月はよく鑑賞されることの多い天体ですが、たまに赤く見えることがあります。
赤い月というのは何か不気味なものがありますよね。海外では近頃、
皆既月食の「Blood Moon」と呼ばれて、
今年見れるのは今世紀最長の皆既月食としてニュースになっていました。
ここではこのBlood Moon、赤い月の原因について説明します。
月の位置と色の波長が関係しています
普通は月の色といえば黄色といったイメージがありますが、
たまに赤い色の月が見えることがあります。
赤い月というのは、ちょっと不気味なものがありますよね?
では、月が通常と違う赤い色になる原因はあるのでしょうか。
これには、いくつかの科学的な現象があります。
月が赤く見える原因の一つとしては、
まず、月が出ている場所というものがあります。
月が地平線・水平線近くにいるときは、
色が赤色に近くなるということが、科学的な現象としてあるようです。
地平線・水平線近くにある月というのは大気の影響がより強くなるため、
青色が目にほとんど映らずに、逆に赤色が強調されて見えるとされています。
赤い光というのは波長が長く遠くまで届きやすいのですが、
逆に青や紫の色は波長が短いため、遠くまでは届きません。
頭上の大気層の厚みよりも、水平方向の大気層の厚みの方が大きいため、
地平線近くにある月の青い色は私たちの目まで届きにくいということになります。
このような波長による色の違いは、
朝日・夕日が日中の太陽よりも赤いこと、虹の色などでも原因となっているそうです。
山火事や噴火などでも赤く見えます
大きな山火事・噴火などが起きた時の後では大気の塵・埃・水蒸気が増加するため、
月が赤く見えることがあるそうです。
塵・埃・水蒸気が大気に多く含まれると、
上記の波長の理由と同じく青い光が通りにくくなり、
そのため月が赤く見えるということになるそうです。
噴火と地震というのは現在、因果関係があることが判明されていて、
山火事というのも自然災害であるため昔から赤い月は不吉と言われている理由になっていました。
皆既月食の「Blood Moon」
もう一つの理由としては、血の月「Blood Moon」と言われる現象で、
皆既月食の時、まるで血を思わせるような赤黒い月が見られることがあります。
赤黒い月となると、もう何かホラー映画のような感じですね
近頃海外では今世紀で最長の皆既月食「Blood Moon」が
見られるとしてニュースになっていました。
赤い月の現象は皆既月食という、太陽・地球・月が一直線に並んで、
地球の影が月にさすためにできる現象で、
遮られた太陽光の中で大気の影響が少ない赤色が月を照らして起こるのだそうです。
この現象では少しずつ月が欠けていきますが、
月が完全に隠れた状態では、大気がレンズに近い役割になって、
太陽の光の赤い光が月を照らすことになります。
このような条件によって、皆既月食では赤黒い月が夜空に見られると言うことになります。
皆既月食によって見られる赤い月は「Blood Moon」と呼ばれて、
今年2018年7月27日・28日に世界各国で見られました。
日本では東北以西から28日未明に見られました。
これは今世紀で最も長く続くと言う皆既月食のため、
大きなニュースとなったのです。
皆既月食がこの前起きたのは今年2018年の1月31日で、
「スーパーブルーブラッドムーン」として話題になりました。
日本で次に皆既月食がを見られるのは、2021年の5月26日だそうです。
赤い月は地震の予兆?
この赤い月は、昔から「地震の予兆」と言われて不吉とされていました。
阪神淡路大震災の前や東日本大震災の二日前にも見られたそうです。
ただしこれは、科学的には何の証拠もないようです。
さらに調べてみると、ほぼ1ヶ月に1回ほどは赤い月が見られていて、
地震の多い日本のため相関関係はあまりないとも言えるでしょう。
赤い月は不気味ですね
月が赤く見える原因についてでした。「Blood Moon」は、なんか怖いぐらいの月の色ですね。
不気味なので不吉、というのはイメージとしてあるのかもしれません。
月というのは、様々な条件によって大きさが違って見えたり
色が違って見えたりするものということですね。
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