宇宙雑学

イギリスの宇宙専門機関「イギリス宇宙庁」とはどんな宇宙開発機関?

2019年5月7日

NASA wikipedia

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アメリカにはおなじみの「NASA」が、日本には「JAXA」という宇宙についての機関がありますが、イギリスにはこのような機関があるのでしょうか?ヨーロッパ全体では欧州宇宙機関「ESA」という機関がありますが、イギリスには「イギリス宇宙庁」という独自の宇宙開発機関があります。

 

イギリスの「イギリス宇宙庁」

イギリス宇宙局 wikipedia

イギリス宇宙局 wikipedia

 

イギリスにも、アメリカのNASAと同じような宇宙の専門機関があります。それが「イギリス宇宙庁」です。イギリス宇宙庁は英語で「United Kingdom Space Agency」といい、「UKSA」という略称になります。イギリスはこれまで、1962年にAriel-1をNASAと打ち上げ、アメリカとソ連に次いで3番目の衛星保有国でした。

 

ブラック・アロー / wikipedia

ブラック・アロー / wikipedia

 

1971年にはイギリス産「ブラックアロー・ロケット」で人工衛星を打ち上げ、人工衛星の打ち上げに自力で成功した6番目の国になりました。このような実績がある「イギリス国立宇宙センター(BNSC)」の仕事を引き継ぐかたちで、イギリス宇宙庁が2010年4月1日に誕生しました。

 

イギリス宇宙庁は、自然環境研究会議や英科学技術政策会議などがこれまで担当していた、ESAへの拠出金、宇宙分野のイギリス政府の予算、ヨーロッパの全球的な環境安全保障監視、「ガリレオ」という航行測位衛星システム等を引き継いで担当しています。

 

イギリスでは、宇宙科学・地球観測・人工衛星通信・衛星測位システム(例えばGPSやガリレオ)などの宇宙開発をこれまでしてきました。2000年代以降の政策では、今後の宇宙産業におけるイギリスの地位向上を目的にしていて、地球観測科学・宇宙データ処理技術、開発に比重が置かれ、宇宙関連のデータが大量にイギリス内で扱われています。

 

 

イギリスの宇宙開発の特徴

国旗(イギリス) f

 

イギリスの宇宙開発の特徴は、人工衛星の設計・製造分野を得意にしているという点です。ヨーロッパ最大の宇宙企業で多国籍企業の「EADSアストリウム社」は、イギリス支社のアストリウム・リミテッド社に多くのスタッフがいて、イギリスの宇宙開発をリードしています。

 

ロケット・探査機の開発は、欧州宇宙機関に技術参加をする形で関わっています。これまでに参加したESAのプロジェクトは、太陽風観測の「クラスター2」、彗星探査機「ロゼッタ」、遠赤外線宇宙望遠鏡「FIRST」などです。イギリスの有人宇宙飛行のニュースは、あまり聞いたことがないですよね。

 

実はイギリスは有人宇宙飛行計画をしたことがなく、欧州宇宙機関ESAの有人宇宙飛行計画にも資金を出したことがありません。このため、イギリス国籍を持った宇宙飛行士の多くがロシア・アメリカのロケットで宇宙飛行をしています。

 

イギリス初の宇宙飛行士はヘレン・シャーマンという女性で、1991年にロシアのソユーズ宇宙船に乗って、ミール宇宙ステーションに滞在しました。ちなみに、この飛行の費用は当時のソビエトとイギリス市民の基金だったそうです。

 

また、ESA・日本の共同プロジェクトである水星探査計画の「ベピ・コロンボ」では、ESA・日本が1機ずつの探査機を受け持ちましたが、ESAの探査機はその多くがイギリスで開発されています。イギリス企業は宇宙についてのビジネスに乗り気で、衛星の打ち上げ・宇宙旅行といった新しい市場の新設計の宇宙機計画があります。

 

たとえばあの破天荒社長リチャード・ブランソンのヴァージン・グループの支社「ヴァージン・ギャラクティック」は、民間宇宙飛行計画があり、民間企業

の有人宇宙飛行を世界で初めて成功させたスペースシップワンの後継機がこれに使われる予定です。

 

 

知られざる「イギリス宇宙庁」の話でした

 

イギリスの宇宙開発機関「イギリス宇宙庁」についてでした。イギリスは宇宙開発でこれまでのところあまり目立ったことはしていない感じですが、今後は宇宙開発にも力を入れていくということでしょうか。

 

日本ではなじみのうすい機関ですが、イギリスにも宇宙専門の機関があるということがわかりましたね。

 

 

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