スペースシャトルなどによって宇宙に人間が行くときに必要になるものは、やはり食べ物です。ただし、宇宙船は無重力であるため、普通の食べ物というわけにはいかないのが問題です。
宇宙飛行士たちが宇宙で食べるものを「宇宙食」といいますが、宇宙食にはどんな種類があるのでしょうか?
グルメの人は気になりますね!
理想的な宇宙食の条件は?
最近は国際宇宙ステーション「ISS」などで宇宙飛行士が宇宙に滞在するような時代になりましたね。人間が宇宙に上がってまず必要なものといえば、やはり食べ物や飲み物でしょう。
宇宙で栄養を摂れるように料理・加工された食品を「宇宙食」といいます。しかし、宇宙食といっても、ただ地球とそっくり同じような食べ物や飲み物を持って行けばいいわけではありません。
なぜなら、宇宙船という地球からすれば非常に特殊な空間で食べるために、これが制限になるためです。この制限を考慮して、宇宙飛行士たちが無重力でも食べやすいように加工したものが宇宙食です。
たとえば、地球〜宇宙で物資は何度も行き来できないため、長期保存ができるものや、無重力のため食べても飛び散らないもの、密閉された小さな空間で食べるためニオイがきつくないもの、当然栄養がよく摂れるものなどが宇宙食の条件になります。
宇宙食の、「一般食」と「特別食」
このような条件があるために、昔の宇宙食はチューブに入ったものや離乳食のようなものでした。これが宇宙飛行士たちから「まずい」と大変不評だったそうです。
現在でも、宇宙食というとチューブに入ったようなものを想像してしまいますよね?
ところが、現在では宇宙食も格段に進化を遂げ、なんと1000種類以上のものがあると言われています!
これはすごいですね。宇宙食の種類は現在、「一般食」と「特別食」という区分がまずあります。一般食というのはその名の通り普段どおりのメニューで、どんなミッションでも食べられる常設のメニューです。
この一般食はアメリカとロシアが開発したので、基本的にアメリカとロシアの食べ物になっています。「特別食」も言葉の通りで、普通の食事以外という意味があり、これが宇宙飛行士のストレス解消にもなります。狭くて密閉された宇宙船に滞在し、決められたミッションを毎日続けるということは、かなりストレスを伴うものです。このため、宇宙食にはストレス解消という意味もあり、特別食がこれを担っているのです。
上記のように一般食はアメリカやロシアの食べ物が基本となっていますが、特別食は各国の料理が揃っているのが特徴です!
いろいろな形態の宇宙食がある
宇宙食の形態としての種類もいろいろあります。
「加水食品」はプラスチックの容器に入っていて、水・お湯を入れて食べることができます。フリーズドライ製法などでできていて、スクランブルエッグやご飯、お茶・ジュースなどもこの形態です。
「温度安定化食品」は缶詰やレトルト食品などで、肉料理や魚料理、フルーツなどがあります。
「自然形態食品」はナッツや飴、ドライフルーツなどのそのままで食べられる食べ物です。
「放射線照射食品」とは、放射線を照射することで殺菌をしている、ビーフステーキなどの食べ物で、賞味期間を長くするために開発されました。
「生鮮食品」はりんごやオレンジなどのフルーツやトマトやきゅうりなどの野菜があり、これは賞味期限が短いため早めに食べなければなりません。
宇宙に行った「日本食」
宇宙食の「特別食」では各国の宇宙飛行士の国の食べ物が許可されているということで、日本食も宇宙食になりました。たとえば赤飯や味噌汁、あの大阪名物「たこ焼き」などもあるというのでおどろきですね!
日本人がクルーにいるミッションでは、栄養摂取やストレス発散用として、その日本人宇宙飛行士の好物を、特別メニューになって積み込まれました。これは日本人のクルーだけではなく、他の国のクルーの分もあって、コミュニケーションのツールにもなっています。
これが外国の宇宙飛行士にも好評らしくて、日本の食べ物は現在、宇宙食の「一般食」にもなっているそうです。ちなみに、「ラーメン」「カレーライス」「サバの味噌似」などが外国人クルーにも人気となっているようです!
ラーメンもカレーも、元はほかの国の食べ物ですが、日本でアレンジされて本場のものとはだいぶ違ったものになっているんですよね。さすが、宇宙でも「日本食ブーム」という感じでしょうか?
現在では宇宙食も美味しくなっているようです
格段に進化した宇宙食の種類についてでした。昔はチューブに入っていてまずいまずいと言われていた宇宙食でしたが、現在ではすごい進歩を遂げているんですね!
また、宇宙飛行士のリフレッシュ・ストレス発散にもなっているという面があり、宇宙食は宇宙に滞在する宇宙飛行士の重要なもののひとつとなっているようです。