広大な宇宙には、「銀河」という天体があります。銀河というのは、恒星・コンパクト星(星白色矮星や中性子星の、恒星の最終地点)・星間物質・宇宙塵・正体が不明な物質であるダークマター(暗黒物質)等が、重力により拘束されている巨大な天体です。ちなみに「銀河系」とは、銀河の中で人類が住んでいる地球・太陽系を含んだ銀河の名称です。もちろん、銀河のスケールは途方も無く巨大です。これらの星は恒星系や星団等を作って、その間に星間物質・宇宙塵でできている星間雲、宇宙線があります。銀河の質量は、その約90%がダークマターとなっています。観測では、ほぼすべての銀河には超巨大なブラックホールが中心に存在しているとされています。「活動銀河」とは、星・星間塵・星間ガスなどの、銀河の構成要素とは違う別の場所からエネルギーのほとんどが放出されている、特殊な銀河のことですが、超巨大なブラックホールがこの活動銀河の動力とされていて、われわれの住んでいる銀河系もそのなかのひとつとされています。観測できる宇宙の範囲だけでも1700億個の銀河があるとされています。この内の大部分の直径は、1,000〜100,000パーセクで、数百万パーセクもの巨大な銀河もあります。銀河間空間は、1立方メートル平均1個未満の原子があるに過ぎないとても希薄なガスの領域です。多くの銀河では階層的な集団をつくり、これらが「銀河団」、それが多くが集まった「超銀河団」となっています。これよりもさらに大規模なものでは、「大クエーサー群」と並んで宇宙において最大の構造のひとつである「銀河フィラメント」があります。
(写真:M82は典型的なスターバースト銀河 wikipedia)
この記事の目次
銀河の種類について
ここで、銀河の種類についてご紹介してみましょう。
「楕円銀河」
は、比較的に小さな星間物質で構成されており、恒星が互いに近い位置にある集団の天体である「散開星団」の下限にあります。古くて寿命を経た星が、任意の方角の重心を回っている状態です。
「渦巻銀河」
というのは円盤状の回転している星や星間物質からできており、中心に近いほど古い星が多く、中央にある「銀河バルジ(渦巻銀河/棒渦巻銀河の中心にあるふくらみ)」から渦巻き腕状の構造が伸びています。
「矮小銀河」
銀河といえばほとんどこの銀河のことで、規模が小さく、数10億個の星を持つ銀河です。
この矮小銀河はほとんどがより大きな銀河を回っているとされていて、天の川銀河は最低でも12個ほどの矮小銀河があり、さらに300〜500の未発見の銀河があるとされています。
「リング銀河」
は、別名「車輪銀河」ともいわれていて、環状になっている星が露出している中心部を取り巻く構造を持っています。比較的に小さな銀河が、渦巻銀河の中心を通ることで生じることでできるとされています。このような衝突が、赤外線分析の結果多重環構造が発見されたアンドロメダ銀河でも起こったとされています。
「レンズ状銀河」
は、「楕円銀河」と「渦巻銀河」のふたつの特徴を持ち、その中間型に位置する銀河です。
ガスの量が乏しくて、星形成は盛んではないようです。
これ以外にも、形態論上で分類できない銀河もあり、それらは「不規則銀河」と呼ばれいます。
銀河にもやはり寿命があるようです
このような銀河の未来は、やがて輝きを失って最終的には超大質量のブラックホールに飲み込まれる、銀河間空間に放り出されるかといったいずれかの結果となります。なお、将来ダークエネルギーが増加した場合、銀河は膨張して膨れ、引き裂かれるといったシナリオもあり。これは「ビッグリップ」という、宇宙の最後の一現象とも言われています。我々が住んでいる地球よりもはるかに遠くて巨大な銀河のお話しでした。途方も無くスケールがある話で、こういったことを知るのも面白いですよね。
(ヨーロッパ南天天文台のL. Calçadaによる、若い銀河の想像図 wikipedia)