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【ジュノー探査機】NASAの木星探査機の目的や大きさや形状は?

2019年2月3日

ジュノー探査機 / wikipedia引用

ジュノー探査機 / wikipedia引用

 

「ジュノー探査機」というのはNASAの木星探査機なのですが、この探査機が2016年に無事に木星の軌道周回に入りました。

「ジュノー探査機」は木星の上空4200kmを飛行しながら木星のデータを集めています。

 

今回はこのジュノー探査機について、最新の情報なども踏まえてご紹介しましょう。

 

「ガリレオ」以来22年ぶりの木星周回探査機

ジュノーの打ち上げ / wikipedia 引用

ジュノーの打ち上げ / wikipedia 引用

 

「ジュノー探査機」は、おなじみNASAの木星探査機です。ジュノーは、NASAの「ニュー・フロンティア計画」のひとつとして打ち上げられました。打ち上げの予定は2009年の6月でしたが、予算の問題で2011の年8月5日に打ち上げられました。

 

2013年の10月9日、「地球スイングバイ」での増速に成功し、打ち上げられてから約5年後である2016年の7月5日に、木星の軌道周回に入り、ここから木星の組成・重力場・磁場・極付近の磁気圏などの調査をスタートしました。

 

この「ジュノー」という探査機の名前は、ローマ神話の女神ジュノー(ユーノー)からきています。

ローマ神話の神ジュピターの妻で、ジュピターが雲のベールに隠した秘め事を見抜いたという話があります。

 

機内には木星の衛星を発見したあのガリレオ・ガリレイの記念プレートと、LEGOでできたローマ神話のジュピターとその妻ジュノー、ガリレオの人形3体が搭載されているというので面白いですね。

 

木星まで周回探査機が送られたのは、1989年の「ガリレオ」以来、実に22年ぶりになります。

 

周回機以外は冥王星の探査機「ニュー・ホライズンズ」が冥王星に行く途中で2007年に木星の観測をしています。

ジュノー探査機は、太陽系で最大の惑星というガス惑星の木星を周回して探査、大気についての詳細な観測をするというのが最大の目的です。

さらに磁場や重力場についても調べ、この探査によって木星の起源・内部構造のさまざまな知見が得られるとされています。

 

ジュノー探査機の大きさと形状について

 

ジュノー探査機は、アンテナ・太陽電池パドルを除き、直径3.5m・高さ3.5mの6角柱状の物体です。

ここにアンテナ・太陽電池パドルを含めることで直径20m・高さ4.5mになります。

 

打ち上げたときの質量は約1500kgでした。

ジュノー探査機には紫外線撮像分光計¥赤外線撮像分光計・プラズマ・荷電粒子検出器等、合計8種類の科学機器が搭載されています。

 

これまでの木星探査機とは違う大きい特徴が、電力の確保を原子力電池ではなく「太陽電池パドル」で行っていることです。

 

太陽から遠く離れた木星の周辺では、太陽光は地球の周辺に比べて25分の1くらいしかないため、充分な電力を得ることが困難であったため、これまでの木星探査機では原子力電池が採用されていました。

 

これが、ジュノー探査機において、発電効率が高い最新式大型太陽電池パドルが3枚搭載されたことで、太陽電池でも必要な電力を得ることが出来るようになっているのが特徴です。

 

 

ジュノー探査機の主な目的

 

ジュノー探査機の目的はどのようなものなんでしょうか。

ジュノー探査機は木星を周回して探査しますが、これまでの木星探査機と違って、木星本体を詳細に調べることを目的にしていて、その衛星については予定されていません。

 

ジュノー探査機の主な目的は

 

・木星大気の水量を調べて、木星形成の理論を検証する手がかりを得ること

・木星の大気を細かく観測して、組成・温度・雲などについて調べること

・木星の磁場・重力場をマッピング、木星の内部の構造を探ること

・主にオーロラなど、木星の両極近くの磁気圏を観測すること

 

があります。

 

 

木星では地球サイズの嵐が荒れ狂っている!

 

さて、去年2017年5月には、2016年の7月から木星の周回軌道で探査をスタートしたジュノー探査機の初期観測データでの研究成果が46本の論文になって発表されています!

初期観測データでは、太陽系で最も大きい惑星である木星の複雑・巨大で荒れ狂う世界が描き出されました。

 

研究チームのDiane Brownさんは、「木星の理解を深めるための初期成果に興奮しており、この旅は長いものでしたが、この成果はその旅がとても価値があるものだったと示しました」と語っています。

 

「JunoCam」が撮影した画像には、こすれ合う地球サイズの嵐が木星両極を覆っていることが見られます。

この嵐がどのようにできたのか、形状がどれくらい安定的か、北極・南極の見た目がなぜ違うのかという疑問に研究者たちは困惑しています。

 

この嵐は変化している最中で、来年には消失するのか、または安定していて嵐が互いの周りを回っているのか、現在ではわかっていません。

木星の縞模様は、マイクロ波の計測器が木星の大気に浮かんでいる「アンモニア雲」の最も上層〜大気奥深くまで観測、帯・縞が奇妙になっていることを示しました。

 

赤道近くの縞は下深くまで到達していますが、その他の緯度の帯・縞は別構造になっているようです。

木星の磁場は太陽系で最強ということがこの探査の前から知られていましたが、磁場計測器の磁気圏観測によって、この磁場は予想よりも強く、不規則であることが判明しました。

 

研究員によると、磁場は均一でなく強弱が見られ、金属水素層の上の木星表面領域で起こる、ダイナモ作用によって磁場ができている可能性があるそうです。

さらに、木星両極に出ているオーロラを観測し、地球のものとは発生プロセスに違いがあることがわかりました。

 

ジュノー探査機は、木星両極の上空軌道を53日という周期で飛行しています。

木星からかなり離れた場所で飛行していますが、木星が最接近する際は木星北極上空〜南極上空までを2時間で飛行して、データ収集や撮影を行います。

この探査では53日毎に新発見があるそうで、研究員たちはそのたびに驚いています。

 

 

木星探査機にレゴ人形があると想像すると楽しい

 

木星を探査している「ジュノー探査機」についてでした。

地球サイズの嵐っていうのはとんでもないスケールですね!

まさに桁違いです。

 

また、地球からとんどもないくらいの距離で木星を探査しているジュノーには、レゴでできたガリレオや神話のジュピター・ジュノーの人形が乗っていると思うと、思わず楽しくなってしまいますね。

 

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