は地球の約1.5倍で、「ケプラー10b」が発見されるまでは最も小さい太陽系外惑星でした。

 

木星の衛星イオに似ている!?

イオ (衛星) wikipedia

イオ (衛星) wikipedia

 

この星が、実はこれまで言われていた地球より木星の衛星である「イオ」に近いかもしれないそうです。地球に似ているといっても、その内部はまったく違います。

 

「CoRoT-7b」は、溶岩が沸々と煮え空から熱い石の雨が降っているという苛烈な星で、最新の研究では、この星は系外惑星の新しいカテゴリーである「スーパーイオ」になる初の天体かもしれないと論じられています。

 

木星の衛星「イオ」と同じく、潮汐加熱が起きている軌道にある可能性が高いと言われているからです。

「イオ」の地殻は、主星からの重力でその形をいつも変えています。

 

そのことにより、潮汐加熱で内部の温度は上がり、地表は数百という火山が活動しています。

CoRoT-7bもこのような内部ではないかと考えられていますが、イオとは違い恒星近くにあるので、さらに熱源があります。

 

観測によれば、CoRoT-7b内部の温度は1000℃から1500℃ではないかと想定されています。これほどに熱い場所なら、マグマの海が存在していることも考えられます。

 

また、CoRoT-7bは重力で自転周期・公転周期が同期する「潮汐固定」が起きていて、いつも同じ面だけを恒星に向けています。この恒星に向いている側の温度は、岩が蒸発してしまうほど高いそうです。大気をモデル化して研究している学者は、ここには二酸化炭素・水蒸気・窒素などの気体が見つからず、その代わり「蒸発した石」でできているのではと考えています。

 

また、この大気は水がベースの地球のそれとは違い、小さい石を圧縮して大気に放出、溶けた溶岩で覆われている惑星の表面に、「石の雨」を降らしている、という気象システムが推測されています。表面の片方はマグマがの海がドロドロに溶けて流れていて、その裏側は激しく噴火を起こす火山がある状態かもしれません。

 

ただ、CoRoT-7bは地球から約500光年も先にあるので、最新の技術と最新の望遠鏡をもってしても正確に調べることはできません。ということで、本当にイオに似ているのかは確証がありません。

 

 

プラネットハンティングは続く

 

しかし、今回の研究には十分な論拠もあるので専門家も多く賛同しています。イオの火山でも、潮汐加熱に基づいた予想の直後にあの「ボイジャー」が1979年に煙を上げているのを発見しました。現在、CoRoT-7bにある火山を調べるのはかなり難しいのですが、スピッツァー宇宙望遠鏡のような高性能の宇宙望遠鏡なら、火山をもっとよく調べられるかもしれません。

 

ほかにもケプラー宇宙望遠鏡等、進行中の系外惑星探し「プラネットハンティング」の機器がもっと遠くまで見れるようになれば、CoRoT-7に似た高熱岩石型惑星が無数に見つかるでしょう。

 

 

内部は地球とはまったく違う

 

地球に似ている系外惑星 「CoRoT-7b」についてでした。地球に似ているといっても、内部はマグマの海や噴火を続ける火山、石の雨が降っているなど、かなりの場所のようです。ここも、とても人間が住めるような星ではないようですね。

 

参考記事:

最も地球に似た系外惑星はスーパーイオ

 

 

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