私たちの住んでいる地球は、「水の惑星」と呼ばれることがありますね。
もちろん、地球の表面の大部分は海であり、陸地はそのなかのほんのわずかだからです。
しかし、この地球の水には多くの謎があると言われています。
ここでその謎と現在判明した事実について迫ってみましょう。
地球の内部の水は海水の約5000倍!
地球の表面の大部分が海で覆われているのですが、
意外なことに海水の量というのは質量で地球全体のなんと約0.023%というかなり少ない量なのです。
これは意外な事実ですよね。
ただ、この水が我々を含めた生命を誕生させました。
プレートテクにクスという、固い岩盤であるプレートが海嶺という場所でできて、
深い海溝で地球の深部に戻るといった地質活動も、
水があるために起こるとされています。
これまでにたくさんの科学者が、地球の水の起源、
海水以外の水の分布、循環方法について研究してきました。
このようなことがわかれば、地球とほかの惑星の違いを明確にできるからです。
地球の水では、海水の安定方法も問題となりますが、内部にある水も
重要で、地球の内側にある水はなんと海水の5000倍ほどになるのだそうです。
地球の内部は長年の研究により、
深部にある物質が多くの水を蓄えられるということが判明されました。
地球の内部にある水の分布についても推定することが可能となり、その結果として
海よりも多くの水があることが判明し、
さらに、そこで水がどのように循環しているのという点についても、
だいぶ解明されてきています。
地表の海水も、地球の深部の水が循環することと深い関係があるということです。
最近では太陽系外惑星がたくさん発見されていますが、
その中には地球と同じように少しの水があり、生命が誕生できる惑星も存在するかもしれません。
地球の水の謎が解ければ、地球のような惑星がどのような条件でできるのかが理解できるはずです。
地球に海をもたらしたのは小惑星?
地球には他の星と比べて早い段階から水が存在していたとされていることです。
地球の水の謎とは、その起源、どうやって当時の地球の地表に水が存在できたかということです。
一般人からいえば地球の水は「あって当たり前」と考えるのかもしれませんが、
地球の水の謎について学者たちが議論してきました。
これまでは彗星が海をもたらしたという説もありましたが、
最近、この謎のついての新しいニュースがありました。
彗星探査機「ロゼッタ」の観測チームが、
地球に海をもたらしたのは小惑星の可能性が高いと発表しました。
地球の海水はどのようにしてできたのか?
約38億年もの昔に地球に大量の彗星が飛来した際に水がもたらされたかという、
長年の謎に迫り、どうやらその可能性は低いという研究結果になりました。
チームを率いたスイスのベルン大学のキャスリン・アルウェッグ氏は、
地表にある水は小惑星によってもたらされた可能性が高いと語っています。
論文では、ロゼッタは現在、太陽から4億1800万キロ以上の位置にある、
直径4.1キロのチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回しているそうです。
彗星は「氷」と「塵」の塊で、宇宙空間を飛びながら太陽の近くもときおり通過しています。
太陽系が約46億年前に誕生して、彗星・小惑星は8億年の間衝突を繰り返してきました。
それは地球・月・ほかの惑星に飛来して最期を迎えましたが、
この出来事が起きた間を「後期重爆撃期」と言います。
初期の地球にも間違いなく彗星が突入していたそうです。
このため、惑星の科学者たちはこれまで、
宇宙の氷山のような彗星こそが地球に海の水を与えたのではないかと考えてきました。
科学者たちが海ができたことを宇宙に求めるのは、
地球が球体になったときに地表の水はすべて蒸発するほどのマグマだった可能性が高いからです。
最近、地球に水をもたらしたのが彗星であるという説の後押しとなる発見がありました。
欧州宇宙機関のハーシェル宇宙望遠鏡が「ハートレー第2彗星」に、
地球の氷と化学的な構造がよく似た氷を見つけました。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星と同じくハートレー第2彗星は、
海王星軌道のすぐ外側の「エッジワース・カイパーベルト」が起源とされています。
しかし、今回の研究はその仮説を否定するものでした。
アルウェッグ氏は、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の23キロ上空を周回している
「ロゼッタ」に搭載された分光計を指揮していますが、
チームではこの分光計を使って、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の表面の氷に含まれている重水素を測定したところ、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の氷に含まれている
重い水の比率が地球の海よりも3倍ほど大きかったデータが出ました。
これにより、カイパーベルト起源の彗星が
地球に水をもたらしたという可能性が消えたと、同氏は考えます。
地球とカイパーベルトの彗星では、
重い水の比率が違う可能性があるためにアルウェッグ氏は、
地球の海水は小惑星が衝突したことによってもたらされたのではという新しい説を話しています。
小惑星は小さい岩石の天体であり、その多くが火星〜木星の間で観測されています。
アルウェッグ氏は、初期の太陽では今ほど高温でなく、小惑星も水が凍ったままでいられたといいます。
初期の太陽系は太陽から最も遠くて、
最も冷たい場所の彗星が集まる所で重水素ができたと考えられており、
小惑星上の氷は重水素比率が非常に小さい可能性が高いからです。
地球の水の量がわかる一枚の面白い写真
表面が海で覆われていて、「水の惑星」という名前で呼ばれることもある地球なのですが、
その海水の質量は地球全体でいえばなんと約0.023%というほどの量ということは、
ほとんどの人が想像していなかった数字ではないでしょうか?
このたび、その水の量がパっとわかってしまうような一枚の画像をアメリカ地質調査所が
公開しています。
この画像を見てください。これはかなりおどろきですよね。
画像には水色の球体が3つありますが、このなかで最も大きなものが地球上の全水量です。
地球の表面はおよそ71%が水で覆われていますが、それを1つの場所に集めると
直径1,380kmくらいの球となってしまいます。
2番目の水球は、氷河・地下水等の量であり、直径273kmほどです。
3番目の一番小さい水球は、すぐに飲める淡水の球体で直径が約56km。
このため、水がいかに貴重であるかがさらに明確となって、
飲むことができる水の量を具体的に考えさせられると話題になっています。
地球の水はその96.5%が海であり、そのなかで人間が飲める水は2.5%とされています。
2015年の12月にNASAとアメリカ国立科学財団の湖の調査では、
人工衛星から集められた25年以上の気温データ、235の湖の測定から、
湖の温度が10年ごとで平均0.34℃ほど上昇していることが明らかになりました。
水温が変化すると生態系やに決定的な影響を与えます。
気温の急速で大きな変化が、湖沼の生物を変化させ、絶滅に至ることもあります。
世界では今、11億人が水不足に苦しみ、27億もの人が年に1度は水を使うことに問題を抱えています。
2025年までには世界人口における3分の2が水不足を経験するとされており、
このままの状態が続けば2050年までには世界の穀物生産の50%と、
総GDPの45%が危険になるそうです。
地球の水を大事にしましょう
地球の水についてでした。「水の惑星」と呼ばれていても、
どこからその水が生まれたのかが謎とされているんですね。
最近では人口増加などで水不足の問題もあります。
この機会に、我々を含めた生物が誕生する場所にもなった地球の水について、
もっと考えてみたいですね。