宇宙雑学

隕石とは?日本の隕石伝説も紹介

2018年5月2日

 

宇宙から地球に落ちてくる石が「隕石」ですね。

隕石というものは、宇宙から落ちてきた石ということでなにかロマンがありますよね。

世界だけでなく日本にも、隕石にまつわるいろいろなお話が存在してます。

今回はこの隕石についていろいろとみていきましょう。

 

そもそも隕石とは?

 

隕石とは宇宙にある固体の物質が惑星の表面に落ちたものをいいます。

私たちは普通、隕石を「地球に落ちたもの」と連想しますが、

火星に落ちた物質も隕石なんですね。

 

隕石では、大気を通るとき地球の大気圏のような高熱部分で気化するものもあるそうです。

 

採集された隕石を記録した「隕石カタログ」

というカタログがあり、この中では22507個(2000年版)という隕石が載っています。

 

隕石の大きさはさまざまあります。

 

無数の破片が地上に数10個から数100個落下しますが、

大きなままで落ちてくることもあります。

 

それが、アメリカのアリゾナ州に「バリンジャー隕石孔」という、直径1.2kmの

クレーターを作った隕石です。

これは質量が数万トン〜数十万トンというものだったというからすごいですね。

 

隕石と聞いて普通の人がたいてい連想するのがこの大きな塊のタイプかもしれませんが、

これまで最大の隕石といえば、アフリカのナミビアのオチョソンデュパ州で発見された

「ホバ隕石」で、なんと66トンもの重さです!

 

隕石の落下が目撃されるときは、巨大な火の玉が落ちてくるようで、

夜でも昼間のように明るくなったりします。

 

また、衝撃波の音が聞こえる範囲は数十km四方以上のことも多くあります。

 

隕石の種類について

 

隕石には、大きく分けて3つの種類があります。

 

「鉄隕石」とは、名前の通り金属が主な主成分の隕石で、

天体から分かれた金属核のものとされています。

 

ニッケルの含まれる比率とその構造によって、

「ヘキサヘドライト」 「オクタヘドライト 」「アタキサイト」に分けられます。

 

「石鉄隕石」とは、ほぼ同じ量の「Fe-Ni合金」「ケイ酸塩鉱物」とでできている隕石です。

これは天体のマントルからきているとされています。

「パラサイト」と「メソシデライト」に分けられます。

 

「石質隕石」とは、ケイ酸塩鉱物からできている隕石です。

球粒状のコンドルールという粒子がある「コンドライト」と、

それがない「エイコンドライト 」に分けられます。

 

コンドライトは未分化天体、

エイコンドライトは分かれた天体の地殻・マントルからきているとされます。

月からきた隕石や、火星からきた隕石等は、エイコンドライトに含まれます。

 

 

日本の隕石にまつわる話や伝説

 

日本はもちろん狭い国土のため、隕石が落下することはあまりありませんが、

反面隕石の落下を目撃したり、隕石を回収することは多く、50個ほどの隕石が回収されていました。

 

また、比較的最近の1992年12月には島根県において隕石が落下、民家の屋根から床下まで

落ちておりこれを「美保関隕石」と呼んでいます。

 

「長良隕石」という鉄隕石が、岐阜県岐阜市の長良で2012年発見されました。

この隕石はこの町の74歳の男性が畑で偶然拾い、

そこから数百メートル離れている空き地にも似た石が発見されています。

 

名前はもちろん、発見された場所が岐阜市の長良で、長良川が流れていることからきています。

隕石の名前というものにはルールがあって、その土地に関連した名前でないといけないからです。

 

「岐阜隕石」ではないのは、岐阜県にて1909年に隕石雨として見つかった「美濃隕石」が、

「Gifu隕石」として国際隕石学会という学会に登録されているためです。

 

「長良隕石」の発見により、これまで国内に見つかった隕石の数は51個になりました。

近ごろ承認された隕石は2004年に秋田県で見つかった「神岡隕石」だったため、

これは14年ぶりの日本における新しい隕石の発見になりました。

この「神岡隕石」の前年に「広島隕石」が落下しており、

隕石が発見されるのはいくつか続くことあるようです。

 

そして、先日のニュースによると、太平洋戦争末期の1944年の秋、

同じ岐阜市の長良川付近の上空で、

当時16歳だった女性が火の玉を見たと証言していたことがこのほど判明しました。

 

岐阜聖徳学園大教授・川上紳一氏は「発見場所の位置と女性の話がぴたりと合うので、

長良隕石は74年前に落ちてきた可能性が高い」とし、周辺の調査を進めています。

 

日本で記録に残る最古の隕石は、861年5月に福岡県に落下した直方隕石で、

これは現在須賀神社に保存されていて、5年に一度開かれる「神幸大祭」において公開されます。

2016年10月に開催されたこの祭でも公開されて、天文ファンが多く訪れたそうです。

神社内には記念碑があって、隕石のレプリカが置かれています。

 

また、日本には隕石にちなんだ伝承が各地に存在していて、信仰対象にもなっています。

 

愛知県の名古屋市の星崎町にある星宮社という神社は、

600年代中頃にこの場所に隕石が落ちたため、

それを祀ることを目的として建てられたという説があります。

 

江戸初期の1632年にも付近に隕石が落ち、

これは1976年に国立科学博物館に隕石と認定されて「南野隕石」と呼ばれました。

 

京都市東山区の清龍寺には「念仏石」という岩があります。

 

これは門を入ってすぐ、左手にある石の上に据えられている、

幅が50センチメートル、長さが1メートル、厚さが30センチメートルの岩です。

これを叩くとと金属音が響くため隕鉄とされています。

もしこれが隕鉄の場合、日本では最大級の隕石になります。

 

広島県にある神石高原町(じんせきこうげんちょう)にある星居山は、

645年の元旦、夕方において辺りを昼のように明るくした流れ星が落ちるということが長く続き、

これを見物にきた孝徳天皇が数日滞在し、「星ノ居山」と命名したとされています。

 

 

隕石のなかにダイヤモンドが!

 

なんと、隕石の中にはダイヤモンドが含まれているものがあるということをご存知でしょうか?

 

「ネイチャーコミュニケーションズ」という学術誌に掲載された4月の論文では、

「ユレイライト」という珍しい隕石に含まれるダイヤモンドは、

太陽系初期の原始惑星だったという研究が発表されています。

 

太陽系の初期は、水星か火星ほどの大きさのガスや岩石からできた

原始惑星が何個も太陽を周回していたとされています。

 

これらが衝突したり太陽系の外に出されたりしていき、残ったものが現在の太陽系惑星です。

2008年のスーダンはヌビアサバクに落ちたユレライトの一部には、

小さなダイアモンドが含まれていました。

ダイヤモンドは非常に固いということが知られているため、

鉱物のために完璧な入れ物だと研究者は考えました。

 

最近では、地球の地中にあったダイヤモンドから未確認の鉱物が発見されています。

電子顕微鏡でこの隕石の中のダイヤモンドを調べると、

鉄・硫黄が含まれた特殊な鉱物が含まれていました。

これらの鉱物は、20ギガパスカル(1ギガパスカル=10億パスカル)以上の

高圧下で生まれた可能性が高いことされています。

 

こうした高圧力ができるのは、初期の太陽系にいくつもあったという原始惑星の、

大きい天体内部しかないとい論文の著者は考えています。

 

地球で現在回収している隕石のなかで、ユレイライトは480個ですが、

論文の著者の研究者は地球外物質をさらに多く調べ、

隠されている可能性がある宇宙の歴史を解明したいと考えています。

 

「初期の太陽系において惑星がどうやって形成し発達したのかについて、

今回の発見はその手掛かりになるかもしれません」と同研究者は語ります。

 

 

隕石伝説は面白い

 

隕石についてでした。地球に落ちてきた隕石というのも、

日本だけでなく世界にも古くから伝承とかがあって面白いですね。

 

また機会があれば個別に隕石について紹介してみたいと思います。

 

-宇宙雑学
-