恒星

「恒星」の定義や語源、惑星や衛星との違い

2017年9月30日

 

みなさんは「恒星」という星について、なにかご存知でしょうか。惑星については地球も太陽系の惑星のひとつですから馴染み深いかもしれませんが、恒星というのはあまりよく知らない人が多いのではないでしょうか?そこで、ここでは恒星について、定義や惑星・衛星との違いなどを詳しく紹介していきます。

 

恒星の概要や語源について

 

恒星とは、自分のエネルギーによって輝く、ガスでできた天体のことです。もっとも有名な恒星は太陽でしょう。太陽は太陽系で唯一の恒星です。

「恒星」の語源についてですが、なぜこのようなちょっとわかりにくい名前がつけられているのでしょうか。これは地球から見たときに、天球(地球を中心に取り巻いている球体)に「恒久的」にがっちりと固定されているような星という意味からきています。反対に惑星は天球を移動している「さまよえる人」ということから「惑星」と呼ばれているのです。

 

恒星・惑星・衛星の違いをご存知ですか?

 

宇宙の星には、「恒星」「惑星」「衛星」といった種類があります。普通の人だと、この違いがわからなくて面倒だなと思う人もいるかもしれません。そこで、ここで「恒星」「惑星」「衛星」のそれぞれの違いについて説明しましょう。たとえば太陽系では恒星は太陽、惑星は地球や火星、木星や土星といったおなじみの星、衛星というのは惑星のまわりにある月(地球)・エウロパ(木星)・タイタン(土星)などがあります。

 

これらの定義としては、

自分で光を発するのが「恒星」、

恒星の周りを公転しているのが「惑星」

惑星の周りを公転しているのが「衛星」

 

というものになります。意外とわかりやすいですよね。

 

恒星を「親」、惑星を「子供」、衛星を「孫」として考えるとよりわかりやすくなるかもしれません。夜に地球から見えている星は、月と惑星のほかはすべて恒星ということになります。恒星というのは自ら光を放つのが定義とされていますが、これは核融合反応によって熱・光を放ち、数十億という、人間からすれば途方も無い長い年月の間燃えることができるのだそうです。

 

たとえば太陽についてですが、計算では今から50億年後に核融合反応が尽きて、最後を迎えるそうです。では太陽がなければ生きていけない人間はそのときどうなるのか?というと、もちろんこればっかりはわかりません。それまでに滅んでいるかもしれないし、なんらかの方法で生き延びる方法を見つけているかもしれません。

 

 

恒星の誕生から終焉までについて

 

恒星は、周りより物質密度が高い「分子雲」から形成されます。分子雲のまわりに超新星が爆発などをすると、その衝撃波などの影響で分子雲が圧縮される部分が生まれ、不安定な重力となって縮んでいきます。

 

ガス塊の質量が大きいと、熱放射によりエネルギーを失っていって自己の重力により縮んで温度は高くなります。重力ポテンシャルのエネルギーは半分が放射されて、あとの半分は天体の温度が高くなるもとになり、このようにして光を発するようになりますが、これを「原始星」と呼びます。

 

さらにこの原始星の中心温度が高まること(数百万度〜1000万K)で、水素の核融合反応が星の中心で始まります。これが熱源となり圧力が生まれ、重力収縮が止まります。これを「恒星を主系列星」といいますが、恒星は一生の約9割の時間をこの主系列星として過ごしています。ほとんどの恒星は、中心部の水素を使い果たすことで、外の層が大きくなって大きな赤い恒星となります。これが「赤色巨星」という状態です。

 

太陽も、今から約50億年後には金星をのみ込んでしまうほど膨張して赤色巨星となるそうです。太陽ほどの平均的な質量の恒星は、赤色巨星となって核の温度・圧力が上がってヘリウムが炭素になる核融合が起こり、窒素・酸素の段階で核融合が止まると外層のガスを出して惑星状星雲をつくります。こうして高密度になっても核融合が起こらなくなると「白色矮星」となり、さらにこれが長い間を経て「黒色矮星」になります。「白色矮星」と「黒色矮星」は、宇宙が最期を迎える時、唯一残されている天体といわれています。

 

とりあえず「太陽は恒星」は覚えておきましょう

 

今回は一般人にとってはちょっとわかりづらい恒星についてでした。こうやってみていくと、意外とわかりやすかったですね。この違いを知っておくと、宇宙を理解するときにより楽しく、わかりやすくなると思います。

 

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