先日は日本のJAXAの「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に着陸したというニュースがありました。
今回は、このはやぶさ2のリュウグウへの着陸について、海外の反応などもあわせてご紹介しましょう。
はやぶさ2の前人未到の挑戦!
日本の宇宙航空研究開発機構「JAXA」が2014年に打ち上げた探査機の「はやぶさ2」が、今年2月22日の朝に、地球から3億キロ以上も離れた場所にある小惑星「リュウグウ」に着陸しました。
これは、地球からはるかかなたという場所で、さらに「半径3メートル」という非常に小さい目標に着陸するという、非常に困難なミッションでしたが、予定よりも30分早く着陸信号が地球に送られ、運用チームのは「完璧です」と語りました。たしかに、これだけでの作業を遠隔操作ではなく自律的にしたわけですから、パーフェクトな形ですよね。
運用チームの人は、「誰も行ったことがないことを挑戦し、遠い未来の人類に貢献できるのが幸せで、楽しくてしょうがない」と笑みを見せて語ります。宇宙空間にある半径3m地点への探査機の着陸は、これまで世界のどこの国も成し遂げたことがなく、不可能に近いのだそうです。
リュウグウに着陸する直前の管制室は?
2月22日の朝6時過ぎに、リュウグウの高度500m地点で管制室から「GO」サインが出ました。これ以降は「はやぶさ2」が自律モードによって着陸点を目指しました。
着陸までには4つの関門があって、ここで少しでも予定が狂えば緊急離脱するよう探査機にプログラムを教え込んでいました。この後は、もちろんチームは見守るだけです。探査機から送られてくるのは速度の情報だけで、その情報からチームははやぶさ2の移動・微妙な姿勢の変化を読み取らなければいけません。
自分たちが設計したものに自信はあるものの、こういうことが起きたら大丈夫かという不安が最後まで尽きなかったそうです。それでも探査機は無事に4つの難関ポイントをクリアし、予定よりも早い7時29分に探査機が降下〜上昇に転じたということがデータから判明し、管制室で大きな歓声が沸き起こりました。
はやぶさ2の目的は?
「はやぶさ2」には、名前の通り先代の探査機があります。2003年にJAXAが打ち上げ、2005年に小惑星「イトカワ」に到達した探査機が「はやぶさ」です。
初代はやぶさは「イトカワ」を観測してサンプルを収集、2010年にイトカワの砂を持ち帰り、地球の重力圏外の天体表面のサンプルリターンに世界で初めて成功させた探査機です。はやぶさ2も、リュウグウのサンプルを回収するというのが最大の目的です。
はやぶさ2は2014年に地球から打ち上げられ、昨年2018年の6月に「リュウグウ」上空20キロに着いてからこの天体の観測をしていました。着陸はもちろん機体の安全性からいって岩がないような広く平らな場所がよいのですが、リュウグウの表面はどこも岩だらけという難解な場所でした。
そのため、運用チームは昨年10月だった着陸予定を延ばして、作戦を立て直しました。その結果、岩が比較的に少ない場所を目標にして、ボールを落としてこれを目指し慎重に降りることにしました。着陸は成功し、はやぶさ2は再び上空20キロという定位置に戻りました。
着陸時、小さい弾を表面にぶつけ、砕けて飛んだ石を収集して地球にサンプルとして持ち帰ります。
重さ5グラムという金属でできた弾丸を、秒速300メートルで打ち込みました。弾丸の衝突によって砕けて飛び上がった岩石の破片を、「サンプラーホーン」という採取装置で収集したのです。この石の収集が、このミッションで最大の目的です。
地球に持ち帰った後の分析結果で、太陽系ができた時代の物質があれば、太陽系・生命の誕生についての知見が得られるかもしれません。リュウグウの地表への着陸は今年7月までにまた1、2回行うという予定です。そして今年2019年の年末にリュウグウから出発、地球に帰ってくるのは来年の末ということです。
「はやぶさ2」の海外の反応
世界で初と言う、小惑星に探査機を着陸に成功させた偉業を達成した「はやぶさ2」なので、当然世界からも反応があったようです。はやぶさ2は、「ミネルバ2」によってリュウグウ表面の画像を撮影しました。これに海外のSNSなどで「鳥肌が立った!」というコメントがみられます。
海外では、この画像に驚いている人が多く、
「この世のものとは思えない」
「科学と宇宙の大きな前進」
「クールすぎる!日本人がこんなことをやってるなんて知らなかった」
と大きな賞賛があります。
また、
「ミネルバ2の動いてるところが見てみたい。2台のロボットが仲良く飛び跳ねて最高だろうな」
「小惑星がリュウグウ、探査機がハヤブサ2か。「忍者外伝」のファンかなw」
といった声もありました。
歴史を切り開いた「はやぶさ2」
はやぶさ2のリュウグウへの着陸についてでした。この挑戦は、今後いろいろな星に調査に向かい、それらの場所にきちんと無事に降りられるという技術にもつながります。はやぶさのチームが言うように、まさに「遠い未来の人類に貢献」するようなミッションですね!
これから、星にあるレアな金属を求める「宇宙トレジャーハンター」の時代が来るかもしれません。