宇宙雑学

火球とは?幸運の流れ星(隕石)について徹底解説

2018年8月3日

宇宙

 

皆さんは「火球」という言葉をご存知でしょうか?

漢字で書くと「火の球」と書いてそのまんまなんですが、

実はこれは宇宙の隕石のようなものです。

今回はあまり知られていないこの火球について、色々と説明してみましょう。

 

 

火球とは?

火球

(写真引用元:火球 wikipedia)

 

火球とは基本的に-3等級から-4等級より明るい流星のことです。

隕石になって地表に落ちたものや大気中で蒸発をしたものでも、

一定の明るさで光っていればどちらでも火球になり、

昔は隕石になった火球を「隕星」と呼ぶこともありましたが、今ではあまり使われていません。

国際天文学連盟ではどの惑星より明るい流星が火球とされています。

国際流星機構と言うアマチュア研究者たちの組織では、

観測者の天頂で観測された-3等級以上の明るさになるものとしています。

 

科学的観測ではない一般的目撃者の場合、

とても明るい流星は火球と考えるのが主観的な見方であり、明確な違いは存在しません。

つまり、簡単に言えば、「大きめの流れ星」ということになります。

火球のとる軌道は流星群の彗星より小惑星に似た傾向があります。

隕石の軌道では多くの場合、小惑星のように黄道面の傾斜が穏やかなことがあります。

このような火球の一部が隕石になるということに無理はないということです。

明るい火球が隕石になった場合、その道筋は目撃者からも見られます。

正確な情報のためには「火球専門監視カメラ」があり、

これによって自動の監視が行われています。

流星群観測では明るさの統計が手がかりになるので、主な流星は綿密に調査されています。

ちなみに、流星群における火球は隕石になったことはないということです。

夕方西の空を見るとたまに火球に似た物体が見えることがあります。

しかし、これは「日本火球ネットワーク」によると、

飛行機である場合が多いようです。

火球流星は音を出しながら流れたり爆発することがあるとされています。

しかし、これは実際には地上から数十kmで起こっていることであるため、

地上で観測した人にその物理的な音がもし届いた場合でも、

音速を考慮すれば9分後ということになります。

それでも音が聞こえたなどという観測例が多くあるのが謎とされており、

これは「電磁波音」ではないかという説があります。

電磁波音というのは、ある現象と同時に放出される電磁波、

その中でも特に大きな流星や火球に放出されるものが、

観察している人の周りに音波となって変換されることにより聞こえるとされている音のことです。

これを英語ではエレクトロフォニックサウンドとも言われます。

 

 

2017年の日本の火球目撃例

 

去年の2017年11月21日、午前9時半ごろに、

日本で空から落ちる火の玉を見たという情報が多くありました。

東北地方~近畿地方の広範囲で見られたこの現象は、

専門家によると小惑星等のかけらが地球に降り注ぎ、

大気圏に入って燃え尽きるたときに起きる「火球」ではないかとされています。

国立天文台・山岡均准教授によれば、

「今回のものは光の明るさによると、

数cmくらいの「隕石のかけら」のような物体が地球大気圏に入り、

燃え尽きて光ったのではないか。最後の強い光は大気に突入し衝撃でかけらが割れたのでは」

とのことです。この火球は隕石のかけらだった模様です。

流れ星や隕石も、宇宙から地球へやってきた物体です。

しかし、この両者にはその誕生の仕方に違いがあります。

流れ星というものは、基本的に彗星からできるもので、

大きくて数㎝くらいしかないので、大気中でほとんどが燃え尽きます。

一方の隕石は、「小惑星」という、惑星になれなかった小さい岩石に由来します。

大きさは流れ星とは比較になれない大きさで、

大気圏の熱でも燃え尽きないで地上に落下します。

最近の隕石では、2013年のロシアはチェリャビンスク州に落ちたという隕石が有名です。

落下したその隕石は直径が数mから15mもあり、質量はなんと10tともされています。

この隕石が上空の30㎞から50㎞あたりで分解したために、被害は少なくて済みましたが、

もしも地表まで落下した場合、直径が100mほどのクレーターができて、

非常に大きな被害が出るところだったと言われています。

もしも、直径が200mという隕石が大西洋に落ちたら、

コンピューターが行ったシュミレーションによるとその沿岸部で200mという津波が起こり、

何億という人が死亡するという予測があります。

 

地球が滅亡するくらいの隕石は、直径が約1㎞くらいの大きさとされていて、

「サイエンス」では、地球に落ちてくる可能性がある直径1㎞ほどの小惑星の数は、

127個くらいあるとされていて、

それらはいつ地球に落ちてくるかわからないと言われています。

また、今年も火球が見られています。

1月13日の夕方関東~中国~四国地方の上空に、流れて落ちる光が多く目撃されています。

午後5時53分頃に広島県にて 上空の光をカメラが捉えています。

この光は、同じ時間各地で見られており、そのいずれもが緑色の光を数秒間放って消えています、

専門家によれば、これは明るさ等により、

小惑星のかけらが大気圏に入って燃え尽きた時にの火球としています。

 

平塚市博物館の藤井大地学芸員は「流星でも特に明るいのが火球で、

紀伊半島沖に流れたため、四国~関東の中間あたりの広範囲で見られたのでは」と語ります。

今回のこの火球は、隕石として地表に落下せずに燃え尽きた可能性が大きいということです。

 

火球を見れたら超ラッキー?

 

また火球は生きているあいだに一度でも見れれば超ラッキーとも言われています。

なぜなら、火球の発生は極めて稀で、

あの、見れたらラッキーなものとしておなじみの「流れ星」よりも少ない確率で起きる現象だからです。

上記のように火球は巨大な流れ星という感じのため光害がある場所でも見ることができます。

また、火球が見られた時はいつもニュースで話題となります。

「日本火球ネットワーク」というのは火球がいつ。

どの辺で目撃されたのかをみんなで報告する掲示板です。

興味のある人は一度覗いてみてはいかがでしょうか?

 

火球と流れ星はわかりにくい

 

火球についての話でした。「流れ星」や「隕石」というのは言葉として有名ですが、

「火球」というのはあまり一般的ではないですよね。

言葉的に「火の玉」に近いので宇宙の用語ではないと思うかもしれません。

流れ星ならロマンチックですが、隕石だと怖いものがありますね。

めったに見られない火球ですが、去年と今年は日本で見られたようです。

 

広範囲で「火球」の目撃相次ぐ Youtube動画


 

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