このほど、ロシアの科学者たちが「Uakit(ウアキット)」という、
宇宙から生まれたという謎の鉱物を発見しました。
この「Uakit(ウアキット)」、いったいどんなものなんでしょうか。
ロシアで発見された隕石の中にUakit(ウアキット)
先日、ロシアの科学者たちがロシアの東部、Uakit(ウアキット)という都市で隕石を発見し、
その中に未知の鉱物を発見しました。
この鉱物は発見した都市の名前から「Uakit(ウアキット)」という名前になり、
人間が今まで確認した4000以上の鉱物一覧に加わることになりました。
「Uakit」は正体不明の鉱物で、
宇宙の非常に高い温度の下で誕生したのではとされています。
隕石って、ほんとは恐ろしいんです
Uakit(ウアキット)が見つかった「隕石」という物質は、
宇宙空間の固体物質が惑星表面に落ちてきたものです。
「惑星」ですので、地球だけでなくたとえば火星に落ちたものでも隕石なんですね。
これまで隕石として発見されたもののなかで、
それが落下しているところが確認されたのはだいたい45%くらいとされています。
ということは、ほぼ半分ということになりますね。
南極で、日本を含めた世界の南極観測隊は、
1985年までに7500個という隕石を見つけています。
隕石カタログ「Catalogue of Meteorites」というものがあり、
ここには南極隕石の17,808個を含めた、22,507個という隕石が載っています。
内訳ではこのうち95.6%が石質隕石、3.8%が鉄隕石、0.5%が石鉄隕石となっています。
放射性同位体を使った測定で、ほとんどの隕石は今から約45億年前にできて、
太陽系初期に惑星が誕生した時の始原的物質だろうと考えられています。
「流れ星!」なんていうと、「見たときに願い事をするとそれが叶う」
といったロマンチックなイメージがありますが、
実は一歩間違えれば人間にとってとんでもない被害になることがあります。
たとえば比較的最近起きた有名なものでは、
2013年2月15日にロシア連邦のチェリャビンスク州に隕石が落ちて1,491人が負傷し、
4,474棟という建物が損壊した時間がありました。
はるか昔、6550万年前の中生代〜新生代の境目では、恐竜たちが大量に絶滅していますが、
このときメキシコ・ユカタン半島近くに直径が約10kという巨大な隕石が落下したとされており、
この隕石の落下が恐竜の大量絶滅のきっかけになったとされているのです。
巨大隕石が地球に激突したとき、生き残ることが出来る生物は60%で、
その後の気候変動によって38%が死滅するというデータがあります。
Uakit(ウアキット)の正体
Uakitは2016年に隕石で見つかりました。
最初は、鉄+ニッケルの「Kamacite(カマサイト)」ではないかとされていましたが、
詳しい調査によってこれまで知られていない鉱物がそこに含まれていることが判明し、
年に1度モスクワで開催されている鉱物学会に発表されました。
隕石はその98%が「Kamacite」によって構成されていましたが、
電子顕微鏡で調べた結果、未知の「Uakitite」が含まれているとわかりました。
「Uakitite」は1000℃以上という高温の下、鉄分が大量に含まれた金属に、
鉄分・クロミウムを大く含んだ硫化物の液体が分離していく途中で生まれたと考えられています。
今回見つかった「Uakitite」は、直径5マイクロメートルという微量であり、
これは人間の髪の毛よりも3分の1以下という大きさです。
非常に小さい物質のため、現在の地質学者たちは性質を特定できません。
ニュースサイトのひとつでは、
「Uakititeはダイヤモンドより硬い」という記事を掲載しましたが、研究班は否定しています。
鉱物の硬さを表す「モース硬度」で、このUakititeは9から10とされていて、
ダイヤモンドは10。地球で一番硬い鉱物として有名となっています。
ダイヤモンドよりも硬い物質もあるかも
ロシアの科学者チームが隕石から発見したという
未知の鉱物「Uakit(ウアキット)」についてでした。
このように、まだまだ宇宙にはたくさんの未知の鉱物があることが考えられますね。
そのうち、地球上で最も硬いというダイヤモンドより硬い鉱物も見つかるのかもしれません。