衛星

惑星の周りを公転している衛星(えいせい)とは何?





 

宇宙の星は大きく分けて、惑星と恒星、衛星という3つのタイプに分類されています。衛星のなかで一番わかりやすく身近なものは、地球の近くを周っているみなさんよくご存知の「月」などですよね。ここでは、月を含めた衛星についてみていきましょう。





衛星の概要とその組成について

 

衛星とは、惑星・準惑星・小惑星などの付近を公転している、天然の天体のことを指します。ここで見分けがしにくいのは、たとえば土星の環を構成している氷・岩などの小天体は衛星に分類できないということです。

 

我々が住んでいる太陽系の惑星では、水星・金星以外の地球・火星・土星・木星・海王星・天王星、準惑星の冥王星・マケマケ・ハウメア・エリスなどには、すくなくともひとつの衛星を持っています。小惑星も、衛星を持っているものが100以上確認されています。衛星の組成は、地球の衛星の月や木星の衛星のイオは主に岩石でできていますが、ほかのものは岩石と氷からできています。

 

ほかには、木星の衛星エウロパのように岩石の「核」の周りに氷の厚い層ができているもの、同じく木星の衛星カリストのように岩石と氷が分離せずに混ざり合っているものなどがあります。メタンのような炭素化合物、アンモニアのような窒素化合物を含んでおり、タイタンは窒素からできている大気があり、地表にはメタンの液体があります。





地球の衛星、「月」の起源は!?

 

ここでは我々人間にとって、もっとも身近な衛星である月について説明してみましょう。月は地球の唯一の衛星であり、地球にもっとも近い天然の天体です。アポロ計画によって、人間が自らの足で到達した唯一の天体でもあります。地球から月を見ると明るく見えますよね?あれは、月が光っているのではなく、太陽の光が反射されて明るくなっているのです。月は天球上の「白道」と呼ばれるコースを、ほぼ4週間の周期で運行しています。白道というコースも19年の周期で揺らいぎが起きていますが、「黄道帯」という、黄道周辺8度の範囲には収まります。ほぼ2週間ごとに、月は黄道を横切っています。

 

月は直径が地球の4分の1と、地球と比べて衛星として大きいので、二重惑星ではないかという説もありました。月の起源としては、「古典的学説」「ジャイアント・インパクト説」「複数衝突説」という3つの説があります。古典的学説には、自転の遠心力で地球から一部が飛び出したという親子説、地球と同じガスから同時にできたという兄弟説、月と地球が偶然近づいたときに地球の引力につかまったという他人説がありましたが、これらは現在では矛盾がある説とされています。ジャイアント・インパクト説というのは、地球が他の天体と衝突した際に飛び散った物質が集まってできたという説です。

 

この説が現在最も多数派なもので、原始の地球に、火星サイズほどの天体が強烈に衝突して、その破片より月が作られたという説なんですが、このシナリオではその衝突した天体の大きさ・衝突速度・ぶつかった角度等の条件が、「現在の月になるために最適なものでなくてはならない」という、強い制限が問題となります。言い換えると、この説によれば「今ある月は、幸運が重なったためにできた」ということになるでしょう。また、衝突した天体と地球の化学組成の違いも月にあるはずで、つまり地球・月の組成は違うということになるのですが、月の石の分析結果などから、地球・月はほとんど同じ組成であることが判明しています。

 

そこで、新しい新説がでてきました。それが「複数衝突説」です。複数衝突説というのは、ジャイアント・インパクト説のようなとても大きな衝突によって形成されたというものではなく、地球の10分の1〜100分の1ほどの小天体の、小さい衝突が20回くらい重なって月ができたという説です。

 

この説だと、衝突した天体の大きさ・速度等の限定的条件が不要となり、また、複数回の衝突は一回の巨大衝突より多くの物質が地球から出されることとなり、数百万年間で何度かの衝突が繰り返されることから、地球・小天体の化学組成の違いが平均化してわからなくなるとも言われています。

 

木星の4つの「ガリレオ惑星」の特徴

 

太陽系の各惑星の、現在知られている衛星の数をみてみましょう。

 

水星:0

金星:0

地球:1

火星:2

木星:63

土星:56

天王星:27

海王星:13

冥王星:2

 

となっています。こうして見てみると、木星と土星が極端に多くなっていますね。現在確認されている中では、木星が最も衛星を持っているということになります。

 

木星の衛星の中で有名なのは、イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストの4つの「ガリレオ惑星」です。これはもちろんあの有名な天文学者ガリレオ・ガリレイにちなんだ名前の惑星で、木星の衛星のなかでもとくに大きく、ガリレオが自分で作った望遠鏡でも見ることができたのです。当然、現代の双眼鏡などでも見ることができます。1610年にガリレオがこれらの4つの天体が、木星を周回していることをを観測しました。これは、ガリレオが信じていた、当時のキリスト教の教えの天動説に反するコペルニクスの地動説の裏づけにもなりました。

 

「イオ」はガリレオ衛星のなかでもっとも内側の衛星で、活火山をもっています。

「エウロパ」はガリレオ衛星のなかで最も小さく、表面が氷で覆われており、内部では水がある可能性もあるとされています。

「ガニメデ」は太陽系の衛星の中でもっとも大きな衛星です。

「カリスト」は無数のクレーターが表面にある衛星で、ほかの3つの衛星のように活動的な痕跡がありません。木星から一番離れているので、潮汐力の影響を受けず早々に活動停止したとされています。

 

 

月に関しては、いろいろな人間の文化がありますね

 

宇宙にある星の3つの分類のひとつ、衛星についてでした。月はもちろん昔から文化などでも人間と深いつながりのある衛星です。この時期は中秋の名月といって、お月見をするのが慣わしになっていますよね。月見○○という、いろいろな食べ物が販売されたりする時期でもあります。満月の夜は犯罪率が上がるという説もあり、「狼男」という伝説などもあります。お月見をしながら、月の起源について想像してみるのも面白いでしょう。

 





nabex

投稿者の記事一覧

経歴:フリーライター

趣味:旅行

気になる宇宙分野:宇宙全般ですが、特に太陽系外の宇宙に興味があります。

関連記事

  1. ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる、TESSを搭載したファルコン9ロケット wikipedia 「TESS」とは?NASAが今年4月に打ち上げた衛星を分かりやす…
  2. 日本版GPS「みちびき」って何?準天頂衛星システムについて解説
  3. GPSってどんなもの?GPS衛星の歴史や正式名称など雑学を紹介
  4. ガ二メデとはどんな衛星?太陽系で最大の衛星で生命の可能性あり?
  5. 中国の衛星「天宮2号」が制御不能、落下事故につながる?
  6. 日本発の大成果!地球の酸素が月まで届いていた!
  7. 木星の衛星「エウロパ」に間欠泉があるという新たな証拠が発見!

おすすめ記事

  1. 冥王星に人は住めるの?素朴な疑問に答えるよ
  2. いつか必ず訪れる、地球の最期はどうなるの?
  3. 火星がハビタブルゾーンに入る条件は?テラフォーミングは成功するの?
  4. 今年でなんと40周年目!の探査機「ボイジャー」の現在地や功績
  5. 天体観測に革命を起こしたハッブル宇宙望遠鏡!
  6. スペースシャトルとは何?日本人初の宇宙飛行士や歴史に迫る!
  7. 太陽系外惑星に地球に似た星「ケプラー452b」を発見!
  8. 火星探査のこれまでの歴史と有人火星調査は現在どこまで進んだの?
  9. スペースコロニーって実現可能!?問題点などについて
  10. 地球の水はどうやってできたの?地球に海をもたらしたのは小惑星?

おすすめ記事

スペースコロニーって実現可能!?問題点などについて 日本のJAXAが月に見つけた巨大な空洞とは? 月の土地が買える?権利書の効力は? 超新星の壮大なスケールの爆発が凄い!超新星が爆発する仕組みと影響 美しき惑星状星雲。その正体と太陽の死後はどうなるの? 天体観測に革命を起こしたハッブル宇宙望遠鏡! スペースX スペースXは何の会社?スペースX社創設の裏話もご紹介
PAGE TOP