宇宙雑学

微生物は宇宙で3年生きられる!?パンスペルミア説の信憑性が高まる?





ウィルスと微生物 f

 

最新の研究では、なんと宇宙で微生物は3年生きられることができるという結果が出たそうです。これはあの地球の生物は宇宙からやってきたという「パンスペルミア説」に信ぴょう性を加えることになるかもしれませんね。




日本人が研究している「たんぽぽ計画」

きぼう実験(たんぽぽ計画)wikipedia

きぼう実験(たんぽぽ計画) / wikipedia

 

このたび、京薬科大学の研究チームが「微生物は宇宙で3年間生きることができる」と発表しました。これは、2015年から国際宇宙ステーションで実施されている「たんぽぽ計画」の研究結果です。「たんぽぽ計画」は、宇宙が生命体に与える影響を研究しています。

 

また、「たんぽぽ計画」は後述する「パンスペルミア説」を検証する計画でもあります。国際宇宙ステーション 「ISS」 のきぼう実験棟船外に置かれたエアロゲルという超低密度シリカゲルが、宇宙空間を高速で飛んでいる微小の隕石・粒子をとらえ、そこに生命のもとになるような有機化合物があるかどうか、微生物が惑星間移動に耐えられるかを検証しています。

 

この「たんぽぽ計画」チームの新しい研究論文が、今年8月26日付「Frontiers in Microbiology」誌に掲載されました。研究論文では、「デイノコッカス」という極限環境微生物/放射線耐性生物のバクテリアが、宇宙空間で3年間生きたことを報告しています!

 

また、論文では、3年は火星〜地球間の最短移動時間であるとしています。

 

オニクマムシ wikipedia 引用

オニクマムシ wikipedia 引用

 

 

デイノコッカスは以前このサイトでもご紹介した、紫外線にも強い「クマムシ」のような非常に生命力が強いバクテリアです。「たんぽぽ計画」のリーダーである東京薬科大学の山岸明彦名誉教授は、極限微生物であるデイノコッカスが宇宙環境で生きるためには、このバクテリアが持つ「DNA修復システム」が重要な役割であることを発見しました。

 

「たんぽぽ計画」のチームは、3つの違う種のデイノコッカスのコロニーを、宇宙の真空空間に出しました。地球に帰った研究者がこれを水で戻したところ、一番外側の菌は死んでいましたが、このバクテリアの層が下の微生物のDNAの損傷を防いでいました。宇宙空間ではバクテリアの遺伝子に損傷を与えますが、わずかな量しかないバクテリアの塊でも、宇宙で生存できることを研究結果が示しました。




あの「パンスペルミア説」の証拠になるも!?

スヴァンテ・アレニウス / wikipedia

スヴァンテ・アレニウス / wikipedia

 

地球の生命がどこからきたのかという問題について、1903年にスウェーデンの科学者スヴァンテ・アレニウスが提唱した「パンスペルミア説」というものがあります。これは生命起源の仮説のひとつで、生命というものは隕石に乗っていた微生物が銀河全体にまかれたもので、地球の生命も別の天体で発生し、その微生物の芽胞が地球に落ちてきたのではないかという説です。

 

パンスペルミアはギリシャ語では「種をまく」という意味だそうです。まるでSFのような説のため、この説については多くの科学者が否定的ですが、パンスペルミア説は化学進化の否定ではありません。生命は宇宙からきたという説は大胆な発想のように思えますが、上記のスヴァンテ・・アレニウスという著名な科学者が提案した、科学的な説明がある説です。

 

まず、38億年前の地層に真正細菌のようなものの化石が発見されていて, 地球が誕生して数億年ですべての生理活性や自己複製能力がある生命体が生まれたというのは考えにくい。つまり、パンスペルミア説は有機物〜生命体に至るまで時間に猶予がある。

 

また、宇宙から地球に飛来した隕石には有機物が多く含まれていて,アミノ酸・糖といった、生命を構成するものが多くある。最後に、地球の原始の大気は酸化的で,グリシン等のアミノ酸は合成されにくく、 宇宙にはこれらが揃う環境があるかもしれない。などがこの説を支えています。

 

小惑星に多少付いていたバクテリアだけで、地球生命全体の進化に影響があったとは考えにくいですが、微生物のような生命体がたくさん存在できる隕石が普通にあるなら、40億年前、地球が経験した隕石の大量落下が変化を起こした可能性もあると研究者は語ります。

 

「バクテリアは岩石の深くで最長数百万年生きることができる」と、物理学者のアヴィ・ローブは語ります。今回の「たんぽぽ計画」で、生命起源説ではあまり主流ではない「パンスペルミア説」を支える説明がひとつ増えたかもしれません。

 

微生物は宇宙でも生存できた!

 

宇宙空間で微生物が3年間生きたという最新報告についてでした。地球の生命の起源についてはまだ不明な部分が多いとされていますが、そのブラックボックスを解消する可能性がある説が「パンスペルミア説」です。「パンスペルミア説」はちょっと聞いただけでは突拍子もない説に聞こえますが、今回みたようにきちんとした科学的説明があるんですね。今回の発見は地球の生命は宇宙からやってきたという「パンスペルミア説」の証拠にもなるかもしれないということで、宇宙好き・SF好きには興味深い話でしたね。

 

関連記事:日本のJAXAが開発した「きぼう」、今年8月に観測しましたか?

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関連記事:地球外生命体の可能性は? 地球外生命体を探すセチ計画も解説

 




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