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日本の小惑星探索機「はやぶさ2」の特徴は?現在地なども紹介

2018年8月2日

はやぶさ2

 

先日、日本の小惑星探索機「はやぶさ2」が、

小惑星「リュウグウ」に到着したことが大きなニュースとなりました。

 

この「リュウグウ」には、生命の起源についての手がかりがあるかもしれないとされています。

 

そのため、これは世界的な発見となり、

あのNASAも仰天したとされています。

 

今回は、海外でも報道されたこの「はやぶさ2」について、

現在地なども含めて紹介してみましょう。

 

(画像引用元:はやぶさ2 wikipedia)

 

「はやぶさ2」の概要

 

「はやぶさ2」とは、日本の宇宙航空研究開発機構・JAXAが開発した、

小惑星探査機「はやぶさ」の後継機です。

この探査機は、小惑星 「リュウグウ」の着陸とサンプル回収が予定されています。

 

また、この名前は探査機を使った小惑星探査のプロジェクト名にもなっています。

 

「はやぶさ2」は、2014年の12月3日、

日本の種子島宇宙センター大型ロケット発射場より、

「H-IIAロケット26号機」によって打ち上げられました。

 

初代「はやぶさ」は、世界初の「小惑星の物質を持ち帰った探査機」でした。

初代の「はやぶさ」は小惑星の往復に挑んだ「実験」だったことに比べ、

「はやぶさ2」は水のある惑星を探査し、

生命の起源を解明するという目的をもった「実用」探査機です。

 

基本的な構造は初代「はやぶさ」と同じですが、問題点を改善した箇所もあります。

「はやぶさ」は宇宙においてトラブルがあり、この点を改善する変更がなされています。

 

パラボラアンテナに変え、スロットアレイアンテナという、

高利得平面アンテナを採用、制御装置等の改良、イオンエンジンもパワーアップさせました。

 

小惑星のサンプル収集についても改善されています。

新しい機能は、惑星の表面・内部にある砂等を集めるための「衝突装置」です。

 

これは、起爆装置が内臓されていて、

探査機が遠くへ離れた後に爆発してクレーターを作り、この周辺でサンプルを回収します。

 

回収方法は初代と同じように「サンプラーホーン」という筒から

「プロジェクタイル」という弾丸を表面にあて、舞い上がる砂ぼこりを回収します。

この弾丸は円錐状になり、より効率的になっています。

 

着地探査ローパー「ミネルバ」も3基に増やし高速通信ができる平面アンテナを追加して、

極限時においてのコマンドを速やかに行えることが可能になりました。

 

はやぶさ2の打ち上げ経緯

 

「はやぶさ2」はどのようにして打ち上げられたのでしょうか。

「はやぶさ2」は、初代の「はやぶさ」が打ち上げられる前から開発が検討されていました。

 

「はやぶさが」打ち上がった次の年、2004年にはさらに詳細な打ち合わせが行われていました。

 

「はやぶさ」が地球に似た小惑星「イトカワ」についての観測を成功させたことを受け、

JAXA内で後継機についての計画が立ち上がりました。

 

2007年に月・惑星探査推進グループ「JSPEC」に計画が引き継がれて、

2010年〜2012年内の打ち上げを目処にして計画が進められていましたが、

JAXAでの意思統一がなされず、打ち上げ計画はほとんど進みませんでした。

 

予算についても5億から5000万円になり、

太陽系探査は宇宙事業で後回しになっている面がありました。

 

このころ、一般人の間ではやぶさ2号機についての投書が多く届いています。

JAXAや国の機関に100通以上もの投書が届いたのは異例だったそうです。

 

政府としても予算を多くしない状況が続いていたものの、

2010年の6月にはやぶさが帰還したことで民主党政権から絶賛され増額が検討されましたが、

読売新聞では「現金すぎる」と批判されています。

 

2011年5月に、JAXAが2014年に本機を打ち上げるプロジェクトを発表、

2012年1月に宇宙開発委員会が「はやぶさ2」の開発を承認され、

正式に開発がスタートしました。

 

2014年8月、JAXAが相模原市において「はやぶさ2」を報道陣に公開しました。

 

2014年12月3日、H-IIAロケット26号機によってはやぶさ2は打ち上げられました。

 

 

はやぶさ2の目的は?

 

初代「はやぶさ」は、「イトカワ」というS(石質)型小惑星を探査しましたが、

2号機では「リュウグウ」というC(炭素室)型小惑星を探査する計画があります。

 

「リュウグウ」を探査することで、

はやぶさ2は生命の起源についての手がかりを発見する可能性があるとされています。

 

アミノ酸は以前に彗星の尾から見つかっていますが、

「リュウグウ」はC型小惑星という、

炭素が多く含まれた炭素質コンドライト隕石に似た物質から構成されていると推定されている小惑星で、

有機物を含んでいる可能性があると言われています。

 

地球の近くにある小惑星に有機物が確認されれば、

隕石としてこれらが地球に落ちたことで、

生命の起源に重要な役割をもたらしたという仮説が成り立つことになります。

 

 

はやぶさ2の現在地は?

 

気になるのが、「はやぶさ2」は今どこにいるのかという、「はやぶさ2」の現在地ですね。

 

「はやぶさ2」は、初代「はやぶさ」と同じ、

日本の宇宙科学研究所が作ったまったく新しいエンジン、

イオンエンジンを使用して宇宙を進みます。

 

これはイオン源や中和器に「マイクロ波放電式」を使ったことでプラズマ生成に電極がいらなくなり、

他の方式よりも軽量・長寿命・安全になりました。

 

さらに、加速グリッドには炭素繊維の強化炭素複合材料を使うことで、

モリブデン製の2倍から3倍という寿命になり、

耐久試験で20,000時間以上という稼働時間を記録しています。

 

2014年12月3日に宇宙へ打ちあがった「はやぶさ2」は、

2016年3月22日、4台のイオンエンジンの3台を稼動、運転時間は約8000時間とされていました。

 

連続運転でも1週間に1度ほどイオンエンジンを止めて、

その間に次のイオンエンジンの噴射方向に向くよう探査機の姿勢を変更。

毎週姿勢を設定するために、正確な位置・速度計算・イオンエンジンの評価等が続けられていました。

 

今年2018年に入ってからは、2月26日、小惑星「リュウグウ」の撮影を開始し、

6月3日にはイオンエンジンの運転を終了させました。

 

この日は、探査機から電波の周波数「ドップラー」データを確認、

機上時間14:59にイオンエンジンを停止し、

そのコマンドを「はやぶさ2」に送りました。

15:16には「はやぶさ2」からのテレメトリデータでイオンエンジンが正しく終了と確認されました。

 

はやぶさ2の軌道決定を行いながら、ここから小惑星接近誘導がスタートしました。

「光学電波複合航法」によって、慎重に小惑星「リュウグウ」へ目指していきます。

 

その途中では、速度を制御するための化学エンジンの噴射

「Trajectory Correction Maneuver」を9回行って、

その第10回目を行った6月27日、ついに小惑星「リュウグウ」の上空20kmという地点に到着し、

世界的に大きなニュースになって報道されました。

 

ということで、「はやぶさ2」の現在地は、いよいよ「リュウグウ」に到着し、

探査を開始しているということになりますね。

 

はやぶさ2はしばらくの間リュウグウに留まり、観測やランダー・ローバーを降ろし、

タッチダウンするなどインパクタの実験をします。

難しい運用・長時間の連続運用をいろいろと行ってリュウグウを徹底的に調査する予定となっています。

 

今後の予定としては、「リュウグウ」に1年と半年滞在して、

有機物があるとも言われている内部の砂を採集します。

その後、2020年に地球に帰る予定となっています。

 

 

はやぶさ2は現在「リュウグウ」を調査しています

 

日本の小惑星探査機「はやぶさ2」の開発経緯や、現在地についてでした。

現在「はやぶさ2」が調査している謎に包まれた小惑星「リュウグウ」には、

生命の起源が見つかるのでしょうか?

 

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