今回は太陽系外からやってきた謎の天体「オウムアムア」についてのお話です。
細長い葉巻のような天体で、これまで見たこともないような形で奇妙な感じです。
これは天体観測史上初となる歴史的な発見であり、
最近観測されたばかりなので、とても興味深い内容となっていますよ!
「ネイチャー」が報告した謎の天体
現在我々が宇宙について知っているすべてのことはたったの4%というくらい、
宇宙には謎が満ち溢れています。
そんな謎だらけの宇宙から、またしても興味深い天体が発見されました。
昨年2017年の10月に、太陽系外から謎の天体が地球のそばを通って行きました。
これを科学雑誌の「ネイチャー」が報告しています。
この天体は当初、味も素っ気もない「A/2017 U1」という名前だったのですが、
後に「遠くから来た最初の使者」というハワイの言葉である
「オウムアムア」という名前になりました。
これまでに人類が発見した小惑星・彗星は75万個にもなりますが、そのすべては太陽系のものでした。
ということで、太陽系外から来た岩・水の塊が発見されたのは今回が初めてであり、
まさに「オウムアムア」ということになりますね。
この天体が、太陽系外惑星の成り立ちのヒントとなりそうです。
NASAの天文学者、ジョゼフ・マシエロ氏は「これはものすごいことで、
小惑星研究者たちにとって重力波観測(アインシュタイン博士が予測した存在で2016年に検出された)に
匹敵するほどのニュースです」と語っています。
「ネイチャー」によれば、この天体は太陽系外が起源で長さが幅よりも極端に長い楕円形となっており、
ハワイ大学天文学研究所のカレン・ミーチ氏も「極端に細長い天体というものはきわめて珍しく、
太陽系にはこのような天体は存在していません」としています。
この天体が最初に観測されたのは昨年2017年の10月19日、
ハワイ大学博士研究員ロブ・ウェリク氏が「パンスターズ1」
望遠鏡を使った一連の画像のなかから見つけられました。
オウムアムアを観察したところ、この天体には塵やガスの尾がなく、
彗星ではない別の恒星で作られた小惑星だということがわかりました。
表面は赤味がかかった光を反射しています。
これは、有機物・金属鉄、または輝石という鉱物で覆われている可能性があるとされています。
人間の目では深い茶色に見えるようです。
さらに、このオウムアムアは、数時間おきに明るさが大きく変化しています。
このサイクルからオウムアムアは細長い形で7.34時間という周期で回転していると予想されています。
明るく輝いているときは、長い側面が地球の方向に向いていて、
太陽光を効果的に反射しているからです。
暗くなったときは地球から片方の先端を見ているということになります。
この周期からいけば長さが180〜400メートルほど、
幅が約40メートルと考えられ、とても珍しい形状となります。
オウムアムアは秒速44キロメートルという超スピードで太陽系から遠ざかっていて、
もう地上の望遠鏡から観ることはできませんが、
天文学者たちは宇宙望遠鏡で追跡しています。とにかく珍しい天体なので当然ですよね。
赤外線を観測する「スピッツァー宇宙望遠鏡」がオウムアムアを観測、
今年2018年1月はハッブル宇宙望遠鏡を使い追跡を続けるそうです。
一流の科学者たちが「エイリアン母船説」を考えている!
ところで、普通は天体といえば球体を思い浮かべますよね?
しかし、このオウムアムアは400メートルという細長い「葉巻型」とも言われている
ものであり、天体学者のなかにはなにか「人工的な物体」ではないかという説を話す人がいます。
たとえば、エイリアンの宇宙船ではないかといったことまで言われています。
たしかに、イメージ画像で見ると今まで全く見たことの無かった形状をしているので、
私も含めて不思議に感じる方も多いのではないでしょうか?
エイリアンの宇宙船という説はなにもオカルト主義者が言っていることではなく、
あのスティーブン・ホーキング博士の研究チームがその可能性について真面目に検討しているのです!
このチームは「最近の研究では「葉巻型」
または「針型」の宇宙船が惑星間の移動に適している形であることがわかっていて、
それはガスや塵からの摩擦・ダメージを最小にとどめることができるためです」と語り、
アメリカのヴァージニア州に存在する世界で最大の電波望遠鏡を使って
オウムアムアが発する電磁シグナルをつかもうと試みているようです。
もしも、この試みが成功したら、
夢の「地球外文明」の研究が大きな進展を見せることなりますね。
また、アメリカの有名なハーバード大学の天体物理学者であるアヴィー・ローブ教授も、
オウムアムアについてのおどろきのコメントをしています。
同氏によれば、オウムアムアはエイリアンの船で惰行運転をしている可能性があり、
高度な母船から出された偵察機ではないかと言っています。
これはかなりおどろきのコメントですが、続きがあります。
「高度な知性がある文明は平和主義の可能性があり、
彼らから人類が学ぶことができるでしょう。
しかし、攻撃的な意志を持っていて人類に危険性が及ぶ可能性もあります。
彼らと将来コンタクトを取ることは慎重になる必要があります」
オウムアムアの構造は「ベイクド・アラスカ」!?
天文学者はオウムアムアの調査で、
グリーンバンク電波望遠鏡を使い4つの無線帯域に数十億もの周波数帯をスキャンし、
携帯電話の信号と同じほどの弱いものを含める電波が送られてないかを調べました。
もしそんな信号があれば、オウムアムアがエイリアンまたは
エイリアンの宇宙船であることを示すことにもなるからです。
オウムアムアに地球外生命がいたとしても、今まで科学者たちが監視してきた周波数の全域にわたり、
継続的に信号を出しているとはいえません。
科学者たちは生命がいるいないにかかわらず、
「オウムアムア」は宇宙船のような構造をしていると考えています。
2017年12月18日の「Nature Astronomy」オンライン版に発表された報告によれば、
「オウムアムア」は炭素を多く含む堅い表面で覆われているので、
9月に太陽に最接近したときには、水・氷からできている中心部の
蒸発を防ぐことができたかもしれないそうです。
北アイルランドのクイーンズ大学の天文学者であり、
調査のリーダーだったアラン・フィッツシモンズ氏は、
「基本的にとてもいい具合のベイクド・アラスカのようなものです」と言います。
ベイクド・アラスカとは。アイスクリームの周囲にケーキの生地をのせてからメレンゲで覆い、
それに焼き目をつけたお菓子のことを言います。
外側がかなり温かく、中心部はねばねばして凍った物質があるようです。
現時点ではオウムアムアの内部に氷があると決め付けることはできません。
それでも研究チームの数回にわたるスペクトル観察では、
かなり以前から凍っていた可能性があるようです。
これだから宇宙は面白い!
これはかなりすごい発見ですね。
宇宙物理学の専門家は、ローブ教授の発言以前から
「オウムアムアが太陽系に飛来した理由の1つは、観測機器を撒く目的かもしれない」
と語る人もいました。
このような見解が、スティーブン・ホーキング博士の研究チームのような
世界でもトップの科学者の間で考えられているというからすごいことです。
オウムアウアのイメージ画像を見ると本当にロマンがありますよねえ。
地球上では考えられないようなものが多く見つかって、
これだから宇宙について学ぶのは面白いという気がしませんか?
「遠方から初めて訪れた使者」という意味で付けられた、
オウムアムアの続報がとても気になりますね!