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ブラックホールに落ちたら人間はどうなるの?宇宙雑学を分かりやすく解説

2019年6月3日

ブラックホール wikipedia

ブラックホール wikipedia

 

これまで理論上の存在とされていた「ブラックホール」が、近頃ついに撮影されましたね!

なにかと怖いイメージがあるブラックホールですが、このブラックホールに落ちたらどうなるのでしょうか?

 

宇宙の恐怖スポット?ブラックホールとは?

ブラックホール wikipedia

観測された諸事象を織り込み、ブラックホールとその伴星を描いた想像図 wikipedia引用

 

「ブラックホール」は宇宙にある、光さえも入り込んだら抜け出せないという天体です。ブラックホールの周囲は強すぎる重力のため時空が歪められていて、内側の、脱出速度が光速以上の半径のことを「シュヴァルツシルト半径」、これを持つ球面を「事象の地平面」と呼びます。

 

ブラックホールのイメージ wikipedia

ブラックホールのイメージ wikipedia

 

この中に落ちたら、あらゆる物質、たとえ光であっても脱出することはできないとされています。ブラックホールというのは、元の星の物質がこのシュヴァルツシルト半径より小さく圧縮された状態の天体で、「事象の地平面」に目に見えるものがある訳ではなく、ブラックホールに吸い込まれて落下する物体は、「事象の地平面」を超えさらに中へと落ちていきます。

 

ブラックホールから遠い位置の観測者から見れば、物体が「事象の地平面」に近づくことで、その物体の時間が遅れるように見えるので、ブラックホールに落ちた物体は、事象の地平面で永久停止するように見えます。また、物体が出す光は重力の赤方偏移を受け、落ちていくと次第に赤くなっていき、やがて可視光領域も外れることで見えなくなります。

 

映画「インターステラー」のブラックホール

 

ブラックホールは近頃ついにその姿が撮影されたわけですが、以前紹介した2014年のSF映画「インターステラー」でも、それまでの研究をもとに、コンピューターによるシミュレーションによって限りなくリアルに映像化されていました。

 

アインシュタイン wikipedia 引用

アインシュタイン wikipedia 引用

 

この映像のために、アインシュタインの有名な「一般相対性理論」を4万行もプログラム言語化したソフトが使われました。また、近頃よく聞くあの4Kよりはるかに高解像度のIMAXシアター用映像として、CPU32,000コアを使用し約41秒のシーンの書き出しが行われました。

 

ブラックホールが実際に撮影される前の、当時最も理論的に作られたブラックホールの映像は、ブラックホールを囲む明るい光・漆黒の中心部等、実際のものとかなり近かったというからすごいですね!

 

 

ブラックホールに落ちたら2人に分裂する!?

宇宙飛行士 f

 

では、もし人間がブラックホールに落ちたら、一体どうなってしまうのでしょうか?

これは、想像しただけでも怖いですね!

 

まるでSF小説とホラー小説を合わせたような展開になりそうです。

「インターステラー」も、ブラックホールに入っていく主人公の物語になっています。

 

人間がブラックホールに落ちたらどうなるのかという疑問は、誰もが一度は考えることではないでしょうか?アインシュタインの一般相対性理論と現在の量子力学をミックスして考えてみると、ブラックホールに落ちた人間は、「2人に分裂する」と言われています。

 

「?」ですよね。

 

この2つの理論を合わせると、普通の物理法則ではないブラックホールに同一人物が2人いないと成立しなくなってしまうというのです。

これを「ブラックホール情報パラドックス」といいます。

 

物理学者レオナルド・サスキンド wikipedia 引用

物理学者レオナルド・サスキンド wikipedia 引用

 

しかし、物理学者レオナルド・サスキンド氏は、このパラドックスは起きないとして、ホーキング博士と論争したこともあります。ブラックホールに人間が落ちるとどうなるかという誰もが考える素朴な疑問は、今でも多くの専門家が研究していて、結局のところ、いまだに完全には解明していないそうです。

 

 

「ブラックホール情報パラドックス」と戦う研究者

ブラックホール wikipedia引用

ブラックホール wikipedia引用

 

「ブラックホール情報パラドックス」は、世界中の物理学者が頭を悩ませている問題です。

 

ブラックホールに落ちた物質・情報は、最終的にブラックホールの「ホーキング放射」によって完全に失われるという理論は、「情報は無くならないし作られもしない」という、量子論の原理から外れてしまうというのが、「ブラックホール情報パラドックス」です。

 

理論物理学者サミア・マッサ氏は「ファズボール(fuzzball)」仮説を提唱しています。この説は、ブラックホールに落ちた物質は消滅せず、見た目ではホログラムのようになってブラックホール表面に貼りついて保存されるというものです。

 

この説では人間の身体は蜃気楼のように透明な姿になりますが、その人自体はブラックホールに入っても残るらしいのです。2次元のホログラムになることに質量がなくなり、ブラックホール情報パラドックスを起こさずに情報が保持され、ブラックホールが蒸発することで外部に出てくるということです。

 

また、ミシガン州立大学のクリス・アダミ教授は、「ブラックホールは物理法則に従い、量子情報を複製していることが分かりました。ただし、完全なコピーではなく」と語ります。

 

これは、完全な自画像・完全な世界地図は作成できないということに似ているでしょう。量子情報を用いてブラックホールに落ちた物体は、完全なコピーではない「不完全なコピー」を複製されるということで、この場合もブラックホール情報パラドックスは起こりません。

 

 

ブラックホールに吸い込まれる人を観測すると?

ブラックホール wikipedia引用

ブラックホール wikipedia引用

 

ブラックホールに吸い込まれていく人物を観測するとしたとき、最初にその人間が事象の地平面へと加速しつつ近づきます。ブラックホールに近づくと、この人物の体は伸びる・ゆがむように見え、まるで虫眼鏡越しに見ているようになります。

 

そしてその人物が事象の地平面に近づくと、動きがだんだん遅くなっていきます。この人物が事象の地平面につくと、グニャグニャ歪んだままで停止しているかのように見えるそうです。停止状態の人物は、事象の地平面の「ホーキング放射」熱でゆっくり灰になっていく…らしいです。

 

宇宙の謎の代表的な存在ですね

ブラックホール wikipedia 引用

ブラックホール wikipedia 引用

 

ブラックホールに落ちたらどうなるのかについてでした。科学者でもいまだに論争があるということで、やはり正確にはまだわかっていないようです。ただ、近頃ついに史上初めて撮影されたブラックホールは、地球で人工的に作れるかもしれないという話もあるようです。いつの日にか、人間がその内部まで理解できる日がくるかもしれません。

 

写真引用元:wikipedia

 

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