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今年でなんと40周年目!の探査機「ボイジャー」の現在地や功績

2017年9月20日

 

宇宙探査機の「ボイジャー」は、今年の8月〜9月で、なんと打ち上げられてから40周年を迎えるそうです。40年前に宇宙に打ち上げられたボイジャーは今も探査をしていて、地球から200億kmも離れた地点からデータを送信しているそうですから、とんでもない偉業ですね。普段なにげなく生活している人は、あまりこのようなニュースを知らないのではないでしょうか?

そこで今回は、40周年目を迎えた探査機「ボイジャー」について紹介してみます。

 

ボイジャー1号・ボイジャー2号の現在地や功績について

 

ボイジャー1号・ボイジャー2号は、人間を宇宙の謎へと導いて、太陽系やそのもっと先の探査に希望を与えてきました。まず、ボイジャー1号は今から40年前、1977年の9月5日に打ち上げられました。1979年には木星、80年には土星に接近し、これらの探査を行った後もさらに遠くへと旅を続けて、なんと2012年には「恒星間空間」に入った、人類史上で唯一の探査機になりました。

 

2012年といえば比較的最近なので、人間の時間からすれば途方も無い長い間宇宙を飛んでいたということですよね!今、ボイジャー1号は地球から210億kmほども離れた地点にいて、地球から見ればヘルクレス座〜へびつかい座の境界あたりにいるそうです。

 

ボイジャー2号は、なぜか「1号」より2週間早い1977年8月20日に打ち上げられています。これは、本当なら同じ日に打ち上げられている1号が、システムの不具合のために16日間延期したからです。1979年には木星、81年には土星、86年には天王星、89年には海王星に接近し探査をして、この探査機は木星より遠いすべての惑星に接近して探査したという唯一の探査機になります。

 

現在ボイジャー2号は、ボイジャー1号と反対に太陽系から南へと進んでいて、地球から170億kmほど離れたている、ぼうえんきょう座〜くじゃく座の境界近くにいます。ボイジャー2号も、もうすこしで恒星間空間に入るとされています。このふたつの探査機の探査成果については、木星の衛星である「イオ」に、地球外の天体としては初となる活火山を発見したこと、衛星「エウロパ」に広がる海を示唆したこと、土星の衛星である「タイタン」に、地球と同じような大気を発見したことなどがあります。

 

ボイジャー2号は天王星・海王星を探査した唯一の探査機で、天王星の衛星である「ミランダ」の姿や、海王星の衛星である「トリトン」の、氷の間欠泉等も発見しています。地球から打ち上げられて、太陽系の惑星からも遠くへと進んだ探査機は、太陽の影響が小さくなっている恒星間空間の開始領域の状態を調べて、データを地球へ送信し続けています。

 

恒星間空間は、光速に近いくらいの速度の宇宙線が地球付近と比べて4倍多いことが探査されていて、太陽系・太陽風を含んだ泡構造の「ヘリオスフィア(太陽圏)」が、宇宙線から惑星を守っていることがよくわかります。

 

ボイジャーに搭載されているコンピューターの驚くべき性能!

 

ボイジャーの多大な成果は、このミッション計画をした技術者によるところが大きいです。太陽系で最も過酷という木星付近の強い放射に対しての対策が、その後の探査機の旅にも影響を与えた装備となっています。なんとこのボイジャー、搭載しているコンピューターのメモリは69.63KB。

みなさんのおなじみのパソコンに例えるなら、「jpegファイル」をひとつ保存するだけのメモリーしかもっていないのだそうです!

処理速度はなんと現在のスマホの1/7500!というからおどろきですね。なので、通信をするだけでも電波が片道で約17時間となり、1日以上かかるということです。たしかに40年前の技術なのでそうなのかもしれませんが、そのような技術を持った探査機が今でも宇宙を旅しているというのは、かなりすごいものがあります。40年という年月は、日進月歩のコンピューターの世界では1000年くらいの大昔ということになります。データは懐かしい8トラックのデジタルテープレコーダーで符号化されたものを送信し、そのつど古いデータが上書きされています。

なぜボイジャーがこれほどまでに長い間宇宙を飛んでいられるのかというと、構成要素に冗長性があり、シンプルですが「頑丈だから」という点が大きいのです。ただし、ボイジャーも現在では故障することが多くなっています。最初にあった11種類の装置のなかで今でも稼動しているのは紫外線分光計・磁力計・荷電粒子検出器・宇宙線検出器・プラズマ波サブシステムの5つです。ボイジャーが打ち上げられた時は、まさか40年後も探査機が作動して、宇宙の旅が続いているとは、誰も考えていなかったそうです。当初の設計チームは、木星と土星の観測を成功させることを目指しながら、さらに恒星間空間まで行けるように努力をしていたそうです。

また、現在のボイジャー両機に搭載されている原子力電池は、毎年4ワット低下しています。ボイジャーの探査機運用チームは、最後の観測機器は2025年〜2030年までに停止するべきと考えていますが、その後もボイジャーは時速4万8000km以上という速度で旅を続けます。

 

銅板製のレコードに人類の文明が詰め込まれています

(写真引用元:金メッキされたレコードのジャケット wikipedia)

 

ボイジャーには1号・2号ともに、「The sounds of Earth(地球の音)」というタイトルで金めっきされた銅板製のレコードが搭載されています。このレコードには、地球上に存在している無数の音・音楽、55の言語による挨拶、科学情報等を紹介する写真やイラスト等が多数収録されています。ちなみに、日本からは音楽では尺八の「鶴の巣篭もり」、挨拶では「こんにちは、お元気ですか?」等が収録されています。これは、ボイジャーが現在のように他の恒星系へ向かっており、その恒星系のどこかの惑星に住んでいるかもしれない地球外知的生命体により発見されて、解読されることを願って、彼らに対してのメッセージとして積み込まれたそうです。さらに、ボイジャーは数十億年でも存在できることを考えれば、この「円盤型のタイムカプセル」は、人類の文明の、宇宙において唯一の痕跡になるかもしれません。

 

40周年目を迎えた偉大なボイジャー探査機

(写真引用元:ボイジャー1号の打ち上げ(タイタンIIIEセントール wikipedia)

 

ボイジャー1号・2号の、40年間という驚くべき宇宙での長い旅についてご紹介しました。

40年前に打ち上げられた探査機が、現在地球から最も遠い位置にある人工物体というからすごいことですね!

 

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