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彗星の中でもっとも有名な、ハレー彗星の観測歴史と周期に迫る

2017年7月25日

 

彗星といえば、多くの人がまず最初に思い浮かべるのがハレー彗星でしょう。彗星は氷と塵からできている、太陽系の小天体です。太陽に近づくことで表面が溶け、それが「尾っぽ」の成分となります。彗星の中で最も有名なハレー彗星ですが、名前だけは知っていても、実際にはよく知らないという人がほとんどではないでしょうか。ということで、今回はこのハレー彗星について、いろいろと見ていきましょう。

 

前回記事:昔は不吉な前兆とされていた、彗星についてのあれこれ

 

ハレー彗星の周期は約76年!

 

ハレー彗星は、約76年ごとに地球に近づく「短周期彗星」です。この周期彗星という彗星では一番初めに知られた彗星で、昔からたくさんの文献に記されています。前回ハレー彗星が近づいたのは、1986年です。1986年といえば比較的最近のことなので覚えている人もいるのではないでしょうか。ちなみに、次回ハレー彗星が地球に接近するのは2061年の夏とされています。ハレー彗星の核部分は約8km×8km×16kmという大きさで、ジャガイモのようにデコボコした形になっています。表面は暗い色で、表面には多くの炭素が存在しています。ハレー彗星から出された物質が、5月に活動する「みずがめ座η流星群」10月に活動する「オリオン座流星群」の物質となっているとされています。

 

なぜ、「ハレー」彗星なのか?

 

ところでこの「ハレー彗星」なぜ「ハレー」なのかご存知でしょうか。よく、宇宙の星に人の名前がついていることを聞いたことがないでしょうか。ハレー彗星の「ハレー」とは、この星についての研究していた学者からつけられています。ハレー彗星が「周期彗星」であり、約76年という、人間の寿命とほとんど同じくらいの短さの回転周期であることを発見したのがイギリスのエドモンド・ハレーという天文学者だったのです。1705年に発表し、1758年に証明されたこのエドモンド・ハレー研究の功績によって、この彗星にハレーという名前がつけられました。

 

ハレー彗星の観測の歴史

 

昔から人間によるハレー彗星が観測されていました。各地の文献がいろいろとあります。世界最古のハレー彗星観測の文献は、紀元前240年、5月25日のことで、中国の「史記」に記されています。ここでは、ハレー彗星と思われる星が太陽に近づいて見えなくなり、また再び姿を現したという状況が記されています。現在は大英博物館に所蔵されている「バビロニア粘土板」に、紀元前164年11月12日の彗星観測の記述があります。これがハレー彗星の軌道と一致しているとされています。紀元後の文献では、218年の「後漢書」や「ローマ史」にハレー彗星の観測記録があります。日本の文献では、684年の「日本書紀」において、10月2日にハレー彗星の観測記録が記されていて、これが日本最古の記録となっています。また、この年の中国の「旧唐書」ドイツの「ニュルンベルク年代記」にも記録があります。

 

前回ハレー彗星が接近した年を覚えていますか?

 

ハレー彗星の最も最近の地球へ近づいた年が「1986」年です。これは上記のようなハレー観測の歴史から見れば、つい最近ということになります。1986年の2月9日に、ハレー彗星が地球に接近しました。当時の事を知っている方ももちろん多いでしょう。しかし、残念ながらこの年は「有史以来ハレー彗星が最も観測しづらい年」だったのです。都市化による「光害」などのせいもあり、残念ながら一般人のほとんどの人がハレー彗星を見ることができませんでした。しかし、もちろんアマチュアの天文家にとっては絶対に見逃せないということで、ハレー彗星が見えやすい南半球に移動するなどをしてこれがニュースにまでなったのです。

 

 

一生に一度見れるか見れないかの彗星!

 

彗星の中でもっとも有名なハレー彗星についてでした。その周期が約76年ということは、ほとんど人の一生毎ということになるわけですが、最も最近の1986年は残念ながら最も観測しづらい年で、一般人ではほとんど見られなかったんですね。このように一生に一度見れるか見れないかというハレー彗星には、宇宙のロマンを感じますね。

写真:wikipedia

 

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