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土星の衛星「エンケラドゥス」には、生命がいるかもしれない!?

2021年11月8日

衛星エンケラドゥス wiki

衛星エンケラドゥス / wikipedia

 

「エンケラドゥス」は、土星の第2衛星です。エンケラドゥスの画像を見ると、白くてとても印象的です。また、この衛星は、生命体が存在する可能性がもっともある太陽系の星のひとつとされています。

 

今回はこのエンケラドゥスに生命が存在している可能性について紹介してみましょう。

 

 

無人土星探査機「カッシーニ」が詳細を探査

エンケラダスの地表にできた氷の割れ目 探査機カッシーニ撮影 wiki

エンケラダスの地表にできた氷の割れ目 探査機カッシーニ撮影 wikipedia

 

エンケラドゥスは、輪っかで有名なあの土星の第2衛星です。エンケラドスで一番特徴的なのが「外観」です。太陽系の中では最も白い星と言われています。画像を見ると非常に美しいですね。なぜ白いのか?というと、表面が真っ白い氷で覆われていて、これが太陽光を反射することでとても白く見えるのです。

 

この星はこれまで、不毛なただの衛星と考えられきました。しかし、2005年に探査機「カッシーニ」が探査を行い、詳細なエンケラドゥスのデータが得られると、その評価が変わります。カッシーニはエンケラドゥスに水蒸気を発見、地下には水が存在している可能性を示しました。

 

その惑星に生命が生存しているかどうかは、「水があるかないか」ということは多くの人が知っているでしょう。2015年3月にはカッシーニが見つけた微粒子に岩石・熱水の反応によりできるという微粒子「ナノシリカ」を確認しました。これによって、エンケラドゥスは熱源を持っていることも判明しました。

 

 

生命に必要な成分がすべてそろっている!

エンケラダスから噴き出している巨大なプリューム(間欠泉) 探査機カッシーニ撮影(出典:wikipedia)

エンケラダスから噴き出している巨大なプリューム(間欠泉) 探査機カッシーニ撮影(出典:wikipedia)

 

さらに、最近の研究では、エンケラドゥスから見つかった氷の中に窒素と酸素が含まれたアミノ酸に似た分子「アミン」という有機化合物が発見されたそうです。生命に必要な成分は、詳しく言うと水以外にも「有機物」「熱源」がいるわけですが、エンケラドゥスはこれらすべてがそろっているということになりますね!

 

地球でも海洋の深部で火山熱の力によって生命ができたように、エンケラドゥスの深海でも生命が誕生する可能性があるかもしれませんね。

 

 

エンケラドゥスのメタンは生命が作った可能性も!

 

また、エンケラドゥスの内部海から噴き出す水柱または間欠泉からは、水素分子と二酸化炭素、メタンが検出されました。この中で研究グループが注目したのが、量が多いというメタンです。地球では海底の熱水活動によってできるるメタンのほとんどが微生物が作っていて、非生物的プロセスでは長い時間が必要です。

 

研究グループは地球の海底の熱水活動における非生物的メタン生成プロセスだと、この観測データを十分に解釈できませんでした。しかし、微生物での生物的生成プロセスなら、観測データの量のメタンを作れる可能性が示されたそうです!

 

ウィーン大学で単細胞微生物を研究しているジーモン・リットマンのチームが、エンケラドゥスの生命について探求をしています。その論文では、地球のある種の微生物は、エンケラドゥスのような環境でも生きられるとしています。

 

 

 

 

その生命は「M.okinawensis(メタノサーモコッカス・ オキナウェンシス)」のような生き物です。M.okinawensisはメタノコックス綱に属している、メタンを生成する古細菌です。古細菌というのは真正細菌や真核生物ではない生物で、メタンを生成する古細菌は水素と炭酸ガスによってメタンを作ります。画像を見ると、アメーバみたいな感じですね。たしかに、それっぽいというか、宇宙にこんな生物がいても違和感がないかもしれません(笑)

 

しかし、これとは違う説を持つ研究者もいます。アメリカのサウスウェスト研究所のハンター・ウェイト氏は、地球とは違う方法で資源を使う方法を持っているかもしれないとし、そこに住む生命体はおそらく地球の微生物のようなものではなく、DNAベースの生物でもないかもしれないと考えています。

 

 

メタンがカギになるかも

エンケラドゥス (衛星)  引用 wikipedia

エンケラドゥス (衛星) 引用 wikipedia

 

土星の第2衛星エンケラドゥスは「太陽系で最も白い星」ということなんですが、画像で見ると美しいですね。地球とすこし似ていると思ったのは自分だけでしょうか。地球に似ているという点については、この星は太陽系の中で生命がいるかもしれない可能性が高い星の一つで、カッシーニの探査によって内部の詳細が徐々に明らかになっています。

 

結果、この星には生命に必要な成分のすべてが揃っているというから興奮ものですね。また、検出されたメタンが生物が関係していないとできない量であるということなど、かなり有力なデータがあるので「これはもしかして!?」という感じですね。人間が宇宙の探査を続け、いつの日か地球外に存在している生命体が発見されるかしれないと思うとわくわくしますね。

 

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