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【2018年まとめ】スペースデブリの最新対策方法について

2018年10月3日

スペースデブリ

 

スペースデブリ(spacedebris)とは、「宇宙に浮かぶゴミ」のことです。

このスペースデブリが今、宇宙開発のなかで

大きな問題となっていることはここでも以前取り上げられていますが、

今回はこのスペースデブリについての最新の対策方法についてご紹介しましょう。

(画像引用元:スペースデブリ wikipedia)

 

スペースデブリは増え続けている

 

現在は「スペースX」のように、

民間で宇宙ビジネスを展開する企業も出てきました。

 

もしもこれが成功すれば、計り知れないポテンシャルを持つ市場であるため、

とんでもない利益をあげることができるでしょう。

 

ただ、当然ながらそう簡単にはいかないのが現状です。

 

宇宙でビジネスを行うにはさまざまな問題がありますが、そのなかのひとつが[スペースデブリ]です。

 

スペースデブリとは、人間が作り出した宇宙に漂うゴミのことです。

 

ここでいうゴミとは、もちろんロケットの破片・本体などで、

観測されている数メートルほどの大きなデブリは約9000個ありますが、

未確認の破片などを含めると、30000個以上のデブリが宇宙を漂っているとされています。

 

旧ソ連がスプートニク1号を宇宙に打ち上げて以降、

世界で4000回というロケットの打ち上げがありましたが、

スペースデブリもそれにともない増加の一途をたどっています。

 

ちなみに、天然岩石・鉱物・金属等でできている宇宙塵・小隕石は、

「流星物質」という名前があり区別されています。

 

小さいデブリでもかなりの凶器

 

素人考えだと、「小さいデブリなら問題ないのでは?」と思うかもしれません。

ところが、これがそうではないのです。

 

人工衛星のスピードは地球からの高度によってスピードが違ってきます。

 

たとえば地球から高度200kmのデブリは秒速7.4kmという速さで進みます。

この速度をわかりやすく説明すれば、

高度200kmのデブリは東京から大阪までを74.3秒で移動できるということです。

 

つまり、東京〜大阪まで約1分ほどという、

とんでもない速さになることが誰にでも理解できるでしょう。

 

たった米粒くらいのデブリでも、

これがライフルの弾丸のような破壊力を持つことになるのです。

 

関連記事:宇宙ゴミ・スペースデブリが何故いま問題なのか?その1

関連記事:プラネテスのテーマにもなった宇宙のゴミ「スペースデブリ」の脅威と対策

 

日本のスペースデブリの最新対策

 

ではここから、このスペースデブリの最新の対策についてみていきましょう。

まず、日本のNASAことJAXAが、

この問題について世界を驚かすような研究をしています。

 

日本の宇宙機を守るため、デブリが宇宙にどのくらいあるかを地上より光学望遠鏡等で調べ、

デブリはどのように増加していくのか、もし宇宙機とデブリが衝突したとき、

故障の確率がどれくらいになるかを解析するようなモデル化と解析、

デブリ衝突での宇宙機の故障を未然に防ぐ防御の研究をしてます。

 

デブリが低高度の軌道にある人工衛星に衝突する速さは平均で秒速10kmといわれています。

このようなすごいエネルギーを持つデブリが人工衛星とぶつかった時起こる現象を解明、

防御性能を地上から確認検証するの技術である、

「秒速10kmの仮想デブリを射出し、その被害を調査するシステム」の開発を目指しているそうです。

 

また、次世代も宇宙開発が続けられるように、

デブリを発生させないようにする技術、

軌道上に存在しているデブリを掃除する「デブリ除去衛星」も研究しています。

 

ロケットを宇宙にこれ以上打ち上げなくても、

軌道上に今あるデブリが衝突することで、

デブリはどんどん増加する「自己増殖」がすでに始まっているとされているため、

この状況を解決するために、現在あるデブリの掃除をしなくてはならないのですが、

JAXAでは「デブリを捕獲しその軌道から消去する衛星」の研究・開発をしています。

 

「デブリ除去衛星」が、デブリに「導電性テザー」を取り付け、ここに電流を流して、

地磁気の干渉によってできるローレンツ力を使い、デブリを落とします。

 

この方式は、作業に燃料・大電力が必要いらないことと、

比較的容易である点がメリットです。

比較的に小型な人工衛星でもできる可能性があるので、

有力な方式として研究が進められています。

 

このようなスペースデブリ対策をすることで、

200年間で8000個ほどにデブリの発生を抑えられると考えられています。

 

また、2015年4月21日、日本の理化学研究所が、

同研究所/エコール・ポリテクニーク/パリ第7大学/トリノ大学/

カリフォルニア大学アーバイン校の共同研究グループが、

高強度レーザーによりデブリを除去する考案を発表しました。

 

RemoveDEBRISとは

 

もちろん日本だけでなく、ほかの国もスペースデブリの対策をしています。

 

中国はレーザー光線でデブリを細かく破砕する計画をたて、

ロシアも巨大なレーザー砲でデブリを撃ち落とそうとしているとか。

 

しかし、上記のようにデブリは小さくても問題なんですよねえ。

 

そこで今回、Airbus(エアバス)社などの多く企業が手を組み、

「宇宙ゴミ掃除屋」であるスペースデブリ対策用の箱型人工衛星の「RemoveDEBRIS」を開発しました。

 

これをあの「スペースX」のファルコン9先端「ドラゴン・カプセル」に積みこみ、

国際宇宙ステーション・ISSへ届けました!

 

動画によると、ISSで合体したカプセルは、

日本製の実験モジュールによって船外に放出されます。

 

「RemoveDEBRIS」はデブリを

 

・ネットで捕獲

・「VISION-BASED NAVIGATION」という視覚的なナビでデブリの位置を捕捉

・銛で串刺しにして捕獲

 

という、3種類の方法によってスペースデブリを集めます。

 

特徴的なのがこの衛星の最後です。

「デブリ取りがデブリ」になってしまっては元も子もないですよね。

 

そこで、この「RemoveDEBRIS」は、

役目を終えると大きな帆を広げ軌道から外れて、収集したデブリとともに燃え尽きるんだそうです。

 

スペースデブリ対策が活発になっています

 

最新のスペースデブリ対策についてでした。

宇宙のごみ「スペースデブリ」は、小さいものですら弾丸のようなスピード

で飛んでいるというのだから、やっかいですねえ。

 

 

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