宇宙雑学

ホリエモン(堀江貴文氏)がロケット開発、過程や成果、実績は?

2018年8月2日

 

「ホリエモン」こと堀江貴文氏はいろいろとメディアで注目されている人物ですが、

そんな彼がロケット開発をしているようです。

ただ、最近でも打ち上げが失敗し炎上したというニュースも報道され、

やはりロケット開発はかなり厳しいという現実があるようです。

 

今回は「ホリエモン」こと堀江貴文氏のロケット開発についてみていきましょう。

 

インターステラテクノロジズとは?

 

ライブドアの元社長、堀江貴文氏は「ホリエモン」としてメディアでも注目されている人物です。

 

いろいろなことに挑戦しているホリエモンですが、

最近ではロケット開発に力を入れているという話をご存知でしょうか?

 

元ライブドア社長の堀江貴文たちが、

2013年に液体燃料ロケットの開発をする民間会社「インターステラテクノロジズ」を立ち上げました。

 

北海道の広尾郡大樹町に拠点を置くこの会社の母体は2003年に設立されていて、

SNS(指紋認証システムズ)株式会社という名前でしたが、

現在は「なつのロケット団」と称して、

小型の衛星を打ち上げるための小型液体燃料ロケットを作っています。

「インターステラテクノロジズ」はこの子会社でしたが、

2016年に吸収合併され代表取締役を稲川貴大氏に変更しています。

 

この会社は、民間企業による国主導の高価で大型なロケットのカウンターとして、

安価な小型ロケットで超小型の衛星を打ち上げるためのシステム作りを目指しています。

 

このような話は、やはりアメリカのスペースXが有名ですね。

スペースXの影響があるのでしょうか。

 

ということで、規模は全然違うものの「日本版スペースX」

といってもいいかもしれません。

 

ホリエモンこと堀江氏も、低価格ロケットについて、

「単純に宇宙に上げるだけなら高級車よりも普通車のような低コストのロケットでいいのでは?」と、

スペースXの思想と同じようなことを語っています。

 

これまでのロケット打ち上げの実績

 

インターステラテクノロジズは、

宇宙機のエンジニア野田篤司氏の「最小構成ロケットで超小型衛星を打ち上げる」という構想に、

2005年当時はライブドアの社長だった堀江貴文氏がスポンサーという形で協力し、

開発がスタートしました。

 

2006年~2008年には第1号として開発された推力30kgfクラスの液体燃料ロケットのエンジンは、

エタノールを燃料に、液体酸素を酸化剤にして、

都内や千葉県の鴨川市において試験を続けていました。

 

2009年に「CAMUIロケット(北海道の大学や民間企業が開発しているハイブリッドロケット)」

を開発している植松電機からの協力で拠点を北海道に移転し、

本格的な第1号エンジンの試験を行います。

 

その後は推力90kgfクラスの第2号エンジンの開発、

2010年は90kgfクラスのエンジンを搭載したロケットの設計と、

今までの経験をもとに推力500kgfクラスの第3号エンジンの開発をスタートさせています。

 

2011年3月に、北海道の広尾郡大樹町で特定非営利活動法人である

「北海道宇宙科学技術創成センター 」(HASTIC)に委託することで

小型ロケットの「はるいちばん」が到達高度約461m、

2011年7月に「なつまつり」が到達高度約1500mという打ち上げに成功しています。

 

5機目のロケットであった「ひなまつり」は、

500kgfクラスの液体燃料エンジンが搭載されたロケットでした。

 

打ち上げ日は2013年の3月2日の予定でしたが、

この時期に北日本に発生していた大寒波で悪天候だったため延期され、

3月29日に打ち上げられました。

 

同年3月29日、7時36分に打ち上げのコマンドを送るも離床せずに発射台の上で炎上し、

CAMUIの打ち上げも同じ構造だったため、打ち上げが延期されました。

 

失敗の原因は、調査の結果アクチュエータ駆動用圧縮空気が、

動作限界圧力の0.66MPa以下であったことが確認され、

圧縮空気の供給源であるコンプレッサーを動かす発電機が停止していたためと言われています。

 

これらの問題の対策として、コンプレッサーを高圧ボンベに、

バルブの動作確認などの改善点を設けました。

 

これらと平行して2013年にサイバーエージェントと折半出資で

「755」というグループトークアプリを開発する株式会社「7gogo」を設立しています。

 

「なつのロケット団」のスタッフには、

漫画家のあさりよしとお氏やSF作家の笹本祐一氏など、宇宙作家クラブが名を連ねています。

 

 

ホリエモンロケットとも言われている「MOMO」とは?

 

別名「ホリエモンロケット」とも言われている「MOMO」は、

国内初という民間ロケット会社が宇宙に打ち上げるロケットで、

インンターステラテクノロジズ初の商業ロケットです。

全長は8.5m、直径が50cmで、総重量が900kgというサウンディングロケットです。

 

「MOMO」という名前は、目標である高度100kmの漢数字「百」に由来します。

 

2016年の夏に、北海道大樹町で打ち上げることを目指し、

2017年7月30日の午後4時半打ち上げられましたが、

打ち上げ約1分後にテレメトリーが途絶え、飛行を中止しました。

テレメトリ―は機体のロールにより空力破壊が起きたためと分析されました。

 

宇宙に上げるということでは失敗しましたが、

高度は約20kmまで到達したと推定されています。

 

高度数kmだった飛行記録が伸びて、

エンジンも緊急停止コマンドを出すまでは正常に動作していました。

 

安全の手順を、適切なタイミングで行い制御することもできたというこうした点を、

民間ロケットの成果として考えてもよいでしょう。

 

このロケットは天候状態などによって打ち上げが延期されていたのですが、

資金調達をしているホリエモンにとっては非常にきびしい事態だったと、ツイッターで語っています。

 

 

「MOMO(モモ)」2号機打ち上げ失敗の経緯

 

 

さらに、インターステラテクノロジズは、

観測ロケットの「MOMO(モモ)」2号機を2018年6月30日午前5時30分、

本社がある北海道大樹町の実験施設から打ち上げましたが、

発射直後に炎上して失敗に終わっています。

 

不幸中の幸いにもけが人はいませんでしたが、初号機に続いての打ち上げ失敗ということで、

民間企業のロケット開発の厳しさが改めて証明されてしまいました。

 

午前5時30分の打ち上げ時刻、ロケットは最初打ち上がったものの、

その数秒後にエンジンが停って落下することで炎上しました。

付近に轟音(ごうおん)が起こり、発射地点には赤い火柱が立ち上りました。

 

インターステラテクノロジズの稲川貴大社長たち約20人は、

発射地点から約650メートルにある場所の指令所で指揮してたため、けが人はいませんでした。

 

打ち上げに失敗したモモ2号機はエタノール燃料の全長約10mの小型ロケットでした。

これには、大学の観測装置も乗せていました。

計画では、打ち上げて4分後に地上から100m上空の宇宙空間に着いて、

その7分後に約50km離れた太平洋の上に落ちるということでした。

 

モモ2号機は2018年の4月28日に打ち上げが予定されていましたが、

燃料を送るバルブの不具合・天候の不良等で見送られていました。

 

モモ初号機の打ち上げで起きた機体破損を考慮するために、

約1年の年月でこの2号機を開発していました。

 

4月に発生した不具合は、モモ初号機の改良点の設計上のミスによるものでした。

 

このロケットは初号機からコスト削減のために、

一般電子製品等にも使われている民生品を使用していました。

 

エンジン等の技術は今まで世界で実績があるものを使用。

この打ち上げ失敗は、打ち上げした後でエンジン燃焼が止まったとされ、

エンジンの不具合であったと予想されています。

 

 

「失敗は成功の基」ですね

 

あのホリエモンが開発に携わっているロケット「MOMO」についてでした。

ロケットは資金調達が大変とされています。

今回の「MOMO」2号機でも、6秒で3千万円が消えたとされています。

 

型破りな発言によってネットではよく「炎上」を起こしている堀江氏には、

ツイッターで「ロケットの炎上か」と突っ込みもありました。

 

しかし「炎上は自分の養分」としている堀江氏は、

「ベンチャーが軌道に乗るまでに「死の谷」があるとされ、

多くの人が越えられずにいたが、何とか越えてみたい」と、次回の挑戦に意欲を見せています。

 

「失敗は成功の基」と言う言葉があるように、失敗から得るものも多くあるでしょう。

頑張ってもらいたいですね。

 

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