銀河

モンスター銀河とは?モンスター銀河の王「オロチ」がすごすぎる件

2018年10月2日

モンスター銀河

 

みなさんは「モンスター銀河」って聞いたことありますか?

たぶん、一般的に言ってあまり知られていないかと思います。

「モンスター」というくらいだから、名前からしてかなりすごそうな銀河なんだろうとは思いますよね?

どんな銀河なんでしょうか。

そこでここでは、この聞きなれない「モンスター銀河」について説明してみましょう。

(画像引用元:モンスター銀河の1つ「EQ J100054+023435」wikipedia)

 

モンスター銀河とは?

 

銀河とはスターバースト銀河のひとつで 、その中でも特に今から96億年以前という

初期宇宙のスターバーストが激しい銀河のことを言います。

 

「スターバースト」というのは、

銀河の衝突等によって星のもとになる星間ガスが短い間に大量にできるため、

大量の星が一度に形成するという現象です。

 

銀河の中心にある巨大なブラックホールも、

このスターバーストによってできたのかもしれないという説があるため、

この現象の研究が銀河を知る手がかりになるとされています。

 

スターバースト銀河というのは、なんと太陽の10倍以上という質量を持った恒星を、

約1000万年程度という、宇宙の時間においては短期間で作っているという

銀河のことをいいます。

 

ここから、「爆発的星生成銀河」という呼び名もあります。

 

銀河同士が衝突したり、近くに遭遇した場合、爆発的星形成・スターバーストが起こることが多く、

普通の銀河においても星の形成はありますが、

その星形成率は単位時間当たりでスターバースト銀河と比べればかなり少ないのです。

 

スターバースト銀河の星形成というのは、この星形成が続くと恒星が作れる材料の星間ガスを、

銀河の年齢より短時間で使いきってしまうほどの早さです。

 

有名なスターバースト銀河としては、

「M82銀河」や「IC10銀河」などがあります。

 

スターバースト銀河のひとつに「ウォルフ・ライエ銀河」というものがあります。

これは、スターバーストによってできた多くの恒星が、

「ウォルフ・ライエ星」として存在している銀河です。

 

すごいスピードで星を形成しています

 

では、いよいよモンスター銀河について詳しくみていきましょう。

 

銀河系等の成熟した銀河は、1年で10個ほどの星形成があります。

モンスター銀河はその数百倍〜1000倍という星形成があるのです!

 

しかも大質量な星が多く、非常に明るくて、

これが将来に巨大な「楕円銀河」に進化するとされています。

 

モンスター銀河で特徴的なことは存在する時代がとても若いことです。

 

そのため、モンスター銀河が初期宇宙において銀河の進化が

どうやって行われていたかを考える上で重要になります。

 

普通のスターバースト銀河では銀河同士による相互作用がスターバーストを起こす場合が多いのですが、

モンスター銀河の場合は単独であることが多く、

それは星の材料となるものが初期宇宙に多いからという単純な理由です。

 

それより後にできたスターバースト銀河では、

銀河同士のぶつかり合いによってできたスターバーストが少数派なことを示しています。

 

モンスター銀河は空間が小さな初期宇宙において大量の銀河と

ガスがぶつかり合って生成されたとも考えられています。

 

モンスター銀河は現在のところ1000個ほど見つかっています。

 

ライマンアルファ線(水素原子のスペクトル)を放出している若い銀河の分布と同じことが判明しました。

地球から96億光年以上遠くにあり。

宇宙の誕生から40年億以前になります。

 

その中で一番古いモンスター銀河は、

宇宙の誕生から14億年後にできたもので、地球からは123億光年先にあります。

 

日本の研究チームが発見したモンスター銀河

 

国立天文台の但木謙一氏と伊王野大介准教授が中心の国際研究チームが、

このほど、地球から124億光年の彼方で驚異的な早さで星を形成している

モンスター銀河 「COSMOS-AzTEC-1」をアルマ望遠鏡によって観測することで、

 

初期銀河ではかつてないほどの高い解像度によって、

分子ガスのマップを作ることを成功させました。

 

このマップを調べた結果、この銀河は銀河全体で分子ガス雲がつぶれやすいので、

大くの星たちがものすごいスピードで生まれていることが観測されました。

 

モンスター銀河は宇宙に存在している「巨大楕円銀河」の先祖のような銀河とされているので、

今回の成果はこの巨大楕円銀河誕生についての秘密のヒントにつながるでしょう。

 

研究チームはモンスター銀河の猛スピードで行われている星形成の謎に挑むために、

 

「COSMOS-AzTEC-1」のガスが出す電波(星の材料)をアルマ望遠鏡により念入りに調べました。

 

高性能なアルマ望遠鏡により、高解像度での分子ガスマップ作成が成功し、

「ガス雲がつぶれる重力」と「ガス雲を内部で支えている圧力」を比べて、

重力のほうが非常に大きいことがわかりました。

つまり、大くのガスが一度につぶれることで大くの星が生み出されている、

暴走的な星形成を示しています。

 

このような性質が判明したのは、今回で初めてです。

 

COSMOS-AzTEC-1の星形成の暴走については、

この銀河はそれほど古くない過去に、銀河衝突をしていたということが原因かもしれません。

 

銀河同士がぶつかることで狭い範囲でガスが集まり、

これが暴走的な星形成の原因となるのかもしれません。

 

「COSMOS-AzTEC-1では現在のところ、銀河同士の衝突の証拠はありません。

しかし今後は、アルマ望遠鏡でたくさんのモンスター銀河を観測して、

銀河同士の衝突とモンスター銀河についての関係を明らかにしたいと思います」

と但木氏は語っています。

 

あの日本神話からつけられた「オロチ」

 

モンスター銀河は多くありますが、

そのなかでも現在最も明るいモンスター銀河が「オロチ」です。

 

これは英語でも「Orochi」ですが、日本人なら聞いたことがある名前ですよね。

 

そうです。これはあの「ヤマタノオロチ」からつけられている名前なのです。

 

このモンスター銀河の明るさで、「モンスター銀河のトップに君臨する、

モンスター銀河の王としてふさわしいもの」ということから命名されたそうです。

 

「オロチ」は地球からくじら座方向に向かって

約120億光年という地点にあるモンスター銀河です。

 

直径・11,000光年、質量・9270億太陽質量というとんでもない大きさで、

明るさはなんと!太陽の5兆1000億倍といわれているからおどろきですね。

 

モンスター銀河の王「オロチ」がすごすぎ

 

暴走的に星を作り出しているというモンスター銀河についてでした。

私たちの知らないところで、こんなすごい銀河が存在しているんですね。

 

「オロチ」の大きさからもわかるように、やはり銀河っていうのはとんでもない大きさですね!

しかも太陽より5兆倍も明るいなんて、想像もできない感じです。

 

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