木星

木星をテラフォーミングできる?

2018年3月19日

 

「テラフォーミング」というのは、宇宙の他の惑星を人間が住めるように人工的に改造する

ことをいいます。現在は地球環境が深刻な問題となっていて、

その対策のひとつとして人間を他の星に移住させようということなんですが、

もちろん大変な技術が必要となります。

 

テラフォーミングの対象となる惑星は火星などがありますが、

木星はテラフォーミングできるんでしょうか?

 

木星のテラフォーミングはかなり厳しい

 

SFの題材のひとつとしてはおなじみのテラフォーミングですが、

実際にこれを行おうとすればかなり大変な技術が必要です。

ただし、科学者の内では実現不可能なことではないともされています。

 

テラフォーミングをする惑星の候補として火星などがありますが、

大気やその他の問題でこれもかなり難しいとされています。

 

では、木星はどうなのでしょうか?

 

木星は太陽系にある惑星のなかで大きさと質量が最大の惑星です。

古代から観測されて神話や信仰の対象ともなっていた木星はガスを主成分としている惑星ですが、

この木星も、テラフォーミングには適していないとされています。

 

その理由は、上記のようにガス惑星なのでガスの圧力がものすごいため、

テラフォーミングをしようとすればその資材全てが重力・気圧によって破壊されてしまうからです。

 

それなら木星のテラフォーミングではなく、

木星の近くに「恒久型宇宙ステーション」を作ったほうがコストも安いとされています。

 

木星の衛星のテラフォーミングについて

 

しかし、木星の衛星にはいくつかテラフォーミングの候補があります。

その衛星はエウロパとカリストです。

 

エウロパは生物の存在の可能性があるという木星の衛星です。

エウロパや土星の衛星エンケラドス、タイタン等は水の氷で覆われていて、

その下には広大な海があると関係者に信じられています。

 

地球では、液体の水が存在している場所には大抵生命がいます。

すなわちこのような衛星は大量の水があるので、地球外生命体が存在しているかもしれないのです。

 

なかでも特にエウロパは生命に必要な水と、化学物質の完全な組み合わせがあるとされています。

月と同じほどの大きさで、地表の下に深さ約100kmという液体の海があります。

水の量でいえば、地球上の水の合計量の約2倍〜3倍とされています。

 

エウロパは地球外生命を探るふさわしい場所で、

今も生きている生命が存在している可能性もあります。

 

以上の点を踏まえれば、

人間がテラフォーミングして移住するのに適した星ということにもなるでしょう。

 

しかし、問題は木星の「放射線」です。エウロパは木星の放射線を強く受ける位置にあるので、

この点から人類の生存が難しいとされています。

 

カリストは、エウロパに比べればマイナーな土星の衛星でしょう。

しかし、人間が生活するのにはほかの惑星に比べてやや適しているとされています。

大きさは水星ほどで、木星の大型衛星の中では木星から最も離れていて、

このため木星からくる放射線が少ないことがカリストのテラフォーミングにおけるメリットです。

 

岩石にも表面に氷のような明るい斑点が見つかっていて、

内部には50km〜200kmという深さの塩の海もあるのではと考えられています。

 

地質的にも安定していて、前述の氷をロケットの燃料として使えるので、

将来的にはカリストへ人間を送り込むこともできるとされています。

 

しかし、カリストは地球から現在の技術で7年もかけて行くことになります。

また大気も薄いのが問題です。放射線のレベルはエウロパよりも低いものの、

土星の衛星タイタンよりも厳しい選択肢とされています。

 

また、カリストに届く太陽の光は月の量の1/25で、この点も問題です。

 

 

地球と木星の距離も問題ですね

 

木星のテラフォーミングについてでした。

 

本体の木星のテラフォーミングはかなり厳しいものがありますが、

衛星のエウロパやカリストは候補として考えられてはいます。

 

それでもやっぱりさまざなま問題があって難しいんですよねえ。

そもそも、土星やその衛星は地球からかなりの距離があるというのが大きな問題ではないでしょうか。

 

テラフォーミングという発想自体、

かなり大変な技術が前提となっているのでしょうがないかもしれません。

というわけで、今後の技術の発展が鍵になっていくでしょう。

(画:木星 wikipedia)

 

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