宇宙雑学

民間人による宇宙旅行の値段は?

2018年12月6日

ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる、TESSを搭載したファルコン9ロケット wikipedia

ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる、TESSを搭載したファルコン9ロケット wikipedia

 

一昔はまるで夢物語だった宇宙旅行も、最近ではかなり実現可能な状態に近づきつつあるようです。

先日も日本人の大富豪、前澤友作氏がスペースXのロケットで月旅行に行くと発表があって話題になりましたね。

 

では、現在の民間人の宇宙旅行にかかる費用はどれほどになるのでしょうか?

 

宇宙旅行の概要

宇宙 星空 f

 

宇宙旅行とは、国や公的組織の宇宙開発ではなく、民間人が観光などの個人的な目的のために宇宙に行くことをいいます。

 

ちょっと前までならそんなことは到底不可能とされていましたが、最近では正式な宇宙飛行士ではない民間人でも、もちろん大変な費用がかかりますが短い間なら宇宙へ行くことができるようになりつつあります。

 

宇宙旅行といえばSFではおなじみのテーマになっています。

 

1865年の有名なSF作家ジュール・ヴェルヌの作品名は「De la Terre a la Lune」ですが、このタイトルは日本語訳で「月世界旅行」であり、以来多くのSF作品において宇宙旅行について書かれてきました。

 

世界初の有人宇宙飛行はもちろん1961年のソ連のガガーリンですが、これはもちろん国による宇宙開発のひとつでした。

民間人の有人宇宙飛行としては、2001年にアメリカの大富豪がソ連の「ソユーズ」に乗って初めて実現しました。

 

民間人が全額を自己負担することで宇宙に行った世界初の人間は、アメリカの大富豪、デニス・チトー氏です。

 

同氏は国際宇宙ステーション に人員・物資を届けるソ連のソユーズという宇宙船でロシアのバイコヌール宇宙基地から地球から宇宙へ向かい、2001年の4月28日〜5月6日まで国際宇宙ステーションに滞在しました。

 

それに続いて、2002年に南アフリカの実業家であるマーク・シャトルワース氏が宇宙旅行を行いました。

ただ、コロンビア号の事故もあり、2000年代でも宇宙開発はリスクが伴い、民間人が気軽に宇宙旅行ができるとまでは言えませんでした。

 

当時のロシアは、経済事情で民間の企業にソユーズを利用させて打ち上げの資金を得ていて、

宇宙旅行に消極的なNASAもソユーズに国際宇宙ステーションへの物資輸送を頼っていたという、このような宇宙開発の状況が宇宙旅行を成功させたという側面もあります。

 

現在の2010年代では、民間企業が海外旅行のように民間人を宇宙へ滞在〜帰還させることを目指してしのぎを削っています。

 

実在する民間人宇宙旅行の莫大な値段

お金 f

 

宇宙旅行ができるとして、気になるのがやはり値段ですね。

現在、宇宙へただの民間人が行くには、もちろん莫大な値段がかかります。

 

現在、宇宙旅行を実施している企業5つの宇宙旅行の値段を紹介してみましょう。

 

ワールド・ビュー・エンタープライズ社はアメリカのアリゾナ州に本社を置く企業ですが、

ヘリウムガスの風力発電装置を使ったスペース・カプセルによって「大気圏の端」まで行くという宇宙旅行を取り扱っています。

 

4時間から6時間の旅行で、事前のトレーニングは不要、75,000ドル、日本円で約835万円という費用がかかります。

XCor エアロスペース社ははアメリカのテキサス州に本社がある企業です。

 

この会社が、ロケットエンジンを積んだXCor Lynx Mark II によって地球から約100km

離れた宇宙に飛んで、6分間だけ無重力を経験してもらうツアーを発表しています。この費用は150,000ドル、約1,672 万円というものになります。

 

スペース・アドベンチャーズ社はアメリカバージニア州にある企業で、これまでに8人が体験した宇宙旅行があります。

 

2日間かけて地球から約400km離れた国際宇宙ステーションに1週間半滞在できるという本格的なもので、その費用はなんと50 million、日本円で約55億7千万円というからおどろきですね!

 

ヴァージン・ギャラクティック社はヴァージンレコードでおなじみのリチャード・ブランソン氏が創設した宇宙旅行会社で、ニューメキシコ州に本社を置く企業です。

 

この会社は、母艦の「White Knight Two」から「Space Ship Two」を切り離して、地上約109kmの地点に行って買えるというツアーを企画し、年間500人という観光客を送る予定としています。費用は250,000ドル、日本円で約2,786万円となっています。

 

このほかにも、宇宙開発ではおなじみのスペースX社がこのたび、月の表面を通る1週間の宇宙旅行を企画しました。この費用は未公開とされています。

 

 

いつかは海外旅行のように行ける日も!?

 

民間人の宇宙旅行の値段についてでした。

 

こうしてみると、やはりとんでもない金額がかかりますね!

55億って、どういう値段なんでしょう(笑)

 

それでも行った人がいるというから、世の中にはすごいお金持ちがいるんですねえ。

現在はやはり一部の大富豪だけができるようですが、今後は宇宙旅行の値段も下がっていくでしょう。

 

いつかは本当に海外旅行のように行ける日がくるかもしれません。

 

参考出典:

How Much Each Company Will Charge to Take You to Space

 

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