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人工衛星の役割は何?衛星放送やGPS機能の最新情報

2017年10月31日

 

「衛星」とは、惑星や準惑星の周りを公転している天体のことをいいます。

ここから、主に地球の軌道上に人工的に作られた構造物の事を「人工衛星」といいます。

人工衛星というのはご存知のように、

衛星放送やカーナビなどのGPSとかでさまざまな用途として使われていますね。

 

ということで、我々にとっては膨大な広さがあって把握が難しい宇宙においても、

かなり身近な存在なのではないでしょうか。

今回はそんな人工衛星についてご紹介してみます。

(画像引用元:人工衛星 JAXA)

 

さまざまな用途として使われている人工衛星

 

人工衛星とは、主に地球の周辺に人工的に作られた天体(構造物)です。

みなさんは、人工衛星の打ち上げ方についてはご存知でしょうか?

 

人工衛星は、地球からロケットを打ち上げ、

第一宇宙速度(28,400 km/h)という速度に加速すると、

地球の重力とそれから出ようとする遠心力によって相殺されて、それは地球の軌道周回を回り続けます。

 

人工衛星は現在、さまざまな用途として使用されています。

それらについてみていきましょう。

 

「軍事衛星」はキラー衛星とも呼ばれる、

人口衛星の中でこれまでに一番多く打ちあがった衛星で、

「衛星攻撃兵器」とは敵の衛星を攻撃する兵器で、粒子ビーム兵器などを使って攻撃します。

 

「偵察衛星」とはスパイ衛星とも呼ばれる、政府が軍事目的に情報を偵察する衛星です。

これらの性能はほとんどのものが明らかになっていません。

 

「通信衛星」とはもうみなさんもおなじみの、電気通信を目的とした衛星です。

このなかに放送衛星も含まれており、地上の放送局より発信した電波を、

各家庭のアンテナに届けている衛星です。

 

「科学衛星」とは、

宇宙空間に存在しているあらゆる天体・宇宙船・電離層のようなものを調べるための衛星です。

 

「地球観測衛星」というのは、おなじみの気象衛星なども含まれている、

非軍事的に地球を観測することが目的の衛星です。

 

「航行衛星 」とは、GPS衛星とも言われている、携帯型受信機が現在地を調べられる

信号を送っている衛星です。

 

日本版のGPS衛星「みちびき」も、近頃打ち上げられています。

 

実はこのほかにも、

有人宇宙船・宇宙ステーション・スペースシャトルも人工衛星に含まれているのです。

 

将来的な構想として考えられているものには、

軌道上で太陽光発電をしてその電力をマイクロ波等で地上に送るという「太陽光発電衛星」や、

2020年を目途にして日本のJAXAが開発しているという、

スペースデブリを除去するための「掃除衛星」などがあります。

 

人工衛星はどのようにしてできている!?

 

人工衛星は、電力や姿勢制御、通信などのベースとなる機能である「バス機器」と、

各自の衛星が持つ目的のための「ミッション機器」からできています。

 

バス機器は、動作の状況を地上に送信したり電源のオンオフやモード切替をする機器の「TTC系」、

太陽電池やバッテリーなどによる「電源系」、

重力場のひずみや月の引力等の微力な力で姿勢が動くことを制御する

「姿勢制御系」、軌道制御・変更のための「推進系」、「熱制御系」などからできています。

 

ミッション部はそれぞれの目的達成のために搭載される「観測機器」、

電波の入り口となっている重要な「アンテナ系」、

通信や放送衛星の場合に搭載される送受信機の「トランスポンダ」などがあります。

 

 

人口衛星の歴史について

 

人工衛星が世界に最初に登場したのはフィクションの小説でした。

人工衛星が登場するエドワード・エヴァレット・ヘイルの「レンガの月」という

短編小説が、1869年にシリーズ化されています。

 

 

また、1879年にはSF小説の父と言われるジュール・ヴェルヌが「インド王妃の遺産」という

小説内で人工衛星を描いています。

 

現実の人工衛星は、あらゆる技術が進歩するという戦争の中から開発されています。

第二次世界大戦で開発された「V2ロケット」の技術により、

人工衛星が実現可能なものになっていきました。

 

その後はアメリカとソ連の冷戦の時代になるわけですが、

アメリカは1958年までに人工衛星を打ち上げると発表しソ連は1957年までに人工衛星を打ち上げると発表しました。

 

結局、世界で初の人工衛星はロシアの「スプートニク1号」で、

予定通りの1957年10月4日に打ち上げられています。

このソ連の成功が、アメリカに「スプートニク・ショック」を起こすことになり、

以降アメリカとソ連の間で激しい宇宙開発競争が繰り広げられました。

 

現在でもそうかもしれませんが、スプートニク1号が打ち上げられるまで、

普通のアメリカ人は科学技術の面でもアメリカが世界で一番と信じていました。

 

ところが経済や軍事にも影響を及ぼせる人工衛星であるスプートニク1号が打ち上げられたことで、

アメリカ市民がパニックとなりアメリカは当然多大な努力をして優位性を取り戻そうとしました。

 

逆に、ソ連にとってはすぐれた技術力と科学力を世界に示すことになり、

国威発揚の大きな機会となったのは言うまでもありません。

 

また、ソ連の国民もこの件から人工衛星に関心を持つようになり、スプートニクの

打ち上げを記念した切手なども登場しました。

 

フォン・ブラウンと共に宇宙開発競争の双璧として知られる、

スプートニク打ち上げにも貢献したロシア人ロケット開発者セルゲイ・コロリョフは、

人工衛星だけでなく月に宇宙飛行士を送り込むことも目標にしていました。

 

アメリカ人の多くも宇宙開発に関心を持つようになりました。

ロケットの模型が人気となり、テレビ番組や広告など、

あらゆるところにロケットが登場するようになります。

 

スプートニク1号が打ち上げられてから4ヵ月後に、

アメリカは人工衛星エクスプローラー1号を打ち上げました。

 

この2つの人工衛星は、1957年から1958年の国際地球観測年に、

科学探査のために打ち上げれたものです。スプートニクは大気圏の上層部にある空気密度を測定、

エクスプローラー1号の観測データからは地球を取り囲んでいる

「ヴァン・アレン帯(発見者の名前からつけられた、

地球の磁場にとらえられた陽子と電子からできている放射線帯)」を発見しました。

 

 

人工衛星は肉眼でも見れるんです!

 

地球の軌道上空を周回している人工衛星なんですが、人工衛星って、地上から見えるんでしょうか?

 

国際宇宙ステーションの「ISS」や「だいち」などの、

高度1000キロメートルより下の軌道上を周回している人工衛星は、

なんと「肉眼」でも見ることが可能なんです。しかしこれには条件がつきます。

 

人工衛星を肉眼で見るには、衛星軌道の高度が低いので太陽光を反射する時間であり、

なおかつ、空が暗いという、ふたつのの条件が揃った日没や夜明け近くの時間帯に限り、観測できます。

 

また、市販の天体望遠鏡の一般的なものである口径6センチメートルの場合、

観測できる静止衛星は直径が約6メートル、

観測光の蓄積がない場合は直径が数十メートルほどの静止衛星までとされていて、

太陽電池パドルを持つような大型静止衛星では、何とか観測できる可能性もあります。

 

静止衛星軌道の場合、高度が大変高いために、

夜の間中太陽光を反射しているので、一晩中観測が可能です。

 

 

GPS機能も人工衛星からの信号を受信しています

 

いろいろな目的として利用されている人工的に打ち上げられた衛星、人工衛星についてでした。

衛星放送とかはもちろんなんですが、

衛星で現在の私たちに最も身近になっているのが「GPS」ですよねえ。

 

これを利用したスマートフォンのゲームが、最近大ブームとなりましたね!

GPS機能を利用したスマホゲームをしているとき、

人工衛星のことを思い出してみると、ちょっとした感慨があるのではないでしょうか?

 

GPSを利用したスマホのアプリが、これからどんなものが出てくるのか楽しみです。

 

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