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ローソンの定番食品「からあげクン」が野口聡一氏と共にクルードラゴンで宇宙へ

2020年12月1日

ISSに接続するドラゴン2 wikipedia

ISSに接続するドラゴン2 wikipedia

 

先日、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんやNASAの宇宙飛行士3名を乗せたスペースXの「クルードラゴン」が宇宙に打ち上げられ、無事に国際宇宙ステーションにドッキングしたというニュースがありましたが、このなかに意外なものが搭載されていたことをご存じでしょうか?

 

それは、なんとあのローソンの定番食品「からあげクン」!

いったいどのようないきさつで、あの「からあげクン」が今回のクルードラゴンに搭載されることになったのでしょうか。

 

クルードラゴンが打ち上げに成功

ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる、TESSを搭載したファルコン9ロケット wikipedia

ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる、TESSを搭載したファルコン9ロケット wikipedia

 

日本時間11月16日、アメリカの民間企業スペースXの宇宙船「クルードラゴン」が、同社のロケット「ファルコン9」によってフロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられました。この宇宙船には4人の宇宙飛行士が搭乗していて、そのなかには日本人の野口聡一さんも含まれているため、日本でもニュースとして取り上げられました。

 

スペースXといえばアメリカの民間企業であり、国ではなく1民間企業が国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を送ったということで、これは画期的なミッションとなりました。

 

地球上を周回する国際宇宙ステーション f

 

日本時間11月17日、クルードラゴンは無事に国際宇宙ステーションにドッキング。野口宇宙飛行士は、ほかの3名と長期滞在クルーとしてこの国際宇宙ステーションに約6か月滞在する予定です。

 

あの「からあげクン」が宇宙に!

チキンナゲット f

 

ところで、人間が宇宙で生活するときに欠かせないのが食料ですね。宇宙食については以前このサイトでも紹介しましたが、今回、このクルードラゴンに搭載された宇宙食の中にあのローソンの「からあげクン」が入っていたというのです!

 

これはおどろきですね。

 

「からあげクン」とは、大手コンビニのローソンのレジ前で販売されている、人気商品です。1986年4月15日に発売が開始されて、なんと現在では年間1億3000万食以上も売れているという、ローソンの主力的な商品なんですね。コンビニというのはたいていどこも商品的に変わらないものが多いものですが、この「からあげクン」だけはローソンのオリジナルですね!

 

216円で5個入り。自分もこないだ食べたばかりです(笑)

 

揚げたてが一番なんですが、カリカリになるまで温めなおすとおいしいくなります。種類は、これまでかなりのものが発売されていて、地域限定等をあわせれば100種以上で、ローソンスタッフでも正確には把握していないとか。公式キャラクターは実はニワトリではなく、レギュラーは「レギュラーくん」といった名前がある「妖精」なんだそうです。

 

 

「からあげクン」が宇宙食になったいきさつ

宇宙食 f

 

今回宇宙食になったローソンの「からあげクン」は、「スペースからあげクン」という名前になりました(笑)宇宙食の「スペースからあげクン」は、「からあげクン」の味を再現してフリーズドライ化したもので、開けてすぐに食べられるようになっています。このプロジェクトがローソン社内に発足したのは2017年の2月でした。

 

ある社員が宇宙飛行士の話を聞いて、ローソンの商品を宇宙食にしたいと考えたんだそうです。翌3月には、茨城県のつくば市にある筑波宇宙センターを訪問し、担当者から「宇宙日本食」の説明を受けました。「宇宙日本食」は、JAXAが宇宙食の基準を満たしていると認めた食品のことで、国際宇宙ステーションに長期間滞在する日本人の宇宙飛行士に、慣れ親しんだ日本食を楽しんでもらって、ストレスを和らげもらいたいという意図があるそうです。

 

ただ、宇宙日本食は日本人だけでなく、海外の宇宙飛行士にも人気らしいですね。JAXAの意見等も踏まえて、宇宙でも肉を食べたいという宇宙飛行士の要望もあり、ローソンでは「からあげクン」を宇宙食にすることに!

 

その後、多くのテストをクリアして「スペースからあげクン」が誕生し、今回宇宙食として搭載されました。国際色がある国際宇宙ステーションで野口さんのような日本人だけでなく、外国の宇宙飛行士にも「からあげクン」を楽しんでもらうという狙いもあるそうです。

 

ローソンでは、「今後、月や火星に行けるようになった時にも、「からあげクン」を食べられるようにしたい」とコメントしています。

 

 

宇宙食としての配慮しているスペースからあげクン

 

「スペースからあげクン」と通常の「からあげクン」との違いはサイズです。「スペースからあげクン」を食べる場所は無重力状態の空間のため、食べたときに細かい粉が飛んで機械を故障させないようにと、大きさは通常の半分程度の一口サイズになっています。

 

ちなみに、宇宙日本食にはほかにも、江崎グリコ「SPACEビスコ」、日清食品ホールディングス「日清スペースチキンラーメン」、亀田製菓「亀田の柿の種(宇宙食)」、マルハニチロ「サバの味噌煮」等もあります。

 

 

なじみの「からあげクン」でストレスを緩和

宇宙飛行士 f

 

ローソンの人気商品「からあげクン」が、クルードラゴンの宇宙食となって搭載されたというお話でした。あの「からあげクン」が宇宙に、ということで、面白い話でしたね。機械を故障させないように一口サイズにするなどの工夫がされているのも注目。

 

やはり宇宙食はいろいろと考えられていますね。

 

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