夕方や夜に外の道を歩いていると、たまに月が大きく見えることはないでしょうか?
また、月だけでなく太陽も大きく見えることがあります。
あまりに大きく見えるので、ちょっと恐怖を感じるぐらいの時がありますよね?
あれって何なのでしょうか?
月と暦の関係はおなじみですね
月とは、もちろん私たちにとっておなじみの天体です。
地球で唯一の衛星で、古今東西、人間とは昔から神話などで深い関わりがありました。
地球からは太陽の次に大きく見える天体で、白く光って見えますが、
これは月自体が光っているわけではなく、太陽の光が反射されたものです。
「暦」と月は、近代まで深い関係がありました。
月の満ち欠けから決められた暦は「太陰暦」と呼ばれ、月の明るい部分は日ごと変化して、
これは約29.5日というサイクルで同じ形になっているために、
このサイクルをもとにして暦を決めました。
歴史的には太陰暦を使っていた地域は多く、
今でも「太陽暦」と「太陰暦」を両方使っている文化圏があります。
大きく見えるのは目の錯覚だった!
月といえば日本には「お月見」という風習もあって、
夜中に眺めるのがお馴染みとなっていますね。
夜空に浮かぶ月は、太陽よりも静かで落ち着いた雰囲気がありますね。
では、月の視覚的特徴についてみていきましょう。
月の明るさで言えば、満月ではマイナス12.7等、
半分の半月ではマイナス10等 ほどであり、天然では夜の間に見える最も明るい光源になります。
たまに月や太陽が大きく見えるのは、
その月や太陽が地平線近くにあるときという説があります。
月や太陽が空高くに位置している場合と比べて、
月や太陽が地平線や水平線の近くにある場合は、大きさが明らかに違っていて、
空高くにある場合は小さく、地平線や水平線の近くにある場合は大きく見えると言うことがあります。
しかし、本当に月や太陽が大きくなっているのではありません。
ここで実験として、五円玉を使って月を見てみましょう。
その5円玉を顔からできるだけ離して、五円玉の穴から月を覗いてみると、
その時の月はどんな場合でも五円玉の穴の大きさに収まるように見えるでしょう。
これは、月の「視直径」が五円玉の穴とほぼ同じ大きさのために実験に使用できるのです。
月とか太陽が地平線近くにいる場合にどうして大きく見えるのかと言うと、
これは目の錯覚とされています。
月の近くに他の大きな建造物などの景色があり、
それらと比較できるときとできないときで大きさが違って感じるのではないかという説もあります。
ここでもうすこし科学的に説明してみましょう。
人間の目は、物体をよく見るために、焦点の位置が常に調節されており、
脳内によって画像を合成しているそうです。
そのため、近くから遠くにある風景で、その先端に月がある場合は、
レンズをズームしながら見るようにして月が大きく見えるのだそうです。
逆に、空の高い場所にいる場合は対象物がないために、
実際のサイズが見えるとされています。
しかし、実際にすこしは変化しています
ちなみに、月の見かけの大きさは多少実際に変わっています。
月は楕円形の公転軌道で、近地点が約36万km・遠地点が約40万kmのため、
軌道上の位置によって月の見かけの大きさは実際に多少変わっています。
赤道上から見ると、一日でも距離が変化していることになります。
天頂付近で月を見る時が、日のうちで一番月に近い時で、地平線近くに見るときは、
それより約6,000km離れるため、その分はほんのすこし小さく見えます。
月は一時間ごとに恒星に対し東に0.5度強動いているので、24時間で13度になります。
ということで、毎夜月は前日の夜よりも13度東へ動いているということになります。
大きく見える月の正体でした
たまに見えることがある、月の異常な大きさについてでした。
月を見ることはけっこうあると思いますが、
たまに見える大きな月を不思議に思っていた人もいたのではないでしょうか?
これが目の錯覚だったというのはあまり知られていなかったのではないでしょうか。
誰かと大きな月を見た時に相手が知らなかったら教えてあげると
ちょっとだけ尊敬されるかもしれません(笑)
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