宇宙雑学

夢物語を真剣に考察!ワープ(超光速航法)についてのお話

2018年9月4日

ワープ

 

アメリカ航空宇宙局 NASA では,2010年からワープ航法を使った宇宙船の研究を開始しています。

これまでサイエンス・フィクションの世界でしか考えられなかったワープですが、

実現にはできるのでしょうか?

今回はこのワープについて考えてみます。

 

みんな知っているけど詳しくは知らないワープとは?

 

ワープとは、SF作品で登場する「超光速航法」で、

語源は歪めると言う「warp」からきています。

 

日本ではアニメの「宇宙戦艦ヤマト」で知られるようになったワープですが、

アメリカではそれ以前のテレビドラマ「スタートレック」で知られるようになりました。

 

物理理論的には力学・相対論で実数・要素が実数であるベクトルで表現される

質量・速度をマイナスにしたり複素数にしたりすると、数式では既存の物理理論に反せずに、

光速以上になることが可能ということが、「理論的」には言われています。

 

しかし、この「負の質量」「複素数 」と言うエキゾチック物質についての

存在を見つける方法は不明です。

さらに、光速以上というのは因果律に反することが起こるとされています。

 

宇宙戦艦ヤマトとスタートレックのワープの違い

 

 

宇宙戦艦ヤマトとスタートレックと言う、

日米のワープという言葉を有名にした作品では、ワープの方法が違います。

 

まず、宇宙戦艦ヤマトでは「空間歪曲型ワープ」です。

 

これは、簡単に言えば宇宙のA地点からB地点へ

向かう時に、宇宙の外に出て近道をするという方法です。

 

二次元の平面では距離は変わらなくても3次元では近くなります。

この二次元の平面から飛び出すことで短い距離で移動することができると言う方法です。

 

宇宙戦艦ヤマトでは宇宙空間が四次元的に曲がっていることを使って近道ワープをします。

 

一方、スタートレックでは「通常推進型ワープ」で、

高速の数百倍という速さで宇宙空間を移動するという方法です。

 

これはもちろん相対性理論に反することになります。

 

そのためスタートレックでは、あ空間という電磁場のような架空の空間を設定しています。

この内部では物質質量が小さくなり相対性理論が通用しない場というものです。

 

亜空間と宇宙空間は表裏一体で、何らかの原因によって亜空間が自然発生する場合もあります。

また、亜空間フィールドにプラズマを注入して人工的に作ることができます。

亜空間フィールド非対称の泡嬢に展開することで内部の船が光速以上の速度で移動することができます。

 

なんと、あのNASAが本気でワープを研究しています

 

なんと、アメリカ航空宇宙局のNASAが、

ワープ航法を使う宇宙船を2010年から研究しているのをご存知でしょうか?

 

あのNASAがそんな無茶なことを?と思いますよね。

 

もちろん、ワープ航法のというものは現在まだ実証されていませんが、

理論上は物理学法則に反していないとされています。

NASAでは、実現する保証はなくても、

光速以上で宇宙空間を進む「ワープ航法」を使う宇宙船の設計画像を公開しています。

 

光の速度以上の速さは、ニュートリノさえ不可能です。

それでも、人類は光速以上の速さを実現することができるのでしょうか。

 

NASAの物理学者でエンジニアのハロルド・ホワイト氏は、

ジョンソン宇宙センターで、ワープ航法の新技術の研究しています。

 

ホワイト氏は無謀な目標でも、インスピレーションがあれば可能かもしれないとしています。

 

宇宙は137億年前から膨張していて、宇宙モデルによれば、宇宙の初期の段階に

宇宙のインフレーションとして特徴付けられる時がありました。

 

ホワイト氏のチームは今のところ無茶な研究をしているわけではありません。

チームでは光子軌道をそらすことを目指す実験装置を計画しています。

 

特定の空間の中に光子が通る距離を変更して、そこで起きたことを干渉計によって研究します。

この装置は感度が非常に高く 人が歩いている地面の振動すら検出するそうです。

 

そのため、実験室は地下のゴムアイソレーターの機構上にあります。

ホワイト氏はアインシュタインの「光速以上で動く物体はない」

と言う特殊相対性理論の冒涜はしていません。この法則に逆らわず、避けて通ろうとしているのです。

 

アルクビエレ・ドライブとは?

 

この挑戦はすでに、メキシコ人の物理学者、ミゲル・アルクビエレがしていました。

彼は、超高速の可能性について理論を構築しました。

 

彼のこの理論は「アルクビエレ・ドライブ」と言われ、

1994年発表以来それをテーマにした論文が多く発表されており、

物理学の片隅では現在でも議論がなされているテーマです。

 

この理論は、普通の人にとって簡単に理解できるものではありませんが、

簡単に言えば、空間の膨張・収斂についての理論です。

 

宇宙船は局所的に光速を超えることはできないとし、

その代替の推進システムが、「ワープの泡」を生み出して時空間を操作するということです。

 

つまり、宇宙船片側で空間膨張し、反対側では空間収縮をするという方法です。

 

その宇宙船は地球から押し出されて、

時空間そのものによって遠くの恒星に引っ張られるとうことです。

これは動く歩道に乗ることに近いでしょう。

 

まるでSFの世界ですが、理論的には筋が通っているようです。

 

 

まだまだ入り口にも入ってないようです

 

ただし当然、現実の世界で実現することとはまったく別になります。

 

ホワイト氏も、これには障害があることを知っています。

 

物理法則にいくつか反している「エキゾチック物質」が大く必要とされますが、

それについてほとんど研究もありません。

 

歪曲中を航行するエンジンで、推進システムの主要な構成要素であるリング上装置を設計しました。

このデザインは稼働のためのエネルギーを大幅に減少させるでしょう。

 

いずれにせよ、これは実験室で極めて小さな「ワープの泡」をつくる検証を

するための研究にすぎません。

 

「我々は宇宙船を完成させているわけではありません」とホワイト氏は語ります。

 

これはまるで、実験室で小さい核反応を目指した「マンハッタン計画」の実験のようなものです。

実現ができるかどうかを証明するためだけの実験なのです。

 

 

未来は誰にも分かりませんからねえ

 

あのNASAが研究しているというワープ航法についてでした。

ホワイト氏の計画は、現在ではほとんどの人から狂気だと思われています。

しかし何百年後かには、また朗報があるかもしれません。

 

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