2021年5月26日は、スーパームーンと皆既月食が重なり「スーパームーン皆既月食」になりました。天体ファンの皆さんなら観測したという人も多いでしょう。今回は2021年5月26日に観測されたこの「スーパームーン皆既月食」についてです。
非常にレアな天体ショー
2021年5月26日、今年で一番の天体ショーとされる、「スーパームーン皆既月食」が観測されました!
さらに、この日の満月は今年一番の大きな満月とされているので、アメリカでは「スーパーフラワーブラッドムーン」と呼ばれて話題になっていたそうです。
なぜ「フラワーブラッドムーン」なのかというと、フラワーは北アメリカで5月の時期に咲く花からこの時期の満月はフラワームーンと呼ばれるためで、ブラッドは、月の色は屈折した太陽の光が届いて血の色に近い深赤色になるからです。
この皆既月食が見られたのは、北アメリカ西部・南アメリカ南部・オーストラリア・東南アジア・日本などで、日本では26日の午後8時9分〜28分まで、南東の空で観測されました。
スーパームーンと皆既月食について
ではここでスーパームーンと皆既月食についておさらいしておきましょう。スーパームーンとは、満月/新月と地球への最接近が重なり、月の円盤が最も大きくなることです。1979年ににRichard Nolleという占星術師が定義した用語で、「地球・月・太陽が直線上に並んで、もっとも月が地球に接近した時」としています。
スーパームーンが起こると、海岸侵食が増えることが判明しています。研究チームによると、スーパームーン時の海岸侵食量は、通常の約50%増ということです。スーパームーンで大潮の満潮位が通常より高くなり、浸水のリスクが高く、台風等による高波や高潮が重なることで侵食が大きくなって、沿岸部が注意が必要になります。
スーパームーンの大きな「起潮力」により、満潮時の海水位が上昇することで地下水位も上昇、その後に海水位が下がった時でも砂浜には水が含まれていて、波によって削られやすくなるために生じるとされています。月食とは、地球が太陽・月の間に入って、地球の影が月にかかって月が欠けて見えることです。皆既月食とは、太陽と地球と月が一色線に並んだ時に起こる現象で、月のすべてが本影という、地球により太陽が完全に隠れた部分に入ります。
月食は日食よりもインパクトが弱いかもしれませんが、日食より広範囲で観測できます。夜、月が地平線より上にある地域なら、どこからでも見られます。また、肉眼でも観測できて、日食よりペースで遅いので、月の移り変わりをゆっくり楽しめるところもポイントです。
珍しい赤黒い月
ただ、今回のスーパームーンは月・太陽・地球完璧に一直線にはならないので、十数分というう観測時間になります。月食のときの月の色は、そのときの大気状況に影響をうけます。月は太陽の光が反射して銀色に見えますが、月食時は、地球の大気を通った太陽光が屈折して月に届きます。
赤い光は大気を通りやすいので、月食時は月が赤黒く見えることが多いのですが、これは朝日・夕日が赤いのと同じ原理です。
日本ではどこで観測できた?
2021年5月26日、日本でも北海道や東北、小笠原諸島などの各地でスーパームーンが観測され、新聞などのメディアでも取り上げられました。秋田県横手市赤坂の旭公園は小高い丘にあるので市街地を一望できますが、ここでも5月26日、約3年ぶりという皆既月食が観測されました。
この日、日中は晴れていましたが夕方からくもりとなって、天気が心配されましたが、午後7時すぎになると、栗駒山方向の雲の間から月が徐々に見えてきました。この付近には水田がありますが、代かきが終了した水田にも、スーパームーンが映ったそうです。水田にも月が映るこの場所で見るスーパームーンもまた格別だったでしょう。
ちなみに、東京では曇りとなったため残念ながら観測することはできませんでした。次回の皆既月食は2012年11月6日、スーパームーンは12年後の2033年の10月になるそうです。
次回は12年後!
今年2021年5月26日に観測されたスーパームーンについてでした。今年で一番の天体ショー、みなさん観測しましたか?
赤黒く手大きな月というのは、なんとも存在感がありますよね。次回は12年後の2033年ということで、だいぶ先になりますね。それくらいめったに見られない、レアな天体ショーだったんですね。日本でも東北より北のほうでは観測できたということで、見られた人はラッキーでしたね。
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