宇宙雑学

あれから2年。ブラックホールの撮影成功から判明したこと





ブラックホール wikipedia

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2年前の2019年4月に、人類史上初となるブラックホールの撮影がニュースになり、このサイトでも報告しました。これまで理論上の存在だった、誰も見たことのなかったあのブラックホールが初めて撮影されたわけですから、宇宙ファンなら興奮しましたよね。

 

あれからもう2年経ちますが、今回はあのブラックホールの撮影から判明したことと、科学者が知りたいと思っていることを紹介しましょう。

 




 

ブラックホールについておさらい

ブラックホール wikipedia引用

ブラックホール wikipedia引用

 




 

まず、ブラックホールについておさらいをしてみましょう。ブラックホールというのは、宇宙に存在している非常に高密度の天体で、一度は入ったら最後、あらゆる物質はもちろん、光すら抜け出せないという天体です。

 

ブラックホールは天才物理学者アインシュタインが予想していた天体です。ニュートンは、質量をもった物質間にはお互いに重力で引きっているとし、これを「万有引力」としました。アインシュタインは一般相対性理論で、質量をもつ物体の場所には時空にゆがみができて、このゆがみによって重力の強さが決まるとしました。

 

 

ニュートンの考えでは、質量や密度が増えれば、重力はそれだけ大きくなるということになりますが、アインシュタインの一般相対性理論では時空(重力)のゆがみが無限に大きくなる点ができるとして、これがブラックホールなんですね。

 

 

オレンジの光はなに?

ブラックホール wikipedia

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2019年4月10日、世界13か国からなる国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」が、5500万光年彼方にあるM87という銀河の中心にある超大質量のブラックホールを撮影したことに成功したと発表しました。

 

EHTは、地球上に設置されている8つの電波望遠鏡を同期させて、地球の自転を利用し、直径1万kmにもなる地球規模の電波干渉計を構成しました。これによって、人間の視力300万という解像度となり、超高解像度で天体観測することが可能になりました。ちなみにあのハッブル宇宙望遠鏡は約1500というから、かなりの違いですね。

 

その史上初となるブラックホールの画像、普通の人が見ると「あれ、想像していたのとちょっと違う?」と思うかもしれません。想像していたのと違うと思うのが、黒い球体のまわりにあるオレンジ色の光でしょう。

 

これはなにかというと、ブラックホールは周りのプラズマ状ガスを重力で引き寄せようとしていますが、これはそのときの摩擦によってガスが出す発熱現象です。この画像は、プラズマ状ガスがブラックホールに吸い込まれるとき、ブラックホールの周りをグルグルと回りながら吸い込まれているという構造です。

 

こうしてみると、まるでブラックホールがまとう羽衣のように見えますが、実はアインシュタインも重力理論でこの現象を予測していました。また、普通の人なら当然ながら中心の黒い球体がブラックホールか〜と思うかもしれませんが、事象の地平面はこのさらに内側にあり、画像で見えるのはブラックホールの外側になります。

 

そのため、この黒い球体を関係者ではブラックホールの影、「ブラックホールシャドウ」と呼ぶこともあります。

 

 

ブラックホールの質量が判明

 

今回の撮影によって、このブラックホールの質量が明らかになりました。当然ながら今回の「ブラックホールシャドウ」は本体の質量で決まります。EHTで観測したこの「ブラックホールシャドウ」は、直径で約1000億kmで、M87と地球までの距離が約5500万光年として計算したところ、このブラックホールの質量は太陽の65億倍になるそうです。

 

活動銀河というのは、その膨大なエネルギーを中心部1%程の領域から出していて、そのエネルギー源について論争が続いていましたが、今回の撮影で、そのエネルギーの駆動源が、銀河の中心にある巨大なブラックホールにあったことを明確に示しました。

 

 

ブラックホールがなにかを吐き出している?

 

ただ、今回の撮影で関係者が期待していたものは写っていませんでした。それは「ジェット」というものです。ブラックホールといえば「なんでも吸い込む」という、まるで「星の〇ービィ」みたいな存在として有名ですが、実はなんと、高エネルギーガスを光速で放出しているのです!

 

それが「ジェット」なんですが、これは普通の人には初耳ですよね。このジェットはブラックホールを撮影するより難しいとされています。ブラックホールはほとんどすべての銀河の中心にあるとされていますが、進化の中で、ジェットによって星間ガスが圧縮or加熱されたりして、星の形成に関係していると考えられています。

 

そのため、ジェットが噴出する条件が判明することで、どのようにブラックホールと銀河が成長したのかを理解するヒントになるとされています。

 

 

同時期に天文学界の総力を挙げた観測があった

 

しかし、このブラックホールをEHTが撮影したのが2017年4月ですが、実は同じ時期にさらに多くの19の望遠鏡が、天文学史上最大規模の合同観測でM87のブラックホールを観測していました。地球の望遠鏡に加えて宇宙のハッブル宇宙望遠鏡・エックス線望遠鏡チャンドラ等の望遠鏡も観測に参加し、電波・可視光・紫外線・X線・ガンマ線という電磁波でM87を同時観測しました。

 

まさに総力を挙げてという感じですね。これにより、ついにM87から放出されているジェットが観測されました。このときのジェットは、穏やかな川の流れのような状態で、もしも活発な時期の観測ができればさらに手がかりを得られていたそうです。

 

また、このジェットから出ている電磁波でガンマ線はある程度離れた場所から出ていたということがわかりました。ガンマ線のような非常に高エネルギーの電磁波がどうやってできたのかというのが天文学の大問題の一つのため、今後も観測が重要になるでしょう。

 

 

ブラックホールの尽きない謎

 

史上初のブラックホール撮影と、そこから判明したことについてでした。写っていた画像のオレンジ色の光が謎という人もいたでしょうが、あれは周回しながら吸い込まれていくプラズマ状ガスの発熱だったんですね。また、ブラックホールが高エネルギーを放出していたということも、普通の人は驚いたのではないでしょうか?

 

現在も、ブラックホールの謎を解き明かすため、世界中の研究者たちがタッグを組んでプロジェクトに取り組んでいます。

 

関連記事:史上初、ブラックホール撮影成功!どうやって撮影できたの?

関連記事:連星系「HR 6819」で見つかったブラックホールはこれまで一番地球に近い

関連記事:ブラックホールに落ちたら人間はどうなるの?宇宙雑学を分かりやすく解説

 

 

 




 

nabex

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気になる宇宙分野:宇宙全般ですが、特に太陽系外の宇宙に興味があります。

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