いつもと違う太陽の表面状態が2016年に観測されました。私たちが普通思い浮かべる宇宙の太陽のイメージと言えば、オレンジ色のゴウゴウと燃え盛っている球体という感じですよね。ところが、太陽の表面の模様がなくなる現象というのがあり、これを「ブランク」と呼びます。太陽の表面にできる黒点とか、それらの模様というのは太陽自身の活動状態を表しているとされていて、現在まで観測が続けられています。しかし、この太陽の表面の模様がまったくなくなる現象「ブランク」が、去年2016年6月に観測されました。このことから、地球が「ミニ氷河期」に入るかもしれないとしている専門家もいます。
太陽と言えば、全体が高温のガスで構成されている巨大な球体で、中心部では核融合が起こって莫大なエネルギーが作られています。太陽は私たち人類が住んでいる地球を含めた太陽系の中心的な星であり、当然ながら地球に住むあらゆる生物がエネルギーをもらっています。そのため、人類は太古から太陽を「太陽神」として人格として捉えてきて、世界中の神話や伝承に描かれて太陽崇拝がなされてきました。この太陽の活動が停止してしまえば、当然人間を含めた生物は生存ができなくなってしまいます。
テンションが低い!?「ブランク状態」の太陽
実際に「ブランク」の画像を見てみると、かなり驚きますよね!まるで加工写真のような感じです。我々が親しんでいる太陽の画像と比べると、どう見ても太陽という感じがしないですよね。ところが、これがブランク状態の太陽で、2011年に発見されたときから5年ぶりなんだそうです。
普通の太陽の表面はよく知られているように、表面から「フレア」という火柱が飛び跳ねており、オレンジ色の表面にはところどころ暗い部分の「黒点」などもあります。まさに「燃え盛っている」という表現がぴったり当てはまる画像ですよね。これは、アメリカの政府にデータを提供しているVencoreという民間企業の関連企業の「Vencore Weather」の気象のデータを観測しているポール・ドリアンさんがブログにおいて公表しました。同氏によれば、ブランク状態の太陽は2016年の6月4日に発見されて、その後4日にわたって続いたのだそうです。その後はというと、黒点がちらほらある状態が数週間
続き、6月23日にまたもやブランク状態になったそうです。これは太陽の活動が低くなることと想定されていて、ブランクの期間は、数週間〜数ヶ月という感じで今後は間隔が長くなると言われています。ちなみに、太陽の黒点とは周囲の約6,000°Cよりも温度が低い約4,000°Cの、太陽の磁場によって発生する部分のことですが、これも周期的に増減を繰り返しており、サイクルは約9.5年〜12年間隔です。
気になる地球への影響は!?
もっとも、太陽の活動が地球の気候変動に与える影響はまだ完全に解明されていないので、この兆候をすぐにミニ氷河期になるというのは早すぎかもしれません。また、太陽の活動からできる「太陽風」「磁場」というものには、地球に降る宇宙線を低減する役割をもっていますが、「ブランク状態」によって太陽の活動が低下するとこの働きも低下することになって、宇宙線が多く地球に降り注ぐことにつながります。この宇宙線が、人体のDNAを分断するとも言われています。また、宇宙で活動している人工衛星も影響を受けたり、地球においても電子機器などに影響を与えたりします。
やはり太陽の状態は気になりますよね
太陽の活動が低下するというブランク。ミニ氷河期になるというのは大げさかもしれませんが、太陽の活動が低下することは本当なのですから、毎日太陽からエネルギーをもらっている人間を含めた生物にとっては気になる話しですよね。見た目も変わっている現象である太陽の「ブランク」状態。今後も引き続き太陽の観測をしていってもらいたいですね。
写真元:Vencore ,wikipedia