宇宙雑学

地球を含めた「惑星」について詳しく知っていましたか?

2017年10月30日

 

私たちが住んでいる「地球」は、

宇宙のカテゴリーのなかで惑星に分類されます。

普段何気なく使っている「惑星」という存在について、その定義などについては実は

よく知らないという人もいるかもしれないので、ここで惑星について詳しく説明してみましょう。

 

そもそも惑星とは?

 

惑星とは、太陽のような「恒星」を周回している天体のなかで、質量が比較的に

低いものをいいます。

 

惑星が宇宙に与える影響はあまりないのですが、非常に多様な種類があるので、

天文学や生物学、地質学などの研究対象となっています。

 

ところで、みなさんは「惑星」という文字の由来について、

不思議に思ったことはないでしょうか?なぜ、「惑」の星なんでしょうか。

これは、この星が天球上に留まらず、

位置を変えている様子からつけられています。つまり「惑う星」ということなんですね。

 

まだ天動説が信じられていたころ、夜空の星が規則的な位置関係で周回していたなかで

これらの星たちだけが不規則な動きををしていることから「惑っている」ように見えたのです。

ちなみに、江戸時代には「遊星」と呼ばれることもありました。

 

「遊星からの物体X」は、このなごりですね。

 

ここで、惑星の定義についてみていきましょう。

 

惑星は昔から曖昧な定義がありました。

宇宙への理解が深まった現在でも、明確な定義は定まっていないのです。

1992年以降、海王星の軌道の外部に多くの天体が発見され、

これらのなかには恒星のようなサイズから月のようなサイズまであり、

惑星の定義が再び問題となりました。

 

さらに2005年、

当時で最も小さい惑星の冥王星よりも大きい太陽系外縁天体の「エリス」が発見されたことで、

この問題はさらに大きくなります。

 

2006年に国際天文学連合がこの問題についての回答を公表しています。

 

惑星という、太陽系のみに適用されるこの定義は、

「惑星は太陽の周りを公転して、自らの重力により球形が維持できるくらい大きく、

軌道から他の天体を排除していること」としています。

 

この新定義では、冥王星は他の太陽系外縁天体と同じく

惑星としての基準を満たさないことになります。

この定義を多くの科学者は受け入れています。

 

渦巻く塵からできた初期の惑星として、天体が物質の獲得により成長して、

重力によって軌道から他の天体を排除するに至ります。

木星の大きい重力により掻き乱された小惑星帯や、物質が広がりすぎた

「エッジワース・カイパーベルト」は惑星になれなかったものとされています。

 

十分な物質が獲得できた天体と、そうでなかった天体の数値を比べると、

その対比がとくに際立ちます。

 

惑星は軌道領域を占有するという定義を受け入れれば、占有率が最小の火星でも、

軌道領域の全物質合計の5100倍もの重さがあります。

最大の小惑星ケレスは軌道領域質量の3分の1、

冥王星に至ってはわずか約7%という値となります。

 

この定義の肯定派の天文学者は、軌道領域の質量の割合の大差は、

どの天体が惑星に属しているか属していないかの、絶対的な基準になるとしています。

 

惑星の定義は未だに論争があります

 

このような定義が国際天文学連合から発表されたものの、

この定義に反対している人たちも多くいます。

たとえば、NASAのアラン・スターン氏のように、冥王星が惑星であるとしている人たちです。

この定義にはまだ論争があり、なお定義自体の曖昧さもいくつかあります。

 

たとえば、「周囲の天体の排除」という点です。

この点について先述のアラン・スターン氏は

地球や火星などは軌道領域から塵を一掃していないということから、

この定義では惑星に分類される星はひとつもないと語っています。

 

ただし、少なくても太陽系では惑星と準惑星の差は明確であり、

周囲の天体を一掃していない火星でも質量の合計はわずかなものに対し、

準惑星では周囲の塵は質量の何倍にもなるというデータがあります。

 

 

惑星はどのようにしてできた?

 

地球のような惑星がどのようにしてできたというのは、

人間の故郷になるわけですから、やはり気になりますよね。

 

惑星形成には2つのシナリオがあります。

そのひとつは「原始惑星系円盤内」で塵が集まってできたというものです。

超新星の爆発から元素が散らばり恒星が形成されるとき、

星間ガスが濃くない場合、あまった物質が円盤状になることがあり、

この円盤内で塵が衝突を繰り返して大きくなっていき、原始惑星となるのです。

 

もうひとつは、惑星系円盤内の重力が不安定となり、

巨大なガス惑星が形成されるという説ですが、重力が不安定になる要因についてが議論されていて、

多くの支持がある理論は先に上げた塵やガスの集まりというものです。

 

太陽系では、これらの惑星が形成されるのは恒星が核融合を開始してから200万年後という、

とてつもなく長大な時間がかかっているとされています。

 

太陽系の惑星を元にして考えられた惑星形成のモデルは、

宇宙で普遍的なものと考えられてきました。

しかし、発見された太陽系外の惑星は、水星より近い軌道を周回していたり、

極端な楕円軌道を持った巨大なガス惑星等だったので、

天文学者は当惑し、惑星形成のモデルに対しての疑いが起こるようになります。

 

しかし、惑星の軌道については、誕生後に変化しているという可能性が見つかりました。

コンピュータシミュレーションでは、太陽系にある惑星の配置では長い期間安定しているものの、

質量と比べて距離が近い巨大なガス惑星が3つ以上存在している場合、

各惑星軌道が不安定となり、互いに反発して飛び散らせることがわかりました。

さらに、巨大なガス惑星が形成されてから惑星系円盤にガスが多く残っている場合、

惑星が中心方向に移動するというメカニズムもあるとされます。

 

このような過程をから、特異な太陽系外惑星は形成される段階の惑星系円盤に、

太陽系より多くのガスがあった可能性があるため、

太陽系の惑星形成が特殊といった考えは見直されるようになりました。

 

 

惑星の分類の仕方

 

太陽系には、太陽から近い順に水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星

の8個の惑星があります。冥王星は長らく惑星とされてきましたが、

上記の定義によると冥王星は惑星に当てはまらないということになります。

 

惑星には、太陽の周囲を公転し、自らの重力で球状となり、

自分の軌道から周りの天体を追い出していない「準惑星」という分類があります。

準惑星に分類されているのは冥王星・ケレス・エリス・マケマケなどです。

 

惑星・準惑星以外で、太陽の周りを公転しているものは「太陽系小天体」と言います。

「太陽系小天体」には、彗星や主に火星・木星の間にある小惑星、

冥王星のような「太陽系外縁天体」等が含まれます。

 

惑星には、2つの分類の仕方があります。

そのひとつは、「地球型惑星」「木星型惑星」というように、大きさ・性質で分けるものです。

 

地球型惑星というのはサイズは大きくないものの大地を持っている惑星のことで、

水星や火星、金星があてはまります。

 

木星型惑星というものは、大きさがあり、

ガス体でできている惑星で、土星や天王星、海王星があてはまります。

 

もうひとつの分類の仕方は、内惑星・外惑星という分類方法です。

 

地球を基準にして内側付近の軌道を周回している水星と金星が内惑星にあてはまります。

外惑星はもちろん地球から外側の軌道を周回する土星・木星・火星・天王星・海王星があてはまります。

 

 

好奇心が湧く太陽系外惑星について

 

では、太陽系の外にある惑星はあるのでしょうか。

 

現在は宇宙を観測する技術も進歩しており、

太陽系外の恒星も惑星を持っているものが発見されていて、

これを太陽系外惑星と呼びます。

2008年からは、「フォーマルハウトb」や「がか座β星b」等を筆頭に、

太陽系外惑星の姿を直接確認できるようになっています。

 

太陽系外惑星のなかには、木星以上の重さを持つものや地球に似た7つの惑星なども発見されています。

 

 

惑星の定義は意外と難しい!

 

このように、惑星と一口にいってもなかなか定義分けが難しいのですね。

太陽系惑星も観測技術の進歩で次々に発見されているようなので、どんなものがあるか

ワクワクしてきますね。地球に似ている惑星も確認されたようです。

これらについては、また次の機会にじっくりと紹介してみたいと思います!

 

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