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今年2020年、国際宇宙ステーションが商業利用を開始!

2020年4月20日

国際宇宙ステーション wikipedia

国際宇宙ステーション wikipedia

 

前回は宇宙ビジネスについて紹介しましたが、民間の「宇宙旅行」もついに実現に向けた段階に入るようです。NASAは今年中にも、ついに「国際宇宙ステーション」の商業利用をスタートする予定です。あの国際宇宙ステーションを民間の企業に開放し、そこを民間人が使えるとして、滞在の費用は1泊で約390万円だそうです。みなさんはこの値段を、高いと思うでしょうか、安いと思うでしょうか?

 

国際宇宙ステーションでビジネスが可能に

 

国際宇宙ステーション[ISS]とは、アメリカ・ロシア・日本・カナダ・欧州宇宙機関が共同運用している、地球や宇宙の観測、宇宙という環境での研究・実験を目的として使われている有人施設です。

 

そのため、これまでは民間企業が商業目的で利用することはありませんでした。なんらかの商品を送りたい民間の企業は、教育的要素や技術的なデモンストレーションがある等の条件があり、純粋なビジネスとしては宇宙ステーションが使えず、宇宙飛行士たちは商業利益がある作業はできませんでした。

 

しかし、最近になってここに新しい動きが出てきました。「2020年の宇宙飛行は新時代を迎える」と、昨年12月にNASAのブライデンスタイン長官は語りました。同氏はさらに、2020年にNASAが初めて国際宇宙ステーションの商業利用を開始すると続けました。

 

ご存知のとおり、これまで長らく宇宙開発をリードしてきたNASAは、これからは次世代宇宙開発を民間の企業に開いていく方向を示しています。NASAが新しく発した暫定的指令では、民間の企業が国際宇宙ステーションを商業利用することについての許可を出したそうです。

 

このことにより、民間の企業は自社の製品のマーケティング・実験で国際宇宙ステーションを使えたり、 NASAに所属している宇宙飛行士が民間の企業からの仕事をすることもできるようになりました。

 

ISSを民間企業が利用できるようになった背景は?

国際宇宙ステーションの記章 wikipedia

国際宇宙ステーションの記章 wikipedia

 

では、なぜ今回このような許可がなされたのでしょうか。すこし想像すれば理解できるかもしれませんが、国際宇宙ステーションを運営していくには膨大な費用が必要で、年間運営費用は約30億〜40億ドル(日本円で約3300億〜4400億円)という額になります。

 

2010年までの同施設の支出は、

アメリカ・6兆4400億円(585億ドル)

日本・7100億円

欧州・4600億円(35億ユーロ)

カナダ・1400億円(17億カナダドル)

 

と、やはりアメリカがずば抜けて多くなっていました。2018年にアメリカのトランプ大統領が国際宇宙ステーションの資金提供を2025年で終了させると語ったというニュースがありました。

 

また、2011年に完成した国際宇宙ステーションは当初は2016年までの運用予定でしたが、アメリカを含めた多くの国で少なくても2024年まで運用を続ける方針で、運用終了までに1540億USドルという費用が見積もられていたり、NASAは月面に宇宙飛行士を送る「アルテミス計画」といった、野心的プロジェクトに力を入れる予定もあるため、国際宇宙ステーションの管理・利用は最終的に民間の企業にさせたいという意向のようです。

 

国際宇宙ステーションの運営費用も、輸送手段であるロケット開発も、費用がかかりすぎるのがNASAの頭痛のタネだったんですね。そこで、ビジネスの競争原理が強い民間企業にこれを任せようという発想になっているのです。国際宇宙ステーションが商業の利用が可能になることで、企業・個人が国際宇宙ステーションを目的地とすることで、収益・ビジネスモデルが生まれるとNASAは考えているそうです。

 

しかし、現在、国際宇宙ステーションの商業的な利用では多くの制限があります。

 

国際宇宙ステーションが商業利用可能なリソースは全体の5%になるそうで、商業貨物は年間175kgまでとなり、NASAに所属する宇宙飛行士が商業的な活動ができるのも年間90時間までという制限があります。

 

国際宇宙ステーションに民間宇宙飛行士が滞在できるのは年に2回、30日間で、交通手段はスペースX・ボーイングが開発している宇宙船だけになるようです。

 

 

民間がISSを利用するときの費用

 

では、民間で国際宇宙ステーションを利用するといくら費用がかかるのかが気になるところですね。国際宇宙ステーション・ISSにある生命維持システム、食料・医療用品等の利用、光熱費やトイレなどを含めて、1日あたりの費用は約3万5000ドル(日本円で約390万円)になるそうです。

 

さらに、ロケット打ち上げ等にかかる移動費は5000万ドル(日本円で約55億円)以上になるようです。すでに国際宇宙ステーションの商業利用を計画している企業も出ています。ベンチャー企業の「ビゲロー・エアロスペース」は宇宙ステーションの部品製作を手がけていますが、すでに4回の国際宇宙ステーション利用権を予約したそうです。この発表は、国際宇宙ステーションのビジネス化のスタートラインに過ぎず、NASAではこれからもこの方針を進めていく予定のようです。

 

 

宇宙ビジネスが加速するかも

 

あの国際宇宙ステーションが民間企業の商業利用をスタートさせるというニュースについてでした。これまでは国の研究がメインだったISSが、ついに一部商業利用されるんですねえ。将来的には民間に運営を任せる方針だそうで、いよいよ宇宙ビジネスがスタートしそうですね。

 

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