個人レベルではなく、組織レベルで地球から宇宙を観測している施設が天文台です。
日本でもっとも有名な天文台といえば、現在は東京の三鷹市にある「国立天文台」ではないでしょうか。
今回はこの国立天文台について、毎月2回開かれている展覧会情報などについても含めてご紹介します。
この記事の目次
東京都三鷹市にある国立天文台の概要
現在は東京都三鷹市にある国立天文台は、理論と観測の両面で天文学を研究している研究所/大学共同利用機関です。
「大学共同利用機関法人自然科学研究機構」という、非常に長い名前の機関法人を構成している研究所の1つでもあります。
日本各地の観測所、日本国外ではハワイ観測所等の観測所、三鷹キャンパス等での研究活動を総称として「国立天文台」と呼ばれています。
この本部が、東京三鷹の三鷹キャンパス内に存在しています。
国立天文台(NAOJ)の研究活動について
国立天文台の代表的な観測研究施設では、ハワイ島で「すばる望遠鏡」を設置運用している施設です。
その他にも、各観測研究所の観測機器を使った観測研究業務と天体観測機器の開発、観測装置の運用を実施しています。
台内には「社団法人日本天文学会」と「財団法人天文学振興財団」の事務局があります。
国際的に評価されている「理科年表」の編纂を、80年以上に渡って実施しているのも特徴です。
このように国立天文台は、日本天文学の拠点として天文観測機器の利用を軸にして多くの研究活動をしています。
最近では「アルマ望遠鏡」や「すばる望遠鏡」などの大型望遠鏡の共同利用装置を開発・運用・研究を特に推進しています。
「スーパーコンピュータ」の理論天文学も行っていて、観測・理論の両面により天文学の研究を行っているのです。
A〜Cまでの具体的なプロジェクト
ではここで、国立天文台の具体的なプロジェクトをみていきましょう。
国立天文台にはA〜Cまでのプロジェクトがあります。
「Aプロジェクト」とは、未来の萌芽的な研究活動育成を企画された小さなプロジェクトです。
研究者を尊重して、小さい規模でも多くの先進的研究開発環境を整えることが目的で、現在は3つのプロジェクト室があります。そのいずれもが野心的な研究に取り組んでいます。
「Bプロジェクト」は現在建設・運用途上のプロジェクト室で、2室が存在しています。このプロジェクトが国立天文台の明日の観測/研究を担うとされてます。
「Cプロジェクト」は、国立天文台の運用中のプロジェクト室で6つのプロジェクトが属しています。これが、現在の国立天文台のメインプロジェクトとなっています。
・チリ観測所
・ハワイ観測所
・水沢VLBI観測所
・野辺山宇宙電波観測所
・太陽観測科学プロジェクト
・天文シュミレーションプロジェクト
という、6つのプロジェクトがあります。
国立天文台の望遠鏡が利用できる!「定例観望会」
さて、そんな国立天文台の望遠鏡を一般人が利用できる機会があることをご存知でしょうか?
国立天文台には「定例観望会」という会が三鷹キャンパスで毎月2回開催されています!
これは定員・申し込み制で、気になる料金はなんと無料です。
明るい東京三鷹の夜空でも観望しやすい月・惑星・二重星等を中心に、観望天体を設定。
「50センチ公開望遠鏡」で迫力の月の「クレーター」、木星の「縞模様」や「ガリレオ衛星」、土星の「環」などを観測します。
また、星雲・星団などの天体も観望天体になることもあります。
「50センチ公開望遠鏡」は、一般人への公開をその目的の一つにして1994年に建設されました。
そのため、この定例観望会は1996年から開始されているんですね。
それ以来、多くの人に天体観望の楽しさをお届けしてきました。
定例観望会の流れですが、まずは講義室その日の観望天体を簡単に解説。
解説は天文学専門の大学生・大学院生が行います。これも毎回工夫を凝らしています。
その後「50センチ公開望遠鏡」に移動してその観望天体を観察。
待ち時間を利用し、その日の星座・惑星の解説もします。
「50センチ公開望遠鏡」で観望が終了した後は、ドーム周辺に設置された小型の望遠鏡で観望を楽しめます。
観望終了後は自由解散となります。
国立天文台(NAOJ)に家族連れで行くといい感じですね
国立天文台についてでした。
国立天文台の多くのプロジェクトの詳細については、また機会があれば紹介してみましょう。
「定例観望会」というのは親子なんかで行くとワクワクできそうな会ですね!
都市部ではなかなか夜空を観測できませんが、この定例観望会で天文学の面白さと不思議さを体験して、天文学に興味が出てくる人もいるかもしれません。