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ウラシマ効果とは?分かりやすく浦島効果(時間の遅れ)を解説

2018年7月1日

 

SF小説やSFアニメなどでは、宇宙の「ウラシマ効果」について取り上げている作品があります。

 

作品では宇宙の「ウラシマ効果」によって、

地球の人間よりも歳を遅くとることでドラマが起きたりします。

 

あの「ドラえもん」にも登場しましたね。

そのため、子供のころから名前だけは知っている「ウラシマ効果」、

じっさいどんなものかを知っている人は少ないかもしれません。

 

ということで、ここで「ウラシマ効果」についてみていきましょう。

 

「ウラシマ効果」の語源は?

 

「ウラシマ効果」というのは実際に物理学の分野において使われている言葉ではなく、

SFの同人誌である「宇宙塵」の柴野拓美氏が使いだした言葉とされています。

 

地球と比べて宇宙においての「時間の遅れ」を、

日本の有名なおとぎ話である「浦島太郎」で、

海底の竜宮城での数日が地上の数百年になるということになぞらえて作られました。

 

そのため日本の多くのSF小説家・漫画家が宇宙の時間の遅れを元に浦島太郎のストーリーどおりに、

主人公が宇宙人と亀のような宇宙船に乗って竜宮城のような異星に「光速で移動」したため、

地球の時間とのズレができたという解釈を示しました。

 

光速・亜光速で飛ぶ宇宙船が出てくる作品では、「ウラシマ効果」を言及しています。

 

「ウラシマ効果」とはどんな現象?

 

宇宙における「ウラシマ効果」とは、いったいどんな現象なんでしょうか。

 

これにはアインシュタインの「相対性理論」が大きな要素を占めています。

 

観察者が2人いるときに、双方の相対的速度差によって、あるいは

重力場が異なる場合により、この2人の経過時間にズレが生じるということです。

 

たとえば見るものに対し相対的に動く「時計」は、見る人の基準系(きじゅんけい)内

の静止した時計よりも遅く観測され、重力場を見る人より強く影響を受けていても遅くなります。

 

これはどちらも、止まっている観測者・重力源から、無限に遠方にいる観測者を基準としていて、

時間の進み方が遅いと表されます。

 

そうはいっても、理論上においてということなら理解できても、

現実にそんなことがあるのかと思ってしまう人もいるかもしれません。

 

しかし、実際にこの「時間の遅れ」は観測されています。

 

 

 

 

1組の原子時計の片方を宇宙に持って行ったときにわずかなズレがあったり、

スペースシャトルの時計が地球の時計よりもすこし遅くなること、

GPS衛星の時計が早く動いているといったことが確認されています。

 

 

特殊相対性理論で説明される時間の遅れ

 

特殊相対性理論では、観測者に対して動いている時計は、

観測者自身の時計よりも時間が遅くなっています。

 

この相対速度が速いほど時間は遅くなり、光速に近いほど時間が進まなくなります。

 

このため、理論上では光速で移動する質量ゼロの粒子は時間が経過していないということになります。

 

時間座標・空間座標を結びつけて古典力学と電磁気学の矛盾を解消するローレンツ変換によって

説明されるこの理論は、宇宙からきた素粒子=宇宙線が地上のものよりも

長寿命なことから認められています。

 

単純な話では、宇宙船の時計は地球のものよりも約0.44倍で、地球の1年では

宇宙船では5ヶ月半ということになります。

 

この現象では、光速で進む宇宙船によって宇宙を飛行し、

何年かして出発した地点に戻った場合、その場所にいた人は年をとっているのに対し、

宇宙船で宇宙を飛行していた人は年をとっていないということが起こり、

すなわちこの宇宙船は、一方通行ではあるものの未来へのタイムマシンになるということになります。

 

有名な映画にもなった小説「猿の惑星」はここから生み出された話です。

 

 

「ウラシマ効果」の存在は宇宙空間だけじゃない!

 

このおどろきの現象は、なにも宇宙空間で光速のような速度の宇宙船以外にも、

日常生活においてもごくわずかな現象があります。

 

航空機にあった原子時計がごくわずかに遅れたりしています。

ただし、宇宙船・人工衛星では、速度だけでなく「重力場の有無」の影響もあります。

 

重力によっても、重力が時空を歪ませるため、時間に変化があります。

重力が強い惑星では、重力が弱い場所にくらべて時間が遅くなります。

 

車だけでなくスマホにも搭載されて、今ではすっかり有名になった「GPS」は、

その衛星が正確な時間を地上に送って、位置もを測定していますが、

重力源の地球から離れている場所にあるため、

地上よりも重力が弱い場所にあるため、地上よりも時間の進み方が早くなります。

 

そのために、GPS衛星の時計は

「毎秒100億分の4.45秒」分地上よりも遅く進むようになっています。

 

これは、あまり知られていなかったのではないでしょうか?

 

さらに、衛星〜地上に電波を伝える経路は地球の重力場にあって伝播する時間も影響があるために、

この分も計算されて電波が送られています。

 

 

ウラシマ効果を取り扱った作品

 

「ウラシマ効果」を取り扱った作品には、あの「ドラえもん」があります。

童話の「浦島太郎」は、竜宮城に行ったのではなく、実は宇宙に行っていたという話です。

たしかに、「ウラシマ効果」の言葉をたどればそういった話も面白いかもしれません。

 

浦島太郎といえば、「むかし〜むかし〜浦島は〜助けた亀に連れられて〜」という歌でおなじみの、

ほとんどの日本人が知っている童話ですね。

 

子供たちにいじめられていた亀を助けた浦島太郎は、

お礼として亀の背中に乗って海の中の竜宮城に招待され、

そこで楽しい3年間を過ごしますが、地上に帰ると300年もの時間が経っていて、

さらにお土産の玉手箱を開けると老人になってしまうという、なんとも後味が悪い童話です。

 

子供のころにこの話を聞かされた人も強い印象に残っているのではないでしょうか?

 

私はこの話を聞いたとき「後味が悪いんだけど面白い」という、そんな印象を持った記憶があります。

 

「ドラえもん」だけでなく、

「浦島太郎」は宇宙に連れ出されたという人間の話が伝えられてできたという噂があります。

京都情報大学院大学の作花(さっか)教授も、浦島太郎は宇宙旅行の話とも考えられるとしています。

 

相対性理論で考えれば、竜宮城での3年が地上の300年ということは、

この城が光速の速さの99.995%で移動していたということになります。

 

もしも亀がUFOの場合、光速に近い速ささで宇宙の「竜宮城」の星か

スペースステーションのような場所に行ったとすると、

相対性理論によって地球上の時間と150年の遅れが生じることになり、

帰った時間の150年で、合計で約300年という見方もできます。

 

「浦島太郎」は宇宙人のUFOで宇宙に連れ去られた人の話なのか、

あるいは宇宙人のメッセージなのか、こんな話を空想してみるのも面白いかもしれません。

 

「ウラシマ効果」を取り上げたSF作品はほかにもあります。

海外では「ウラシマ効果」に近い描写がある「リップ・ヴァン・ウィンクル」という短編小説から、

「リップ・ヴァン・ウィンクル効果」という呼び名があり、

これは「アメリカの浦島太郎」ということになるでしょう。

 

ジョー・ホールドマンのSF小説の名作「終りなき戦い」では

ある兵士が1000年以上もの星間戦争の最初から最後までを経験するという

話で、主人公は戦いから帰るたびにウラシマ効果で時間が地球から遅れ、

家族や知り合いが次々と亡くなっていくという描写があります。

 

映画の「インターステラー」では、ワームホールを使って惑星探査に向かった

主人公が、地球に帰還した時はすでに80年もの時間が流れていて、

10歳だった娘は老人になっていたという描写があります。

 

日本のウラシマ効果を取り上げたSF作品で有名なのは、アニメの「トップをねらえ!」です。

 

上記の「終りなき戦い」から着想を得たというこの作品は、

主人公がウラシマ効果によって地球の仲間たちから取り残される悲哀等が、

濃いSF描写の中で描かれています。

 

 

地球でも時間の遅れがあるというのがおどろき

 

宇宙における時間の遅れ「ウラシマ効果」についてでした。

こういった時間の遅れが、宇宙だけでなく地上でもわずかにあるというのがおどろきですね。

 

理論上では、未来に進めるタイムマシンにもなるわけですが、

このような宇宙船に乗りたいと思う人はいるでしょうか?

 

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