みなさんは宇宙磁場というものをご存じでしょうか?
これは文字通り、宇宙の磁場ということですね。多くの人は宇宙は真空というイメージを持っていると思いますが、宇宙に磁場があるというのはどういうことなんでしょうか。今回はこの宇宙磁場について紹介してみます。
宇宙には磁場があるんです
宇宙は真空と思う人が多いかもしれませんが、太陽系には後ほど説明する「太陽風」という風が希薄ですが速いスピードで吹いています。これは電離した粒子のことで、太陽系の最も外の惑星の冥王星の先まで吹いているそうです。この太陽風も、磁場を持っています。
ではまず、「磁場」とはなにかというと、電気的現象を把握する物理的概念です。
宇宙には惑星・構成・銀河などのすべての階層に磁場があり、これらが宇宙の成り立ちに大きな役割を持っています。そのため、宇宙磁場は宇宙の動きを把握するために最もベーシックな物理量であるために、宇宙空間を観測するうえでは磁場の解析が基本となります。
しかし、この宇宙磁場がいつできたというのは謎に包まれていて、これは宇宙の大きな謎のひとつでした。2006年、国立天文台やプリンストン大学等の研究グループが、宇宙磁場の有力起源は宇宙の初期の「密度ゆらぎ」であることを発表しました。
この「密度ゆらぎ」というのは宇宙発生初期に存在していたものです。ビッグバン後の宇宙は高温高圧で、陽子や電子や光子が散逸していて、その分布には密度のむら・ゆらぎがわずかにありました。電子・陽子間の運動には電流がズレによって生まれ、そのまわりに磁場ができるのです。
この密度ゆらぎの陽子や電子や光子をコンピュータで詳細に計算することで、生まれる磁場の予測を研究グループが行いました。これによって、密度ゆらぎが宇宙磁場の起源として有力である強さをもっていることが明らかになりました。今まで宇宙磁場の成り立ちについて候補がありましたが、これらには問題点が多くありました。
今回研究グループが突き止めた機構は、ゆらぎの細かいデータと理論からできているので不確定性がほぼありません。研究グループが考える理論でいけば、磁場が銀河間等でそのまま「化石」となっている可能性もあります。この「化石磁場」を観測することで、宇宙が誕生して40万年までの、宇宙についてのこれまでなかった新しい知見を得ることができるかもしれないとされています。
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地球にもあってオーロラにも関係しています
ちなみに、地球にも磁場があります。地球南北を棒磁石が貫いているような形を想像してみましょう。地球の地下約2900キロメートルの外核をつくる、ニッケルと鉄の対流によって、この磁場ができているとされています。地球の磁場の強さはコアの状態により増減していて安定していません。
みなさんが方位磁石を使うと、N極が北になるのはこの磁場があるためです。また、太陽からは表面から超音速の電荷を帯びた粒子である風が吹いていて、これにも磁場があります。この二つの磁場によって「地球磁気圏」ができます。地球磁気圏は、宇宙で地球の磁場が届く範囲のことです。
オーロラのような現象
地球自体の磁場が太陽風の磁場でつぶされて、太陽の反対側に伸びたような形になっていて、オーロラのような現象はこれと関連しているとされています。
磁場についてかみ砕いて説明してみました
宇宙磁場についてでした。今回はちょっと難しい話でしたね。しかし、かなりかみ砕いた概要についてだったので、おおまかのことは理解してもらえたでしょうか。磁場というのは電気の流れに関係しているんですね。
これは、難しく感じるけど掘り下げて調べてみたいテーマではないでしょうか。実際、宇宙磁場というのはまだ正体が詳しく明らかになっていないそうです。宇宙にはまだまだ謎がありますね。磁場が化石になっているというのも初耳という人も多かったでしょう。地球にも磁場があることは有名でしたね。
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