アルテミス計画のロケットが打ち上げ成功！さらにその後、搭載機「オリオン」が無事に地球へ帰還！

このサイトで度々紹介しているNASAの「アルテミス計画」ですが、幾度の延期を経て、先月11月16日、ついに宇宙船を乗せたロケットの打ち上げに成功しました！

また、つい最近の最新のニュースでは、月の周回軌道を飛行した搭載機「オリオン」が無事に地球に帰還したということです。今回はこれらのニュースについてです。

大型ロケットのスペース・ローンチ・システムがついに打ち上げに成功

先月の11月16日、アメリカのフロリダ州にあるケネディ宇宙センターから、大型ロケットのスペース・ローンチ・システムが打ち上げられました。

このロケットはNASAが主導している「アルテミス計画」のためのロケットで、ミニバン2台分ほどのサイズでカプセル型の有人宇宙船「オリオン」(今回はテストのため無人)のほかにも、日本のJAXAの「OMOTENASHI」などの10機の超小型探査機も搭載されています。

NASA史上最大という、ジャンボジェット31機分にあたる約4000トンという推力のロケットが、打ち上げから約2分後に側面のブースターを分離、約6分度にはコアステージを分離させて加速を続け、10分も経たないうちに地上からは明るい点として見えるようになりました。

「オリオン」の月飛行

宇宙船オリオン wikipedia

今回はテストのためにマネキン(名前付き)が乗っている宇宙船「オリオン」は、往復で26日という月探査に向かいます。

この宇宙船には科学実験機器が満載されていて、これからの有人飛行のための多くのテストが行われます。この「アルテミス1」ミッションは、人間をアポロ計画以来、約50年ぶりに月に送るための重要なテストになります。予定通りにいけば、早くも2025年には宇宙飛行士が月面に着陸するとされているので、これはすごいですね。

その宇宙飛行士のなかには、女性と有色人種も含まれることになるようです。オリオンは11月21日にメインエンジンに点火、月面の81マイル、約130キロ上空に近づく飛行を行い、11月26日には「遠方逆行軌道」という周回軌道に向かい、各種の点検をした後、今月12月2日にはエンジンを3分27秒噴射して地球に帰途するための軌道修正を行いました。

「OMOTENASHI」にトラブル！？しかし続報も

われわれ日本人としては、このアルテミス計画に加わっていてスペース・ローンチ・システムにも搭載されているJAXAの「OMOTENASHI」が気になるところでしょう。

「OMOTENASHI」はJAXAの月面着陸機です。しかし先日、この「OMOTENASHI」と地上の通信が不可能となって、月への着陸を断念したという残念なニュースがありました。

しかし、最近のニュースによれば、来年2023年の3月ごろから搭載された太陽電池に光が当たって充電できるかもしれないということで、運用は今後も続けるそうです。OMOTENASHIの運用は現在中断されていますが、復旧後は各種の実験を行う予定です。

1つは、固体ロケットモーターの点火。点火しても月面の着陸はできませんが、日本初のレーザー着火方式であり、実証することに意味があります。問題を起こさないように地球から十分に遠い地点で行うとか。半年以上の運用は想定していないので、正常に機器が動作するかはわかりませんが、ほかにも放射線計測・薄膜太陽電池の発生電力の確認等も行うかもしれないとのことです。

アルテミス計画の最新ニュース！

さて、最後にアルテミス計画の最新のニュースです。つい先日、アルテミス計画の宇宙船「オリオン」が無事に地球に帰還したというニュースがありました！

オリオンは先日12月11日、26日の月の周回軌道の飛行を終えて太平洋上のメキシコ沖に3つのパラシュートで着水しました。今後、NASAは帰還したオリオン船内の放射線の影響、耐熱性能等を解析、2024年に有人で月周辺の飛行、2025年以降の月南極付近の有人着陸を目指します。

さらにその宇宙飛行士の月面での長期滞在を目指して、2030年代からという火星有人探査につなげるそうです。

もうすぐ月に人が立つかも！？

NASAの「アルテミス計画」のロケットが数度の延期ののちに打ち上げられ、さらに先日、搭載されていた宇宙船「オリオン」が無事に地球に帰還したというニュースでした。

これは、アポロ計画以来という、約半世紀ぶりの有人月探査に向けて、大きな一歩ということになるでしょう。アポロ計画をリアルタイムで見ていたという人以外なら、人間があの月に降り立つなんて、すごいなあと思いますよね。2025年といえば、もうすぐですよねえ。