火星とは、太陽系の惑星のなかで太陽から4番目に近い惑星です。他の惑星に比べれば地球から比較的近いところにある惑星なので、普通の人にとっては最も身近な太陽系の惑星なのではないでしょうか?先日もアメリカのスペースX社による「火星移住計画」が発表されましたね。SF小説などでもたびたびテーマになることが多い火星移住ですが、実現したらどうなるのか興味が尽きませんね。今回はこの火星について、これまでの人類の火星探査について紹介していきましょう。
火星探査にはなぜか失敗例が多い!?
(マルス1号 wikipedia)
火星にはこれまで、アメリカ・ソ連・ヨーロッパ・日本などあらゆる先進国がその地表や地形気候を調べるために、多くの探査機を送り込んできました。しかし、火星探査には大きな問題が存在しています。火星に送り込まれる探査機は、その約2分の3がミッションを完了することなく失敗に終わっているというデータがあるからです。なかには、ミッションを開始した直後に失敗しているケースまであるのです。内訳では制御システムの故障による失敗が多く、ソ連の「マルス1M」「マルス1号」などがこの故障で失敗しています。
(ゾンド2号 wikipedia)
また、ソ連の「ゾンド2号」は、火星には近づけたものの、通信システムが故障したためにデータを地球に送ることができませんでした。このように技術上の問題もあるとされているのですが、原因が謎の失敗なども多くあり、「大銀河のグールのせい」「宇宙の悪霊のため」と冗談めかして研究者たちが不思議がっているというのが現状です。また、火星探査は上記のような謎の失敗が多い上、予算が莫大に必要となるので、予算を火星の調査よりも地球に使うべきといった批判や反対の声も多いのも事実です。ただし、アメリカの場合では国防費の20分の1よりさらに低いといった額なのですが、それでも低コスト化は進められています。
火星探査の成功例とは!?
(マーズ・グローバル・サーベイヤー wikipedia)
ではここで火星探査の成功例を挙げて見ましょう。「マーズ・グローバル・サーベイヤー」は、1996年11月にアメリカ宇宙局NASAが行ったミッション名・およびその打ち上げた火星探査機の名称です。この名前は、「火星の観測者」という意味で、ミッションも同じく火星の写真撮影・地図作成などでした。火星のマッピングなどを行ったこの成果によって、惑星科学以外にも後の火星探査の情報にもなっています。「2001マーズ・オデッセイ」は、2001年10月にアメリカ宇宙局NASAが行ったミッション名、およびその打ち上げた火星探査機です。この名前は、あの「2001年宇宙の旅」からつけられたそうです。目的は、火星の表層にあるとされていた水の発見や、地表の鉱物の調査、放射線測定等でした。2002年2月から火星の観測が開始し、火星の南極・北極を覆っている二酸化炭素の氷の下に、大量の水を発見しました。また、火星の地表がとても乾燥しているということも観測しています。この成果は当時は一般ニュースにも取り上げられていたので、覚えている人もいるのではないでしょうか?
火星に人が降り立つ!有人探査の現在は!?
(バラク・オバマ大統領 wikipedia)
いよいよ火星の有人探査についてです。アメリカではブッシュ大統領親子によってたびたび火星の有人探査構想が計画されましたが、予算が多額であるなどの理由により断念されています。オバマ大統領は2030年代の半ばを目標に、新しい火星有人探査計画を発表しました。ロシアでも将来的な火星の有人探査を計画していて、2025年までには技術的・経済的に実現できるとしています。欧州宇宙機関「ESA」でも、「オーロラ・プログラム」という、火星に人間を送る長期的な計画を構想しています。火星の有人探査で問題となるのは、火星〜地球の往復に滞在する期間を合わせると1年〜3年にもなるというミッションの長さで、なおかつそれに伴う物資の量についてです。この問題を解消するために、まず先に火星に無人の工場を送り、そこで作られていたものを帰りの燃料に使うというプランなどが考えられています。
火星探査には多くの困難があるが、それを乗り越えられるか
(有人火星探査 wikipedia)
火星の探査についてのあれこれについて見ていきました。無人探査は失敗が多く、成功例もありますが、有人探査はやはりまだかなりの困難があるようです。人間の火星移住についての計画も発表されましたし、今後も火星探査のニュースから目が離せません。