宇宙雑学

地球外生命体の可能性は? 地球外生命体を探すセチ計画も解説

2018年9月4日

地球外生命体の可能性

 

宇宙といえば、「地球外生命体」についての存在が今も昔も世界中で議論されています。

はたして宇宙には、人間あるいは微生物のような生命体が存在しているのでしょうか?

今回は満を持してという感じで、地球外生命体の可能性について考えてみましょう。

 

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地球外生命体とは?

 

地球外生命体とは 、文字通り地球以外に住んでいる生命のことです。

この言葉は、人間のように知性を持っているのか、持っていないのかに関係なく使われます。

当然ですが、人間が地球の外に出た場合はこの言葉に含まれません。

 

宇宙に地球外生命体がいるかというのは昔からある議論です。

 

1787年にイタリアの博物学者ラザロ・スパランツァーニが、

地球の生命は宇宙から来たという説を既に唱えていました。

 

これは現在で言うところの「ペンパルミア説」ですね。

 

このような生命の起源に対する仮説はDNAのらせん構造を見つけた

イギリスの科学者フランシス・クリックも唱えていました。

 

SFの小説などでは火星に住んでいるタコのような生命が、

多く見られるようになりましたが、このタコ星人は

1898年にH・G・ウェルズが発表した「宇宙戦争」が起源だとされています。

 

1959年、科学雑誌「ネイチャー」の論文で地球外生命体について初めて言及があり、

仮に地球外に文明があるとすれば。

電波による通信によって私たちはその文明と通信する能力を既に持っているとしました。

 

この論文は関係者に衝撃を与え、

そこから普通の人達も次第に地球外生命体の可能性についてを熱心に語り出すようになりました。

 

1970年代からは電波望遠鏡を使って宇宙の知的生命を探していますが、

現在でも確認はされていません。

 

太陽系の惑星に生命が存在!?

 

太陽系の他の惑星に生命がいるのではないかと考えられていた時期がありました。

 

温度や大気成分、引力などを計算にして、

最も生命体がいる可能性が考えられたのが地球の「お隣さん」の惑星である火星です。

 

そのため、火星の知的生命体が地球にやってくるという

SF作品が数多く書かれました。

 

また、地球には摂氏400度以上の場所や太陽光もない環境でも

生命が存在しているという事実があります。

 

そのため、エウロパのような宇宙の星にも、

微生物のような地球外生命体がいるのではないかと語る研究者もいます。

 

火星では、知的な生命体はともかくとして、

原始的な生命は発生していた可能性があると考えられています。

 

1970年代の火星探査機バイキング1号・2号では、

火星表面のサンプルを調べて生命の痕跡を探す試験をしましたが、見つかりませんでした。

 

1996年に、火星からきた隕石に化石の構造が確認され、

これが火星の生命の痕跡とされました。

しかしこれははっきりとしした証明はなく論争になっています。

 

火星以外の太陽系惑星では、

木星の衛星エウロパ・土星の衛星のタイタン・エンケラドスなどが生命が

存在する候補地として考えられています。

 

これらは氷や岩石からできている天体で。

その地下に液体の水があるのではないかとされているからです。

 

その水には、バクテリアが存在しているかもしれません。

 

土星の衛星タイタンは大気圏が厚く、

表面には液体炭化水素があることなどで、これも生命がいる天体の候補地になっています。

 

 

太陽系外の惑星でも探索がされています

 

太陽系外の生命体については、太陽系内で知的生命の存在が見つからないために、

こちらの探索についても行われています。

 

たとえば「ケプラー442b」は「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」に惑星がある可能性があり、

そこに生命が存在していることが考えられている太陽系外惑星です。

 

 

NASA研究者の驚くべき発言とは?

 

NASAでは、「地球外生命体がいるかどうかの探査」というものが行われています。

あのNASAが本気で地球外生命体を探査しているというから、

非科学的なことが嫌いな人にとっても、これは興味深いのではないでしょうか。

 

さらにすごいのは、このNASAの研究者が、

地球外生命体についての大胆な発言をしたということです。

 

それは、

 

「今後10年以内に太陽系内で地球外生命体を発見できるかもしれない」

 

と言う発言です。あのNASAの研究者が本気でこのような発言をしたということは、

信憑性が高いということになるかもしれません。

2015年11月にこの発言をしたのはNASAの研究者ジェームズ・グリーン氏です。

 

彼が何故この発言をしたをしたのかと言うと、

地球外生命探査ミッションに本腰を入れて取り組んでいて、

最近になってこのミッションに成果が見られるようになり、

太陽系の中には、生命が生まれるために必要な3つの

 

・液体の水

・熱エネルギー

・有機物

 

という要素を持っている天体があることを発見して、

その天体の探査をしていくということが計画されているからです。

 

その惑星というのは、上記にもある土星の衛星エンケラドスではないかとされています。

エンケラドスの間欠泉を調査すれば、

生命の痕跡が見つかるのではないかと期待しているのかもしれません。

 

大真面目なプロジェクト「 SETI(セチ/セティ)」

 

地球外生命体を探す大真面目なプロジェクトの名前はその名の通り

「地球外知的生命体探査」で、英語の頭文字をとって「 SETI(セチ/セティ)」と呼ばれています。

 

現在では、世界の多くでこの SETIプロジェクトが行われているそうです。

 

これは地球外文明を地上から探そうという大規模なプロジェクトで、

SFと自然科学の接点とも言われています。

 

このプロジェクトの中で最も大々的に行われているのは、

電波望遠鏡によって宇宙から受信した電波を調べて、

それに地球外知的生命から送られてきたものがないかどうかを探すというものです。

 

1970年代には電波以外にも、

光学望遠鏡を使用して地球人と同じがそれ以上のテクノロジーを持った知的生命体が発する可能性がある

大規模なレーザー光調べる試みも行われていて、

これを光学的地球外知的生命探査と呼びます。

 

生命が存在する可能性がありそうな地球に近い恒星の中の惑星にこちらから電波を発し、

その反応を調べるという方法もあります。

 

地球から地球外の文明に電磁波あるいはものでメッセージを送るという方法では、

1983年のスタンフォード大学のアンテナからアルタイルという

わし座α星にメッセージが送信されましたが、これには日本人が関わっていました。

 

また、物として送るということで有名なのは。

ボイジャーのゴールデンレコード、パイオニア探査機の金属板などがあります。

 

変わっているところでは、地球外文明が核廃棄物を廃棄しているということを仮定し、

それを分光学的に調べるという観測、

地球外知的生命体が地球近くに探査機を送っていると想定し、

可能性がある場所を撮影して調べると言う探し方などがあります。

 

このプロジェクトの中にはSETI@home(セティ・アット・ホーム)というものもあります。

これは、プエルトリコのアレシボ天文台から集められた宇宙から受信した電波を解析して、

意味のある信号を検出すると言うプロジェクトです。

 

この処理には桁違いの計算量が必要となるため、

このプロジェクトと同じ名前の無償解析クライアントソフトウェアを配布して

「分散コンピューティング」で計算をしています。

 

1999年の5月から行われているこの試みは、

ボランティアの分散コンピューティングという試みでは先駆的事例となりました。

 

2009年6月で約600TFLOPSという、非常に高い計算能力を誇っています。

 

 

こういった大規模な調査の動機は何なのでしょうか。

 

これまでたくさんの観測・研究がありましたが、

現在でもはっきりとした地球外文明の発見はありません。

 

しかし、地球の文明は宇宙で例外的なものなのか、

あるいは必然的にできたものなのかといった、

有史以前から語られてきた哲学的な問いに対しての回答を求めるという、

ある種の人間の根源的な欲求があるため、

地球外生命体探査については現在でも多くの人たちが関心を持っている分野で、

それがこのプロジェクトの参加者の多さにも現れています。

 

NASA研究者は今後10年以内と語っていますが

 

地球外生命体の可能性についてでした。

地球外の知的生命というのは、向こうからやってこないでもしない限り、

かなり発見するのは難しいかもしれないですね。

 

ということは、まずはやはり、バクテリアのような原始生物を探すのが近道ではないでしょうか。

現在の私たちが生きている間にそういったものが見つかるのかどうか、

楽しみに待ちたいと思います。

 

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