「初音ミク」というキャラクターは今ではすっかりおなじみですが、最近この初音ミクのディフォルメキャラクター、「はちゅねミク」を宇宙に送り込もうというプロジェクトがあるそうです。一体どんなプロジェクトなんでしょうか?
今いろいろなところで目にする「初音ミク」とは?
「初音(はつね)ミク」とは、クリプトン・フューチャー・メディアという北海道の会社が発売している、音声合成やデスクトップミュージック用ボーカル音源、そのキャラクターです。ネット界隈ではすっかりおなじみのキャラクターですね。
私は最近、新宿の大型ビジョンで見かけました(笑)これはあの「ヤマハ」の音声合成システム「VOCALOID(ボーカロイド)」に対応していて、メロディ・歌詞を入力することで合成音声のボーカルパート・バックコーラスを作ることができます。
息継ぎや強弱といった、非常に細かい設定までつけられます。さらに、声だけでなく身体を作ることでリアリティが出るということで、あの緑のロングヘアーが特徴の女性バーチャルアイドルというキャラクターが誕生しました。
つまり、「初音ミク」というのはあのキャラクターだけでなく、音声合成システムそのもののことでもあるんですね。普通はあのキャラクターのことだけだと思いますよね。この辺はよく知らない人も多いのではないでしょうか。
初音ミクのキャラクターは「未来的アイドル」がコンセプトとなっていて、特徴的な名前は、初めての音という意味の「初音」、未来という意味で「ミク」という由来があります。
クリプトンはこのキャラクター画像を、営利以外の目的ならほとんど自由に利用を認めていて、歌声だけでなくキャラクターをネタにした創作活動も促進する戦略をとっています。初音ミクが歌っている動画・初音ミクが題材の10万曲以上という楽曲・イラスト・CGなど、非常に多彩な作品が発表されていて、「初音ミク」はこのように多くのユーザーのいろいろな創作物から形成され、「消費者生成メディア」 によってできあがる女性アイドルという特徴があります。
また、創作物の中にはのクリプトンの許諾を受けてCD・書籍等で商業展開をしているものもあります。おなじみとなったあのキャラクターの人気によって、ゲームソフト・キャラクターフィギュア・CG映像のライブなどの、企業が企画した商業展開も多くありますが、そららもユーザーの流行を取り入れているものもあり、これはまさにネット時代の新しい形の表現・創作という感じですね。
はちゅねミクが宇宙に!?
この初音ミクのディフォルメキャラクターが「はちゅねミク」です。初音ミクをディフォルメした「はちゅねミク」は、ミニサイズで口をぽかんと開けている、おとぼけキャラのような姿で、ネギを持っているのが特徴です。
このネギも、ユーザーが発祥のアイテムなんだそうです。この「はちゅねミクのネギ振り」など、これまで多くの技術チャレンジが「ニコニコ技術部」で行われています。さらに、現在ではこの「はちゅねミク」を宇宙で動かすというプロジェクトがあるそうです。
「はちゅねミク」が乗る予定のロケットは、以前紹介した宇宙ロケットの開発打ち上げをしている民間企業「インターステラテクノロジズ」の、近日打ち上げする予定の「MOMO 5号機」です。このロケットにはペイロードに、「超電磁P様の電子工作製作物」というものが搭載されます。
ちなみに、MOMO3号機では初音ミクの冬季バージョンという「雪ミク」がコラボレーションという形で応援していたという経緯もあります。「MOMO3号機」は100キロ以上の高度に到達し、4号機は失敗しましたが、5号機で再び宇宙を目指します。MOMO5号機が打ち上げに成功すれば、宇宙空間で「はちゅねミク」にネギを振らせる予定だそうです。いったいどんな意味が?と思うかもしれませんが、これもネタのひとつにはなるかもしれません。
はちゅねミクが宇宙に行くとは!
初音ミクのディフォルメキャラクターである「はちゅねミク」が宇宙でネギを振るプロジェクトについてでした。宇宙でネギを振る「はちゅねミク」、想像してみるとかなりシュールな光景ですね。