私たちが住んでいるのが地球ですが、あらゆるものに始まりと終わりがあるように地球にも終わりがいつかかならずやってきます。研究者達も、地球の最期を予測しています。その研究で最も大きなものとなっている説は、宇宙の他の外的要因で消滅するという、「太陽の膨張」「銀河の衝突」のふたつです。今回はこのふたつについてみていきましょう。
太陽が膨張して地球が飲み込まれる
地球の最期について、まず最初の説は「太陽の膨張」です。太陽が放出するエネルギーは、その中心部で常に発生しているという「核融合」からできています。そのとき、水素がヘリウムに変化して核融合が起きますが、この原料である水素というのは無限でないので、いずれは無くなることになります。水素が無いとヘリウムのみの核融合が起こることで、太陽が膨張していくという説があります。太陽が膨張することで地球の公転軌道が広がって、太陽に地球が飲み込まれるか、あるいは太陽の熱で蒸発してしまうというシナリオが地球の最期についての大きな説です。現在の太陽は、安定して光・熱を出している「主系列星」状態であり、太陽は100億年この期間が続くとされており、現在はそこから50億年経っているとされています。つまりは、太陽が主系列星でいるのは残り約50億年ということになります。
今から約50億年後、太陽の主系列星の状態が終りに近き、外側が膨張して巨大化、赤くなって「赤色巨星」となります。赤色巨星になって太陽が膨張していくことで、太陽系の惑星の内のいくつかが飲み込まれ消滅します。赤色巨星状態の終りになると、太陽は熱パルスを起こして「白色矮星」になり、太陽に光りがなくなります。その後の太陽は、何十億年もかけてゆっくり冷えていって、123億年後に収縮が止まります。これは質量が小さい恒星の典型的な過程で、太陽は恒星としてとてもありふれた星ということになります。太陽が膨張することでの地球への影響は、今から5億年から10億年後とされています。
このような説は、今から50億年の間太陽系が同じ様態でいることが前提になっていますが、それよりも早く銀河の衝突が起こることで地球に最後が訪れるという説もあります。
銀河系とアンドロメダ銀河の衝突は決定的とか
画像引用元:wikipedia アンドロメダ銀河
我々の地球が存在しているのが銀河系ですが、この銀河系と、同じ局部銀河群のひとつである「アンドロメダ銀河」が衝突して地球が最期を迎えるという説があります。2002年〜2010年までハッブル宇宙望遠鏡によってアンドロメダ銀河の動きを調べた研究者達は、このふたつの衝突が決定的であるという結論に達しています。このような銀河の衝突というのは普通に起こっていることで、アンドロメダ銀河も過去において少なくても1度は他の銀河と衝突したとされていて、いくつかの矮小銀河も、現在銀河系に衝突して飲み込まれつつあるといわれています。銀河系とアンドロメダ銀河がいつ衝突するかについては、アンドロメダ銀河の横軸の速度に依存しているとされています。現在の計算によると、50%の確率で太陽系は今の位置より銀河核からの距離が3倍くらいの位置に移動して、12%の確率で太陽系がいずれかの衝突で新しい銀河によって弾き出されるというデータがあります。太陽の光が強くなっていることで、これらの銀河同士の衝突が起こるときは、地球の表面が液体の水も存在できないくらいに温度が高くなっていて、すべての生命は死に絶えているとされており、約14億年後にはこのような状況になっていると推定されています。
地球が最期を迎えるとき、人間はどうしているのか!?
今回は地球の最期についての大きな説をふたつ紹介してみました。これらの説はまだ理論上のことなので、現在の人間にとっては無縁の出来事という感じもするかもしれません。毎日の忙しい日常の中にいることで、地球にもいつか終焉が来るということを忘れがちになってしまうのが人間なのでしょう。当然何億年という時間は人間にとっては考えにくい期間だからということもあります。すべての生物が地球から死に絶えるとき、人間もそのなかに入っているのか、それともそれ以前に滅んでいるか、地球から飛び出しているのか…。たまにはこんなことを考えて、遠い将来を想像してみるのもよいのではないでしょうか。